2025.04.13 14:00
日向坂46「6回目のひな誕祭」より(写真:上山陽介)
2025.04.13 14:00
もはやおひさまたちにとっての聖地と呼んではばかられることはないであろう、横浜スタジアム。こちらにて行われた日向坂46「6回目のひな誕祭」。2日間の動員は総計約7.2万人。パフォーマンスした楽曲数は「日向坂46名義の楽曲を“全曲”披露」との事前アナウンス通り、さらには前身であるけやき坂46(通称:ひらがなけやき)時代の楽曲も含め2日間で総計114曲が披露され、2日間でのパフォーマンス総時間は9時間を超えた。
そこでグループは去る2024年12月25日・26日に開催された自身2度目の東京ドーム公演2日目終演後のモニターに映し出された“ここから、はじまる。行こう、一緒に。”という言葉の先を力強く、そして高らかに“宣誓”してみせてくれたのだ。
本記事では「6回目のひな誕祭」2日目の模様を中心にお届けする。

あいにくの雨模様を持ち前のハッピーオーラで開演直前に快晴へと変えてしまった日向坂46。これには影ナレを務めた河田陽菜、富田鈴花も驚きだった模様であり、公園の遊具を思わせるカラフルなセットに雨上がりの強い陽射しが照りつける中「Overture」からライブはスタート。オープニングナンバーは前日の「キュン」に続くグループきってのキラーチューン「ドレミソラシド」である。メンバーがリズミカルにタイトルフレーズをリフレインさせるのに合わせおひさまたちも全力で「ソ・ラ・シ・ド!」のシンガロング。


早速のお祭り騒ぎ状態となった横浜スタジアムにグループは“春の風がふいに吹いて”という季節とロケーションにバッチリとハマった「ソンナコトナイヨ」、アップテンポなサウンドメイクが野外ライブにうってつけな「ってか」とシングル表題曲を続けて披露。序盤から歓喜に沸き立つおひさまたちであったが、それはステージに立つメンバーからしても良い景色であったようで、前日卒業セレモニーを終えていながら2日目も全面参加となる佐々木美玲がその光景を「皆さんのペンライトが太陽の光に当たってピカピカ光ってる! みんな、かわいい!」と嬉しげ(?)に語ってくれた。
ここからパフォーマンスの場をセンターステージに移し、期別曲にフォーカスしたブロック。四期生による「シーラカンス」「雨が降ったって」、三期生による「愛のひきこもり」「Right?」二期生による「沈黙が愛なら」「君のため何ができるだろう」、一期生による「愛はこっちのものだ」「骨組みだらけの夏休み」の8曲を立て続けに披露すると、MCでは全曲披露の事前アナウンス通り、今日のセットリストは前日との曲被りが一切ないことが改めて宣言された。

舞台両脇から巨大なフロートが登場すると、続いてのブロックでは「ひなあい」(TV番組「日向坂で会いましょう」の略称)のオープニング使用楽曲としても馴染み深い「ときめき草」などのカップリング曲を披露した。短めのMCを挟んだあとはユニット曲を乱れ打つ展開。まずは“ひなた坂46”(日向坂46アンダーメンバー)による最新楽曲「SUZUKA」。こちらはなんと本楽曲センターを務める富田鈴花の名をそのままタイトルに冠するという大胆な手法が用いられており、歌詞も富田が日向坂46メンバーであることを知らずに恋をした主人公が、TVで歌い踊る富田を見て驚愕するというメタフィクションを取り入れたストーリーテリングとなっている。
こうした全曲披露の場では、自作の詞曲をほぼ持たず、作詞面は秋元康個人によるものだが作曲面では複数の作家陣が行き交っているというアイドルならではの実験的な楽曲を存分に味わうことができるし、未聴の場合は「こんなに面白い楽曲があったなんて!」と新たな推し曲を発見できることが醍醐味。横浜スタジアムの大観衆をたった1人で迎え撃つ上村ひなののソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」や、不条理な歌詞とシュールな振り付けがこの記事を書いている今もなお頭から離れない「恋とあんバター」。小坂菜緒と金村美玖が笑顔を封印し、ある日突然他人の心の中が見えてしまう超能力を手にした主人公の悲哀を表現した「See Through」に富田と松田好花によるユニット“花ちゃんズ”がギターを弾き語る「まさか 偶然…」など、注目楽曲が目白押しであった。

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