2025.05.08 19:00
2025.05.08 19:00
自分の中では得意ジャンルやイメージを作りたくない
──それこそ、ドラマ化が決まった際に公式インタビューで「41歳になってこういう役をやるとは」とおっしゃっていましたが、孔明という役はご自身のキャリアにはどのようなインパクトを与えたと思いますか?
「こういう飛び道具的なこともやるんだ」とは思ってもらえたんじゃないかなと思います。自分としてはシリアスな役ばかりやりたいわけではないですし、かといってどうしてもコメディをやりたいというわけでもない。自分の中では得意ジャンルやイメージを作りたくなくて。「振り幅」や「引き出し」とよく言いますけど、そういうものは、この仕事をする上でたくさんあったほうがいいと思いますし、「次、こんな役をやらせたらどうなるんだろう」って思ってもらったほうがさらに広がる。そういう意味では、あまり見たことないものを、しかもゴールデンタイムのドラマでできたことはすごく大きいですね。フジテレビ的には冒険だったかもしれないし、実際にそれが成功だったのか失敗だったのか、今は視聴率では測れない時代だからわからないですけど、少なくとも映画の公開収録スペシャルライブに6,000人の方が来てくれたというのは一つの答え。僕としても見たことがない景色をたくさん見られたので、最初にも話したように、孔明を演じられてよかったなと思います。

──「視聴率で測れる時代ではなくなっている」という発言もありましたが、そんな中で、向井さんはこの先、どのようなお芝居をしていきたいと思っていますか?
もちろん自分以外の人の生活もかかっているので安易に「数字に結び付かなくていい」とは言えないですが、数字だけが判断基準ではない。まずは「これをこの人にやってもらえてよかったな」と思ってもらえることが第一で。それが成功すればいいですし、失敗しても「またリベンジしようね」って思えればいい。もちろん自分も人間だから失敗をすることもあるでしょうし、選択ミスをすることもあると思います。だけど、最終的にはまた呼んでもらえるということが大事ですし、それだけじゃなくて、それこそ「孔明を見てこういう役をやってみてほしいと思った」と思ってもらいたい。だから、ちゃんと求めてもらえるようなキャリアをこの先も築いていきたいなとは思います。
──4月1日は事務所から独立されて、SNSも解禁されました。
はい。とはいえ、そんなに環境は変わらないです。僕とマネージャーの2人体制になったので、現場まで自分で運転してくるくらい。それで今日も早く着いちゃったんです。でももともと運転好きですし、苦ではないです。

──では、気持ち的にはあまり「心機一転」みたいなものはない?
はい。これまでも作品は自由に選ばせてもらっていましたし、休みも取りたいときに取らせてもらっていたし、割と好きなようにやらせてもらっていたので、そういう意味では何も変わらないですね。SNSは情報発信のために始めましたけど、僕はあまり得意ではないので……。しかもオフィシャルでアカウントを作ったのに、あまり信用されていないみたいでフォロワー数が全然伸びていないんですよ(笑)。それが面白くて。後輩からも「これ、本物ですか?」って聞かれました(笑)。それが面白いので、むしろこれからもあまりフォロワー数が伸びないほうがいいなと思っています(笑)。
──そんなこと言わずにぜひいろいろなものを投稿してください(笑)。
そうそう、さっきInstagramを初めて自分でアップしたんです。
──桜の写真ですか?
そうです。あれは本当にさっき撮って、マネージャーにアップの仕方を教わって。「はい、それで次に進んでください」と言われながら投稿しました。それまでの投稿は、文言と写真は自分で決めましたが物理的にアップしたのはマネージャーだったので、桜の写真が生まれて初めてのInstagram投稿です(笑)。
──今後は楽しくなるかもしれないですね。
いや、でもあんまり本物感は出さずに、ずっと気づかれないでいたいなと思っています(笑)。
