2022.10.10 17:00
2022.10.10 17:00
曲は出てからも進化する(NAOTO)
──そういう曲があるから「Illusion〜」みたいな曲もまた映えるんですよね。こういうシリアスな曲も毎回ありますけど、これはもうテーマありきで作ったんですか?
NAOTO そうですね。これはもうテーマありきで、MCの3人のキャラを存分に出してもらおうという。こういう曲に関しては統一感とか、まとめるとかいうことはしなくて。とにかく3人の個性を出すっていう。
──これはトラックも歌詞も含めて、もろに今のヒップホップじゃないですか。普通にヒップホップをやっているという。それも逆にORANGE RANGEがやるとすごい新鮮に映るんだなって。
RYO おっしゃる通り、このトラックが好きで。歌詞のテーマも好きだったし、ちゃんとこういうのを書いてみたいというのもあったので、何もごまかさずに書きました。やっとこういうのを書けるようになったなとほっとしてます。他の人の詞を見ても刺激をもらえましたし。
──こういうことって、こういう曲がなかったら発信する場ってなかなかないじゃないですか。
RYO しかも難しいテーマなので、発信したときにどう思われるかとかもあると思うんです。だけどそれも超えて、自分が思ってることを作品で表現するっていうのは大事じゃないかなと。それは僕だけに限らず、人それぞれ、何も思わないっていうよりはやっぱり思うということ、自分の思いを持つということが大事だと思います。
──ヒップホップでいうと「Typhoon」も「Illusion〜」とはまた違う切り口のストレートなヒップホップで。
NAOTO この並びはいいですよね。「Typhoon」と「Illusion〜」、時代の違うヒップホップが並んでいるっていう。「Typhoon」はミドルスクールの感じで、「Illusion〜」は今風のトラップみたいな。内容もコミカルなものとシリアスなものと。ヒップホップのでかいフィールドが表現できたから面白いなって。
RYO もともとリーダーは好きですからね。
──好きは好きなんだと思いますけど、そこにどこか捻りを加えていくのがORANGE RANGEのスタイルだったと思うんですけど、今回は他の曲も含めてわりとモロですよね。
NAOTO うん、ダイレクトな感じは見えやすくなっていますね。他の曲もそう。今までエッセンスとしてやってたことは多いですけど。まあ、「Typhoon」みたいな曲は「Theme of KOZA」とか、一応これまでにも作品にしてたんですけど。でも無意識に、それこそコロナで時間もあるなかで、サブスクで昔聴いていたものをいっぱい聴くようになったんですよね。今って曲の鮮度がそのままですぐ聴けるじゃないですか。それで高校時代に聴いていたものとか昔の曲ばかり聴いているから、そういうのがまた2周目で好きになっているっていう。自分の根源にある感覚だから、そういうのをまたやりたいなと思って、ダイレクトに出ちゃったのかな。モロ感はありますよね。あとは単純に、こんな感じのヒップホップが逆に新しいじゃないですか。また流行ってくれないかな、みたいな願いも込めて(笑)。
──そんなアルバムを引っ提げて始まったツアーもここから続いていきます。Zeppツアーを終え、この後ホールツアーと、かなり長いツアーになっていますけど。
RYO 今年もう週末の休みないよ? 知ってた?
NAOTO わかってるよ(笑)。
──まあ、長い夏休みだったんですから(笑)。
RYO そうですね。でもお客さんの前で新しい曲をやるのが楽しいので。自分的にバンドをやっていて楽しい要素が3つあるんですけど、ひとつはライブが楽しいのはもちろん、その新しい曲をリハスタで固めているとき、その曲の録音段階でリーダーの家での制作のやり取り。この3つが楽しいです。
──作って、レコーディングして、ライブでやる。バンドにまつわるほぼ全部じゃないですか(笑)。
RYO 当たり前のことが大切なことだと実感しています。このツアーは『Double Circle』を引っ提げてなので。この曲たちがORANGE RANGEの武器になるようになればいいなって思います。もう何曲かはすでに強くなっているので、全部がそうなればいいなって。
NAOTO うん。やっぱり曲が出てからも進化するから。これだけ長いツアーだとその過程も見れるから、そういう楽しみ方もありますよね。長いツアーなので、一緒に作り上げた曲が変わっていくのを楽しめるのかなって思っています。