2025.02.13 18:00
2025.02.13 18:00
ずっと応援してくれている方に恩返しを
──朝ドラ(2025年度後期放送予定の連続テレビ小説『ばけばけ』)も決まって、今ものすごくプレッシャーのかかる立場だと思います。
なんだか自分のことじゃないような感じがして、ついていけていないところも正直あります。ただ、この間、役づくりでモデルとなった小泉セツさんの生まれ育った松江に行かせていただいて、ちょっと実感が湧いてきました。あと、友人や周りの人たちも朝ドラについてお祝いや応援の言葉をたくさんくれるので、そのたびに「本当のことなんだ」って感じています。

──個人的には舞台『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役で初めて髙石さんを知ったのですが、他にも『ベイビーわるきゅーれ』でファンになった人とか、いろんな人がヒロイン抜擢に対して「俺たちの髙石あかりが世間に見つかった!」と喜んでいると思います。
それがいちばんうれしいです! 舞台や映画を通じて私のことを覚えてくださっていることもそうですし、ずっと応援してくださっている方にいつか恩返しがしたくて、この朝ドラがその機会になったらいいなと思っていたんです。実際、発表の後に父から「やっと恩返しができるね」という言葉ももらったんですけど、皆さんのお祝いの言葉が温かくて、返すつもりがまた恩をいただいちゃったなという気持ちです。この恩を返せるのはやっぱり作品しかないと思うので、ここから精一杯頑張りたいと思います。
──今すごくお忙しいと思うんですが、モチベーションを上げるものは何かありますか。
ご飯です! ご飯が何よりも私のモチベーションになっています。
──しんどいときに食べる元気メシといえば?
結構簡単なものかもしれないです。コンビニスイーツとか、某ハンバーガーショップのハンバーガーとか。チェーン店が好きなので、好きなチェーン店に行くとそれだけでグッと気持ちが上がります。
──こんな言い方もアレですが、わりと安上がりというか(笑)。
マネージャーさんにもよく「安上がりでありがとう」と言われています(笑)。仕事終わりにご飯に行くときは、大体そのあたりのお店なので。好きなんですよね。小さい頃からよく行ってる店なので安心するというか。

──じゃあ逆にちょっと高級店に行くのは。
お店に合う服とか考えないといけないじゃないですか。それが疲れるので、何も考えずに入れるお店のほうがいいですね。
──モチベーションを上げるために音楽を聴くことも?
あります。久石(譲)さんや宇多田ヒカルさんの曲を聴くことが多くて。どちらもスッと曲の世界観に入り込めるところが好きで、結構音楽に救われているところはあると思います。
──撮影に入っている作品ごとに聴く音楽が違ったりもしますか。
私はやってる役によって聴く音楽が結構変わります。というか、その作品や役に合う音楽をまず決めて、その作品をやっている間はずっとその曲を聴く、みたいな。たとえば『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』を撮っているときは、ちょうど『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の映画が公開されている時期で、あの曲がすごくちさととまひろにぴったりだなと思って、よく聴いていました。

──ここから1年。きっとものすごくハードな毎日が待っていると思います。無事に朝ドラまで完走できた暁に、自分にご褒美をあげるとしたら何がしたいですか。
海外旅行に行きたいです! 今興味があるのは、スイス。私、山がすごく好きで。画面越しにしか見たことがないんですけど、スイスの山々の景色を見たらきっと人生観が変わるんだろうなという気がするので、スイスに行って山を浴びたいです(笑)。
──ぜひ浴びてください! 今日じっくりお話を聞いてみての感想なのですが、すごく達観した考え方をお持ちですよね。精神的に成熟されているというか。
それは10代の頃からよく言われる言葉で、なぜそういうふうに言っていただけるのか自分ではよくわからないんですよね(笑)。子どもっぽいところも普通にあると思っているので。
──自分では今の22歳という年齢に対してどう捉えていますか。
あまり年齢のことを考えていなくて。ただ、10代の頃からずっと大人になりたいとは思っていました。早く大人になって、大人の先輩方と対等にお芝居がしたいなって。20歳を超えてからはそういう機会も増えて、なるほどこれがプレッシャーなのかと実感することもありますけど、私はプレッシャーというものに負のオーラをまったく感じていないんです。
まだまだですが、そんな機会をいただけること自体ありがたいこと。だから一つ一つの機会に対して全力で向き合っていたいし、これからもその気持ちを忘れずに取り組んでいきたいです。
──このリレーインタビューも残るは主演の吉野北人さんのみとなりました。最後に、髙石さんから見て吉野さんの“1位”なところを教えてください。
涙もろさ“1位”ですね。クランクアップの日に涙を流されていたんです。その涙がとても印象的だったので、ぜひその話を聞いてみてください。

『遺書、公開。』場面写真 ©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX