映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #5
「人生は一歩を踏み出す勇気で変わる」吉野北人が初心を忘れずにいられる理由
2025.02.14 18:00
2025.02.14 18:00
毎年親が誕生日にくれる手紙で地に足がつく
──映画では高校生のリアルな本音が描かれていましたが、吉野さん自身は、高校生の頃、どんなことに悩んでいましたか。
早く東京に行きたいなと思っていました。ずっと学校にいてもな、という感覚だったんです。とにかく歌がやりたかったので、早く東京に行きたくて、3年間ここにいても意味ないだろうなということを高校の入学式の時点からずっと感じていました。
──入学式ですでに。
正直、入学式でもう辞めたいって思っていました。だからどうしたら辞められるかを考えて。そのためには早く歌でチャンスを掴まなきゃいけないと思って、いくつかオーディションを受けて。その中で(デビューのきっかけとなった)「VOCAL BATTLE AUDITION 4」があって、ありがたいことに東京に行けることになったんですけど。

──じゃあ地元を離れて上京するときは、清々しい気持ちでいっぱいという感じですか。
それが意外となってみると不安で。一人で大丈夫かなと思ったし、親や友達と離れることに対しても寂しくて。一人で頑張らなきゃいけないって一生懸命自分に言い聞かせていました。
──やりたいことがあっても、なかなか踏み出す勇気が出ない人も多いと思うんですね。吉野さんはどうしてアクションを起こせたんでしょうか。
若いうちってなんでもできちゃうんですよね。僕が初めて人前で歌ったのは、高校の文化祭だったんです。人前で歌うのって勇気がいるじゃないですか。でも最初の一歩を踏み出すには、その勇気を出せるかどうか。そこで余計なことを考えずにやれちゃうのが若さの特権だと僕は思っています。
僕も文化祭のステージに立ったときはすごく緊張しました。でもやって良かったなと思います。自分の歌に自信がついたし、聴いてくれる人たちの反応を見て、いけるなとも思った。そこからどんどん人前で歌えるようになったので、結局最初の一歩を踏み出すかどうかで人生は変わるんですよね。それに踏み出しちゃえば案外なんとかなるんですよ。若いときのエネルギーは無限大なんで、どんどん勇気を出して挑戦すべきだと僕は思います。
──姫山椿からそれぞれ遺書という形のメッセージを受け取ります。吉野さんがもらった手紙の中で特に心に残っているメッセージはありますか。
もちろんファンのみなさんからいただくお手紙は全部力になっていますが、それと同じくらい親からの手紙というのは僕の中では特別です。うちの親は毎年誕生日に手紙をくれるんですよ。そこにはよく「周りに感謝して頑張りなさい」というようなことが書いていて。シンプルなメッセージですけど、地に足がつくというか、初心に戻ったような気持ちになれます。

──THE RAMPAGEのヴォーカリストとしてもご活躍ですが、そんな吉野さんが「神様の歌声」だとリスペクトするヴォーカリストはいますか。
上手い人はいっぱいいますからね。でもやっぱりMrs. GREEN APPLEの大森(元貴)さんはすごいなと思います。本当に歌がお上手なんですけど、ただそれだけじゃなく、歌詞もメロディもスッと心に入ってくるんですよね。それはたぶん大森さんがこれまでいろんな経験をされてきたからで、だからあんなポジティブな歌を歌えるんだろうなって憧れます。
──普段音楽はどんな感じでチェックされているんですか。
チャートに入っているものは聴くようにしていますし、あとは日本に来た海外のアーティストの方のライブには積極的に足を運ぶようにしています。
──吉野さんが今フックアップしたいアーティストを教えてください。
いっぱいいますけど、Penthouseさんとか大好きですね。この間、ライブに行かせていただいたんですが、歌もめっちゃうまいし、MCも面白いし、すごいなって。僕が言うのもおこがましいですが、もっとみんなに知ってもらいたいです!

──では最後に、“序列”にちなんで、あえて吉野さんには自分の序列最下位なくらい苦手なものとかダメなところを教えてほしいです。
え〜、なんだろう……。
──部屋がめっちゃ汚いとか。
そんなことはないです。
──怖がりとか。
いや、全然。
──バンジージャンプはNGとか。
むしろやりたいです。
──苦手なものがない(笑)。
あ! 蛇は苦手です。蛇が寄ってきたら無理ですね(笑)。
