イナズマロック フェス 2022 特集 第4回
今年のイナズマを振り返る──温かい愛で包まれた2日目、強い結束で来年へ
2022.10.19 17:00
2022.10.19 17:00
(取材・文/庄村聡泰)
凱旋レポ、2日目である。初日に強固で温かな西川の地元愛に触れた事は先述(初日のレポ)の通りであるが、2日目の途中で台風の接近に伴う3日目の中止の発表があった。そこから感じた事は、強固で温かなオーディエンスのイナズマロックへの”愛”であった。初日はビールを飲んだ事をスカパラ兄さんのせいにする事としたが、この日にビールを飲んだ事はそんなオーディエンスの愛が余りにも強固で温かくて美しかったからである。そして当記事を目にする読者の方も勿論イナズマロックへの愛を持っている方々であろうと推察されるので、とどのつまり筆者がビールを飲んだのは皆さんの愛のせいという事なのである。みんな輝いておりましたぞ!
生憎の空模様であった2日目。会場に到着すると前日同様、関西圏のラジオDJによるリレー形式の前説であるイナズマロックレディオの真っ最中。それぞれが3年ぶりの開催における思いを語り、来場者、演者、そして演者の幕間を盛り上げる芸人、そして本日も前日も実質的にはオープニングアクトを務めてくれたDJ陣も全て引っくるめて、みんな開催を心待ちにしていたんだな。イナズマロックは愛されているんだなと言う事を改めて実感させてくれる。定刻になり登壇するは草津市長の橋川渉氏。被っていたハットを投げるわ(3年ぶりと言う事で3個)着ていたジャケットも投げるわ(同伴していた草津市公認マスコットキャラクターの”たび丸”くんが顔でキャッチ)と言う沢田研二や郷ひろみを連想させるパフォーマンスにて開会宣言。
ラインナップは初日以上に驚異の振れ幅
2日目の1発目を飾ってくれたのはDISH//。ボーカルの北村匠海は金髪のスパイキーヘアで登場。俳優としての輝かしい活動でも知られる彼であるが、出立ちからして今回は完全にバンドマンのモードを纏う。そのまま「僕たちがやりました」でライブをスタートさせ、爽やかな「沈丁花」、熱のこもった「勝手にMY SOUL」、疾走感溢れる「No.1」と楽曲を畳み掛けていく。”野外でライブすると毎回雨が降るんですよね……”と自虐気味に語りつつ、ラストは「猫」。むしろ雨で良かったと思うくらい、メロウな気持ちに浸れるパフォーマンスを観せてくれた。
続いての登場は何とこれまた異色のブッキングである、アイドルマスター SideM。本人たちからもロックフェスへの出演は勿論初めてで、普段は夜、そして屋内でペンライトなどを振りながらのライブが中心である事などが語られるが、真っ昼間の野外ライブの新鮮さを存分に楽しんでくれている模様であった。本編(ソーシャルゲームからスタートし、様々なメディア展開が行われている)の登場人物を想起させる色とりどりの衣装に身を包んだ総計12人のユニット体制での出演。ロックフェスにはぴったりの「バーニン・クールで輝いて」や”サイドMポーズ”のレクチャーなどを挟み、ラストには初期から大切に歌われ続けている「DRIVE A LIVE」を披露。オーディエンスの1人として、こうしてまた新たな音楽に触れられる事がとても嬉しい。
“生活密着型ラウドロック”を掲げ他に類を見ない形での共感性に富んだ楽曲の数々で名を馳せる打首獄門同好会。”岩下の新生姜”がテーマ(企業公認との事)の「New Gingeration」、西川貴教を”音楽界を代表する筋肉”としてそちらへ「筋肉マイフレンド」を捧げ、こちらではオーディエンスと共に会場一体となったスクワットが行われる。何だこりゃ(笑)。運動の後にはカルシウムだと言わんばかりの「牛乳推奨月間」や日本人はとにかく魚が大好きと歌われる「島国DNA」など、昼メシ時に繰り出される飯テロソングとも言える楽曲の数々。ああ、腹が減った。ご飯食べたい…と存分に思わされた挙句にプレイされたのは代表曲と言えるであろう「日本の米は世界一」。
この後筆者は辛抱たまらずフードエリアの吉野家へ駆け込み、チーズ牛丼とねぎ玉牛丼をオーダーしたのであった。
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