『花は誰のもの?』ロングヒット記念インタビュー 2/2
元チェッカーズ鶴久政治が石田千穂に説くヒット曲の大切さ、STU48に願う未来
2022.10.02 12:00
2022.10.02 12:00
STU48は世界に平和のメッセージを発信できるグループ
鶴久 今回、トライアングルセンターとして選ばれたときはどんな心境だった?
石田 選ばれたときは、よっしゃー!って。
鶴久 あはははは(笑)。でも、選抜に選ばれない子もいるし、トライアングルになってない子もいるから、あまり大喜びもできないじゃない? そこらへんは難しいよね。
石田 そうですね。普通センターって1人なんですけど、この曲でセンターが3人いることにすごく意味があると思っていて。振り付けの最初、ちょっと悲しい表情をしているんですけど、最後の方には3人で花を作ったり、手を繋いでいる振り付けがあるんです。平和を3人を中心に全員で表せている感じがあって、それはトライアングルセンターならではだし、全部がリンクしてるなって思うんです。
鶴久 振り付けも1個1個意味があって、こだわりがある。振り付けしてくれた人たちがちゃんと歌詞を見て、音を聞いて、このアクセントはこうしようとか、この歌詞の意味は、STU48ならこうしようって考えてくれているんですよね。
石田 はい。今までも振り入れのときに意味を教えてくださっていたんですけど、今回は初めて立ち位置表に「ここはこういう歌詞だからこういう思いを込めて作りました」とか、1個1個のメッセージが書かれていて。
鶴久 ということは、この楽曲の良さやメッセージが振り付けのCRE8BOYにも伝わっていたってことだよね。
石田 はい。今回は気持ちの込め方とかも本当に違っていて。より一層CRE8BOYさんからの気持ちとか熱意が伝わってきましたし、全員でこの楽曲を広げていこう、良くしていこうという熱意をすごく感じました。
──初めて挑戦された「花は誰のもの?」のダンスリリックビデオも、現在の時点で268万再生を超えていおり、相当反響が大きいですよね。
石田 本当に嬉しいです。ダンスリリックビデオを撮るって聞いたときは、どういうものかあまり理解できていなくて。でも、撮影の合間に撮った素材を見させていただいたら、自分たちで言うのもあれですけど、すごく刺さるものがあったというか。背景は真っ白なんですけど映像自体もすごく美しくて、ダンスと歌の良さだけが本当に伝わる映像になっているんです。
鶴久 そう! 変に景色で逃げないというか、海の景色とか夕日じゃなく、本人たちだけなのがいいんですよ。やっぱ美味しい肉をいただいたときは、美味しい塩だけをほんのちょっとつけて食べるのがうまい。素材のよさがSTUのみんなにあったってことでしょうね。
石田 嬉しい。
──鶴久さんは、楽曲制作にあたってどんなことを意識して作られたんでしょう。
鶴久 この曲は、マイナーコードで僕の好きな世界観なんです。70年代80年代はマイナーコードのちょっと悲しめの切ない感じの楽曲が多かったんですよ。秋元さんもその世代で、フォークソングとかを聴かれているし、6歳年の差はあるんですけど僕もビートルズを中心に聴いてきたので、影響を受けている部分は近いんですね。今回、秋元さんがこの曲を選んでくれたのは、STU48に広島出身のメンバーが多かったり、世界的に平和のメッセージを発信できる場所だったからだと思うんです。僕もフォークソングなどにも影響を受けているので、はっきり歌いやすいメロディを作るよう心がけていて作っていて。今のアーティストの子たちは、トラックを作って、そこにメロディーを乗せて、最後に詞を乗っけることが多いんですけど、僕らたちのときは最初に歌詞があって、それにメロディーを乗っけてアレンジをしていたから大事な順番が逆転している。僕は曲ができたあと、毎朝起きてギターを弾きながら「ららら」で歌って、違和感がないか確認して「今日も名曲だな」と思ってお昼ご飯を食べて、また歌う。それで午後もまた名曲だなと思うみたいに毎日繰り返して確認しながら1個1個の音に間違いないと思える曲を提出したんですよね。
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