田村芽実、清水くるみを迎えさらにブーストした作品世界に迫る
これぞ根本宗子作品でしか味わえないカタルシス!『超、Maria』にみる音楽劇の醍醐味とは
2026.07.09 20:30
2026.07.09 20:30
音楽劇『超、Maria』が‘、7月4日(土)より7月12日(日)まで東京・有楽町のI’M A SHOWにて上演中。その初日、ダブルキャストのうち「チームエンジェル」の公開ゲネプロと記者会見が行われた。
小学校に入ったばかり勉強嫌いな6歳のかな(もも/田村芽実)はノートを見せてもらったことをきっかけに、ゆう(根本宗子/清水くるみ)と仲良くなる。2人は父親が忙しく、なかなか会えないという境遇が似ており、意気投合。自分たちのお父さんは忙しくて最高にかっこいい! とお互いに言い合い楽しすぎる毎日を送っていく。そんなある日、下校途中にひょんなことから2人は人生最大の秘密を知ることに。その日から自分たちが予想もしていなかった人生のジェットコースターがスタートする。


この『超、Maria』は、劇作家・演出家・俳優としてマルチに活躍する根本宗⼦と、⾳楽ユニット「チャラン・ポ・ランタン」がタッグを組んだオリジナル⾳楽劇。チャラン・ポ・ランタンのボーカルももと根本による⼆⼈芝居に、同じくチャラン・ポ・ランタンの⼩春が⾳楽を⼿がけ、2020年の1月に初演されたものだ。2020年の9月にはコロナ禍の中で配信上演もされ、配信用の新たな演出で完全無観客、カメラ一台で収録した映像を配信。そちらも話題となったという作品だが、今回はもも×根本宗子のオリジナルペア「チームシスター」だけでなく、⽥村芽実×清⽔くるみによる「チームエンジェル」という新たなペアを加えた2チームでの上演というのも見どころだ。

レースやフリルがたっぷり付いた洋服や小物、装飾……ガーリーな世界観にしっかりと構築された舞台舞台の中に、黒と白の装いで舞台に立つ2人の少女。完璧に作り込まれたビジュアルからは、ゴシックロリータのような耽美なジャンルを想像する人も多いかもしれない。しかし始まってすぐ、そこで繰り広げられる物語が「ただ可愛い」だけのものではないことに気付かされる。シンプルに言ってしまえば「2人の少女が友情を結び、お互いに支えあう物語」なのだが、そこは根本宗子作品、そんなに一筋縄ではいかない。物語冒頭の2人の少女は着ているワンピースとは裏腹に、どちらかというと「どこにでもいるような子供」だ。そして嫉妬もすれば、“毒”も吐く。だからこそ、2人が巻き込まれていく展開が、後半になるにつれてより観客の胸にずしりと響いてくることとなる。これぞ根本作品! という感想を持つ人が多いのではないだろうか。

かな役とゆう役の2人は、舞台上にほぼ出ずっぱりのまま小学生から大人になるまでを歌い、踊りながら変幻自在に演じていく。セリフとモノローグを行き来し、自分以外の登場人物も演じ、ときにはこの作品を俯瞰して見るような「メタ」な視点も入る。当日の記者会見で田村は「こんなにワクワクな気持ちで初日を迎えるのは子役以来」と本当に感無量という感で語っていたが、「『出たいです』って、そんな簡単に言うもんじゃなかったなというぐらい、稽古はすごく難しくて大変で、体力的にも精神的にもきついと思う瞬間もありました(笑)」と苦笑したが、実際に舞台を観るとその言葉には納得しかない。
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