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これからリリースされる新曲群を初披露した新宿LOFT公演

WENDYが日本ロックシーンに開ける風穴、無限の可能性を発揮した“Showcase Live”

2023.05.08 17:30

2023.05.08 17:30

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青春はいくつになっても作れる(Skye)

楽器隊の3人が渾身の演奏を繰り広げたプログレ・サイケな長尺のインプロビゼーションから繋げた「2 Beautiful 4 Luv」は、ちょっとゴスっぽいダークな魅力もあるロック・バラード。天下を取った古今東西のロックンロール・バンドに倣うなら、必殺のバラードは不可欠だろう。バンドが持つ表現力が試される場面で、4人が繰り広げるエモーショナルな演奏が観客を釘付けにする光景は、まさに痛快の一言だった。

「一昔前、ギター・ソロを飛ばすという話題がツイッターのトレンド入りして、悲しいと思いました。でも、みんなは俺のソロを聴いてくれると信じてます」(Paul)

Paul(Gt)

「僕ら、ロフトにお世話になっていて、ここでやることが多いんですけど、今日は僕らだけってことで、いつもとは違う楽しさがあって、みんなも楽しんでくれてるようでうれしいです。ここからも楽しんでいってください」(Johnny)

Johnny Bowie(Ba)

「みんな声が足りないんじゃないの? 楽しんでる!?(観客が声を上げると)そのテンションで後半もお願いします!」(Sena)

Sena(Dr)

Skye以外の3人が一言ずつ挨拶した後、「俺達、10代のバンドって言ってましたけど、実は……」と3日前にSenaが20歳になったことをSkyeがカミングアウト。観客と一緒に「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」を歌ってからの後半戦も「Addicted」「Chasing a song」と、さらに新曲を披露。Paulが鋭いトーンで泣きを含んだリフを奏でた前者もさることながら、カントリーっぽいとも北米大陸的とも言えるおおらかさがいわゆるハートランド・ロックを思わせる後者には、こういう曲もレパートリーとして持っているのかと、そのソングライティングのスキルにちょっとびっくりさせられながら、WENDYが秘めている可能性に胸が躍った。4人がOh oh ohと重ねるコーラスの爽やかさも心地いい。

Skye McKenzie(Vo)

そして、「今まで以上に派手に暴れてください!」とSkyeが声を上げ、90年代のポップ・パンクが持つハジけるような明るさを取り入れた「When U Played Me」で弾みをつけてから、「6月21日にリリースします!」(Skye)と最後に披露したのが「RUNAWAY」だ。

同じアンセミックなロックンロールでも、パーティー調の「Can’t stop being BAD」に対して、大きなグルーヴを描き出すバンド・サウンドがさらなる新境地を印象づける「RUNAWAY」はJohnnyのべース・ソロに加え、PaulとSkyeがハモらせるツイン・リード・ギターも聴きどころ。どこまでも真っすぐに伸びるハイウェイを突き進んでいくようなダイナミックに演奏を聴きながら、目の前に広がる無限の未来に向かって、武者震いする4人の胸中が窺えるような気がした。

8月25日にSkye曰く「(自分達には)ちょっと、いや、かなりデカい」渋谷CLUB QUATTROで開催する、彼らにとって新たな挑戦となるワンマン・ライブのタイトルは、「Don’t waste my YOUTH」。

「日本語にすると、俺達の青春を無駄にするなって意味です。俺達はコロナ禍の中で結成されたバンドなんですけど、みなさんもその時期は大変だったと思います。コロナ禍以外でも人生、普通に生きてれば、大変なことはありますけど、青春って楽しいじゃないですか。それはいくつになっても作れるものなので、みなさん、ぜひ時間を無駄にせずに青春を楽しんでください」

タイトルに込めた思いを語るSkyeの脳裏には、かつてケンカに明け暮れ、青春を無駄にしていた自分達の姿が過ったに違いない。そのエネルギーをバンドに注ぎ込むまでには、それなりに時間はかかったが、現在の彼らにはこれっぽっちも迷いはないようだ。それどころか、すでに世界進出を視野に入れ、動き出しているという。デビュー・アルバムのレコーディングにグラミーのアルバム・オブ・ジ・イヤーを受賞したジョン・バティステの『ウィー・アー』に参加したMarc Whitmore(マーク・ウイットモア)をプロデューサーとして迎えているのもその一環だそうだが、いわゆる大人達がお膳立てしたわけではなく、Skye自らMarcにDMを送って、繋がったところがなんともイマドキだ。

そんなWENDYの活躍しだいによっては、日本のロック・シーンは変わるかもしれない。このShowcase Liveに足を運んだ人達は、きっとそんな期待に胸を膨らませたに違いない。

All Photo by 板場 俊

セットリスト

WENDY Showcase Live 2023
2023年4月28日(金) 新宿LOFT

01. Devil’s Kiss
02. SCREAM
03. Rock n Roll is Back
04. Pull me in
05. Can’t stop being BAD
06. 2 Beautiful 4 Luv
07. Addicted
08. Pretty in pink
09. Chasing a song
10. When U Played Me
11. RUNAWAY

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作品情報

WENDY 4th Single「Pretty in pink」

「Pretty in pink」ジャケット

「Pretty in pink」ジャケット

WENDY 4th Single「Pretty in pink」

2023年4月26日より配信スタート

配信はこちら

イベント情報

WENDY ワンマンライブ「Don't waste my YOUTH」

WENDY ワンマンライブ「Don't waste my YOUTH」

2023年8月25日(金)
OPEN 18:00/START 19:00
会場:SHIBUYA CLUB QUATTRO
チケット:¥3,000(税込)

WENDY ワンマンライブ「Don't waste my YOUTH」

全員が世田谷区在住の18歳~20歳からなる4ピースバンド。世田谷区の青少年センターで出会った仲間で2020年10月結成。10代とは思えない新旧を問わない洋楽ロックのヘヴィーリスナーであり、イギリスやロシアにルーツを持つメンバーがいるこのバンドは最初から自然と全歌詞、英語となった。
2021年1月に初のレコーディング、2021年中に9曲をレコーディング。2021年4月には下北沢ベースメントバーにて初ライブを実施。そこから新宿ロフト、下北沢ベースメントバー、恵比寿リキッドルーム、渋谷O-nestなどコロナ禍のなか年間10数本のライブで実力を磨く。2022年4月10日には下北沢ベースメントバーにて初ワンマンライブを実施しソールドアウト。5月13日には待望の1stシングル「Rock n Roll is Back」を全世界同時配信。Spotifyでは国内外7つのプレイリストに入る。8月20日には「SUMMER SONIC 2022」(東京会場:J-CULTURE STAGE)に出演し、新たなロックシーンを担うニューカマーの登場に会場を賑わせた。その後行われた8月27日の代官山SPACE ODDでの二度目のワンマンは大盛況のもと成功した。
今年2023年4月にはサウンドプロデューサーに2022年ジョン・バティステ「We Are」でグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した"Marc Whitmore(マーク・ウィットモア)"を迎え制作された新曲「Pretty in pink」をリリースし、METROCK 2023に出演するなど話題に。
70'sや80'sのルーツロックやハードロックの影響を色濃く感じさせる楽曲と、それを体現するロックスター然としたルックスやスタイルを併せ持つ WENDY。マネスキン、リンダ・リンダズなど新世代のロックが世界的に勢いを増してきている昨今のシーンにおいて、世田谷・そして日本から世界を狙う今最も注目のティーンネイジバンド。

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