2023.01.05 12:00
2023.01.05 12:00
やっぱり青っぽい曲が好き
──今回入ってる曲の中でこれ用に新しく作ったのでいうと、どれが一番早かったんですか?
どれだっけな。でも「SONiC」が一番早いと思います。「SONiC」と「サラバ宇宙、彼⽅未来」は早かった。なんか僕、青が最近好きで。サウンドを青っぽいのにしたいなと思って、だからこの2つは青っぽいんですよ。だけどなんかロックガチャガチャやりたいみたいな気分になって最後の「永遠の少年」が出てきて。その両方がアーチを描いて繋がるようにっていうので、この曲たちを選びました。
──「サラバ宇宙〜」からは1st EPに入っていた「狭い宇宙、広いこの星」を連想するんですけど。
確かに、そう思ったんですよ。全然意識したわけじゃないけど、字面も似てるし。やっぱり同じ感性なんだなって思いました。同じ人間が作ってんだなって。しかもあの曲もちょっと青っぽいんですよね。こういうのがやっぱり好きだったんだなって。「狭い宇宙〜」とかはスーパーカーとかを聴く前に作ってるんですよ。なんかもとから好きになる共通の感性があったんだろうなって思いますね。
──でも歌っていることは正反対な気がするんですよ。
「狭い宇宙〜」ってどんな曲でしたっけ、もう覚えてない(笑)。
──あのときは「現実逃避」みたいなテーマがあったんですよね。
はいはい、確かに。これはどっちかっていうと「自分に向き合って集中しましょう」みたいなことだから。成長してますね。今は逃げたいものはない。今までは宇宙っていうか別次元にいようみたいな感じだったんですけど、今回はその現実逃避とはもう逆で、現実逃避的な部分から脱却して夢中になって生きようっていう曲なんですよ。だから全く違いますよね、昔と。
──だから今回って、現実の中でちゃんと向き合って生きていきましょうっていう姿勢じゃないですか。一方で本当の現実世界っていろいろなことが起きて、結構やばいことになっているじゃないですか、今。
もう慣れましたけどね(笑)。
──そういう部分に対するタフさは感じない?
でも僕、大人になったタイミングでもうこれだったんで。そんなに変化とかは感じないです。むしろ大人になって酒飲めるようになってよかったって思ってます。それぐらい、大人になったときに変化したことが楽しいって感じですね。実際よくなくなってると思いますし、明らかにマイナスなことは多く起きていると思うんですけど、僕ミュージシャンなんであんまり関係ないですね。昔も別に超幸せだったと思ったことは1回もない、全部が満たされてると思ったことないから。だからあんまり関係ないです。
──お話伺っていると、時代のムードとか大衆が求めているものとか、そういうのを基本的に信じないんだなっていう感じがします。今ロックを選ぶというのもそうだけど、俺は俺じゃんっていうか、自分がやりたいことの方向に進むしかないじゃんっていう。その先に未来あるじゃんっていう。
完全にそうです。
──今回のアルバムも「知るか」って感じですもんね。
でもかなりいい線いったと思います、僕、この「SONiC」とか、受け入れられたら結構やばいんじゃないかなって思ってる。そうなってきたら、いよいよちょっとロック流行っちゃうんじゃないかなって思いますね。ロックって簡単だみたいなことを言いましたけど、でも結果できてみたら全然真似できないものになったと思うんですよ。普通のロックとは違うから。今まで打ち込みもやったし、シンセサイザーも使ったし、いろんなものをやった上で一番楽しくロック作れたんで。これが受け入れられたとしたら、ちょっとMega Shinnosukeには敵わないと思います(笑)。
──この曲はバズるかもしれないですよ。
バズったらダサい。好きなやつが全員聴いてくれたらいいです。バズりたくないですね。僕の精神性として、ここまでノーバズで来ていて、それがおもろいなと思うんですよね。なのにそこそこファンがいる。それは他の人たちに圧倒的にないものだと思うんです。だからこそユートピアを俺の正義で作れるというか。だからそこに賛同するみんなは乗ってきてほしいですね。流行らなくてもいいから、こういう音楽に引っかかる人が1人も逃さずに引っかかってほしい。
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