2025.05.16 18:00
2025.05.16 18:00
一度もお芝居が嫌になったことがないんです
──豊嶋さんは1歳のときから芸能活動をされていました。子どもの頃は「習いごと感覚だった」とおっしゃっているのを別のインタビューで読みましたが、仕事として自覚を持ちはじめたのは、いつくらいのタイミングでしょうか。
高校生になって、今の事務所に入ってからですね。契約の話とか、子役時代は聞いたことがなかったので、自分も交えて細かい法律に関するお話をされているときに、これはもう習いごとじゃないんだって自覚を持ちました。
──お芝居に対する意識についてはどうですか。
やらされている感がなくなったのは、そのちょっと前。『トットちゃん!』で黒柳徹子さんの幼少期を演じさせてもらったときだと思います。

──それは、『トットちゃん!』で何があったからでしょう。
オーディションだったんですけど、「絶対にこの役をやりたい!」と思ったんですよね。トットちゃんってちょっと特殊な女の子で、演じるのは冒険だった。だからこそ、挑戦してみたいと本能的に惹かれたんだと思います。
それで、オーディションの前にいっぱい自分なりに研究して。トットちゃんだったら、ここでこうするはずというのをいろいろ考えて臨んだんです。それがすごく楽しかった。やらされてるんじゃなく、やりたいんだってはっきり感じた瞬間でした。
──とはいえ、当時はまだ中学生。俳優以外にも将来の選択肢がたくさんあったと思います。大学に行って就職する道も考えていましたか。
全然考えていました。小学1年生ぐらいの自己紹介で「私の名前はお花の花なので、大きくなったらお花屋さんになりたいです」と言ってたのを今でも覚えていて。女優じゃないんかいっていう(笑)。あと、いちばんの夢として長い間考えていたのは教師でした。今でも女優を辞めて何がしたいと言われたら、なんでもできるなら教師になりたいかも。
──それだけ教師に憧れるのは、こんな教師になりたいという先生が豊嶋さんにいるからですか。
いますね。二人いて、中学1年のときの担任の先生と、高校1年のときの担任の先生が大好きでした。
中1のときの先生は歳を重ねた先生だったんですけど、本当のおじいちゃんみたいに慕っていて。先生もすごく可愛がってくださって。手芸をされる方だったんですけど、進級でクラス替えのときに「内緒ね」と言って、先生の手縫いのぬいぐるみをもらいました。
──いいですね。
今でもそのぬいぐるみは実家に大切にしまっています。たまに実家に帰ったときに駅で会うんですよ。「わ〜! 先生!」ってすごいテンションが上がっちゃうんですけど(笑)。先生も私の出ている作品を観てくださっているみたいで、ありがたいです。
高1のときの先生は30代の男性の先生で。冷静で、人生経験豊富で、確かロンドン大学を出ていて、頭のいい先生だったんですけど、なんだか親戚っぽい感じがして大好きでした。担任を持っていただいているときに先生がご結婚されて。みんなでお祝いのパーティーをしたのも、いい思い出です。
──そんな教職への憧れを持ちつつ、最終的にお芝居の道を選ばれたのはなぜですか。
10何年、お仕事を続けてきて、私、一度もお芝居が嫌になったことがないんです。たとえば学校行事とかぶったり、すごく疲れているときはお仕事に行きたくないなと思ったこともありますが、お芝居をやりたくないと思ったことは一度もなかった。これだけやってきて一度も嫌にならなかったということは、それだけ好きだし向いているのかなと。だったら、このまま続けようと思いました。

──お芝居をしていて楽しいと感じる瞬間はいつですか。
演じているときはずっと楽しいですし、出来上がった作品を観て「良かったよ」「お芝居すごかったね」と言ってもらえるのもすごくうれしい! あと、最近は年下の方と一緒になることもあって。「憧れています」「お芝居を教えてほしいです」と言ってもらえるのもモチベーションになっています。そう言ってもらえるたびに、いやいや畏れ多いですという気持ちになるんですけど、でもそんなふうに言ってくれる存在ができたことに対して、今まで続けてきて良かったなという喜びは感じますね。
──実際、まだ10代とは思えない演技力です。あの表現力をどこで身につけたのか、秘密を知りたいです。
どこで身につけたんだろう……。最近、同業の子とお芝居について話していて気づいたんですけど、自他の境界線ってあるじゃないですか。私、あれがすごく薄いんだなと思って。共感性が高すぎるんです。ちょっと悲しい話を聞いただけで涙が止まらなくなったり、逆に相手がうれしいと自分も同じテンションで喜べたり。人に共感しやすいから、相手がやりやすいお芝居ができるのかな、と考えたりもしました。
──じゃあ映画とか観たらすぐ泣いちゃう人ですか。
すぐ泣いちゃいます(笑)。泣かせるためにつくった映画だってわかってるのに泣いちゃう。特にこの仕事をしていると、つくっている裏側も見えるじゃないですか。だから、どれだけすごいことをやっているかもわかるし、こういうふうに見てほしいという狙いもわかるのに、つい乗せられちゃう。ゆるゆるなんです、境界線が(笑)。
──今までいろんな先輩俳優の方々と一緒にお仕事をされてきました。特に影響を受けた方はいますか。
『大豆田とわ子と三人の元夫』でご一緒した松たか子さんです。演じる役によってだと思いますが、その時の松さんって、すごく自然体だったんです。前室からもうすでに煌びやかなオーラを出されている女優さんもいる中、松さんはオーラを消して、普通の人としてそこにいる。だから、松さんが演じるとわ子はあんなに魅力的なんだろうなと思いました。
──わかります。松さんのとわ子には、地に足のついた人という魅力がありました。
煌びやかな路線を目指している方はまた別だと思うんですけど、私のやりたい路線ではあのオーラを消す表現は絶対に必要だなって。松さんの女優として本気で燃えている姿をすぐそばで見させてもらいながら、こんな女優さんになりたいなと思いました。
──俳優の多くは市井の人を演じるわけですから、普通の人を魅力的に演じられるというのはすごく大事なことだと思います。
そう思います。
──だから高校生活も、普通の高校生として満喫されていたんですね。
それもありましたね。まあ、ただ楽しみたかっただけですけど(笑)。

豊嶋花のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!
【応募方法】
①Bezzyの公式XとInstagramをフォロー
②上記Xアカウントの対象ポストをリポスト

【応募締め切り】
2025年6月2日(月)23:59まで
※当選者の方には、BezzyのアカウントよりDMをお送りします。
※期間中は何度でも応募可能です。
※非公開アカウントは対象外となります。
※当選後、お届け先ご住所のご連絡ができる方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。なお当選発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。