Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

INTERVIEW

豪華客演を迎えた楽曲群の制作秘話、独自の活動観に迫る

Bimiがメジャー初アルバムで弔った過去と背負った未来 “地続き”の俳優業で磨いた感覚とは

2025.07.02 18:00

2025.07.02 18:00

全ての画像・動画を見る(全27点)

今はナイトメア・ルフィみたいな感じ

──客演の話がありましたが、同じくフューチャリング曲である「All the things feat.Sit(from COUNTRY YARD, mokuyouvi)」についても伺いたいです。

Sit君は、共通の友人が繋げてくれました。お互いライブ行き来して、Sit君が俺のライブ見て「(一緒に)作りたすぎる」みたいなラブコールをくれて、アルバム作るってなってから連絡して、曲を作ったって感じですね。これは本当に中高時代ドストライクに好きだったメロコアパンクの曲なので、その当時のマインドを呼び起こして、Bimiの歌詞としてはこれ以上ないぐらい前向きに書いたんです。夢見てた自分を戻して。

Bimi「All the things feat.Sit(from COUNTRY YARD,mokuyouvi)」Studio Performance Video

──面白いのが所謂メロディックパンク的な楽曲ではあるんですけど、そこに「極上の俺らなりの極上のデザートをさあどうぞ」って歌詞が乗るのが、ポップパンク特有の「楽しもうぜ」の同調圧力もなく、とてもいい意味で上品に聴こえました。ちゃんとBimiが枠を設定した中でのCOUNTRY YARDなのかな、みたいな。

二人の泥んこ遊びっていう感じ。今までBimiが泥とか泥まみれって書いてたら、そのまま沈んでいってしまうような楽曲の方が多かったんですけど(笑)、その汗臭い青春な感じは出さなかったので、今回すげー新鮮で、書けて良かったですね。

ビデオ通話して、こんな音とこのコード進行って言って、これで一回ちょっとメロ作ってみるってまず鼻歌で来て、じゃあこの仮オケに一回乗せてみますって言って、最初のバース書いて「あーいいね。じゃあこっちも書いてみるから」って、2ラリーぐらいで出来ました。

──そのオープンマインドに至っているからこそ、初の他者からの提供曲である「ゴースト feat.新藤晴一(from ポルノグラフィティ)」に繋がるという。

晴一さんが初めてプロデュースしたミュージカルの主演をやらせてもらって、そこで仲良くさせてもらいました。メジャーデビューした時に幾つかギターを弾いて歌った曲があったんですけど、その時もギターを貸してくれたりとか。で、酒の席でノリで「俺に書いてくださいよ」みたいに言って。その時言質取ってたんで、それを使ってアルバムの制作決まった時に「書いてくれるって言いましたよね?」って言ったら「どういうのが良いの?」って聞かれて。晴一さんが書きたい曲書いてくださいって言ったら、じゃあラブソングにしちゃうと(笑)。お茶目なイタズラですけど、「お前これ歌えるだろ」って信頼してくれてるイタズラでもありましたね。挑戦でもあり信頼感のあるこの「ゴースト」っていう楽曲もらったんで、自覚を持てました。

Bimi「ゴースト feat.新藤晴一(from ポルノグラフィティ)」Studio Performance Video

──アーティストとして、自分が発する言葉じゃない言葉を表現するのはどうでしたか?

超恐縮なんですけど、晴一さんの歌詞と俺の作詞、空気感の使い方とか言葉の選び方とかめっちゃ似てるんですよ。「Nemo」を先に書いたんですけど、「眠らせてくれ」とか「眠らせてほしい」とか言ってるんです。「Nemo」と「ゴースト feat.新藤晴一(from ポルノグラフィティ)」、超眠い曲なんですけど結構似てて。

インディーズ時代に書いた「Phantom」っていう曲があって、それも結構まどろむ系のラブソングなんですけど、晴一さんの中で俺ってまどろむ系のラブソングがイメージなんだなとか思って。歌詞が似てたりいい意味で親和性があったんで、そんなにストレスも感じることもなくスッと歌えたんです。

──晴一さん的にもBimiさんに書くにあたっての精度がかなり高かったんでしょうね。この曲と「Nemo」はこれからライブにおけるかなり肝の楽曲にもなりそうですよね。

そうですね。歌い上げなきゃいけない曲で、あんまりBimiに聴かせる曲がないんで良い武器だと思います。

──27歳になるにつれて考え方もどんどん柔らかぅなったとのことですが、どういったプロセスを経てそのように変わっていきましたか?

ある意味での自分の中のあきらめがあって。27までの理想を16ぐらいから考えてたんですけど、音楽やりたくて上京したら、いつの間にか俳優がいい感じにいっちゃって。で、俳優としてもやることやらなきゃいけないし、(俳優の)土俵に乗ったからこそ音楽でもちゃんとかっこいいことしなきゃなっていうのがずっとありました。その中でコロナ禍になって、あの期間でやっぱ俺音楽やりたいなと思って、そこからBimiを始めたんですけど。

パンクとか好きだったんで、漠然とずっと「27で音楽で成功して俺はロックスターになる」みたいな理想の姿があって、それを追って27まで突っ走って来たんですけど、俳優もやったり、いろんなものを培ってきたからこそ、転がれた別の世界線の27歳の自分がいるなと思ったんです。でも理想を追って突っ走ってきた自分の原動力を蔑ろにできないし、自分の理想を成仏させないと先に進めないなと思って、今回のアルバムが出来上がりました。

──先ほど「『Nemo』で一回自分を殺した」と表現されていらっしゃいましたが、その“あきらめ”の気持ちは特にこの曲に?

そうですね。この曲は葬送曲というか。この曲で覚悟を決めて、理想だった27歳の自分を眠らせてから「暴食」に繋がって。今まで武装してたものをテイクオフしてやってたけど、そこからは暴走モードじゃないですけど、結局曲を全部食うことでまた武装するみたいな。『ONE PIECE』のナイトメア・ルフィみたいにめちゃくちゃ詰め込まれて強くなった、ある意味で吹っ切れた自分って感じです。

次のページ

一人活動へのこだわりと今後のビジョン

全ての画像・動画を見る(全27点)

作品情報

Bimi メジャー1stアルバム『R』

『R』ジャケット

『R』ジャケット

Bimi メジャー1stアルバム『R』

2025年4月9日(水)リリース
KICS-4189/¥3,600(税込)
仕様:限定スリーブケース(初回プレス分のみ)

購入はこちら

収録曲

M1. 辻斬り
M2. 百鬼夜行 feat.Whoopee Bomb
M3. 無敵 feat.呂布カルマ
M4. Bright feat.YUKI(from MADKID)
M5. 額 -HITAI
M6. Right-Hand Chance
M7. 軽トラで轢く-味変- feat.椎名佐千子
M8. 暴食
M9. All the things feat.Sit(from COUNTRY YARD, mokuyouvi)
M10. Nemo
M11. ゴースト feat.新藤晴一(from ポルノグラフィティ)
M12. 27th-味変-
M13. Bonus Inst -R- (Prod. DJ dip)

イベント情報

Bimi Release Party Tour  2025 -R-

Bimi Release Party Tour 2025 -R-

2025年7月6日(日) 開場16:00/開演17:00
会場:Spotify O-EAST
チケット:スタンディング¥7,700((税込/ドリンク代別)

ゲストアーティスト:
Whoopee Bomb
椎名佐千子
Sit(from COUNTRY YARD, mokuyouvi)
YUKI(from MADKID)
呂布カルマ
※五十音順

Bimi Release Party Tour  2025 -R-

Bimi Live Galley #05 -Splash-

Bimi Live Galley #05 -Splash-

025年7月12日(土) 17:00開場/17:30開演
会場:渋谷・WOMB
出演:Bimi/サポートDJ:DJ dip
チケット:スタンディング ¥7,700(税込/ドリンク代別)
※SOLD OUT

Bimi Live Galley #05 -Splash-

年齢制限:未就学児入場不可

Bimi(読み:ビミ)
本名:廣野凌大
2021年6月にDigital Single「Tai」でアーティストデビュー。
その独特な世界観と楽曲の強度が話題を呼び、客演参加や楽曲提供なども担当。翌年2022年12月にフルアルバム「Chess」を発表し、2023年10月にキングレコード(EVIL LINE RECORDS)よりメジャーデビュー。
パンク・ラウド・HIPHOP等を自身の音楽ルーツとしながら、POPS・和モノ・エレクトロ・R&Bなど幅広い音楽ジャンルを掛け合わせたミクスチャーなスタイルで活動中。
観客を一気に惹き込む圧倒的な世界観とステージパフォーマンスが評判を呼び、2024年7月品川ステラボール、同10月Zepp Shinjukuにて開催のワンマンLIVEもSOLD OUTするなど精力的に活動を行っている。
また、音楽シーンの世界だけではその活動の場は収まらず、俳優としても数々のヒット作品や主演作品に出演し、役者としての顔も合わせ持つ。
音楽アーティスト・俳優、そのどちらも最前線を疾走し、その類稀なる表現力・体現力が唯一無二のBimiの世界観を形成している。
多種多様な音楽の旨味を抽出し、撹拌し、そして咀嚼する。
その音楽から滲み溢れる美味(Bimi)に人々は酔いしれる…。
異彩を放つ雑食Mixtureの世界をご賞味あれ。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram