Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

INTERVIEW

邦画を牽引する3人が山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』に集結

映画の“よさ”は何で決まる?河合優実×金子大地×寛一郎が今、考え抜いた答えとは

2024.09.09 18:00

2024.09.09 18:00

全ての画像・動画を見る(全26点)

映画とはどのタイミングで出会うかが大事

──この映画を拝見したとき、なんていい映画なんだ、この映画をつくり出してくれてありがとうと感謝を伝えたくなったんですね。そこで最後に質問させてください。みなさんにとって、“いい映画”ってどんな映画ですか。

河合 え〜。

金子 めちゃくちゃ難しいね。

河合 逃げたい、この質問から(笑)。

一同 (笑)。

河合 でも、そんなふうに、この映画をつくってくれてありがとうという気持ちになれる映画は、“いい映画”なんだと思います。私も映画を観て、そういう気持ちになったことは何度もあるし。自分の中での評価はイマイチでも、つくってくれてありがとうと思う映画もある。観たあとに、つくった人たちに向けて何かを言いたくなる映画は“いい映画”だなっていうのが、私の中で一つの指針としてあるかもしれないです。

第77回カンヌ国際映画祭でのワールドプレミアの様子

金子 いい映画かいい映画じゃないかみたいなところは、おこがましくて僕が何か言えるような立場じゃないと思っているんですけど、やっぱり自分が好きな作品はありますよね。ただそれもどういう状況で観るかによって変わってくるなと思います。映画って状況によって感じ方とか捉え方が変わるものだと思うから、どのタイミングで出会うかが僕にとっては、すごく大事。そのことを前提にした上で、あえて“いい映画”の条件を挙げるとしたら、つくり手が魂を燃やしてつくったんだろうなと感じられることかなって。俳優さんもスタッフさんも、大変だったんだろうけど、すごい熱量をこめてつくったんだろうなっていうのは、観るとなんとなくわかるじゃないですか。演者として、そういう作品を観ると、自分も出たいなって思いますかね……。あー、でもわからない。やっぱり難しいな。寛ちゃん答えて!(笑)

寛一郎 大地の言ってることは、本当その通りだと思う。アートもそうですけど、自分のコンディションによって見え方も感じ方も全然変わってくるものだと思うんですよ、映画って。だから、“いい映画”と感じるかどうかは、作品そのものより、自分がどういう状態なのかのほうが大事な気がしますね。たとえば、今の僕のコンディションで言うと、画がどうだとか、お芝居がどうだとか、音楽がどうだとか、いわゆる“いい映画”の基準みたいなものはどうでもよくて。それよりも“なんかやってんな”という空気のほうが今の僕にとっては断然大事なんです。だから、最近いわゆる“いい映画”とされそうな小難しいものを観ても退屈しちゃって。今欲しているものは、面白いこと。この『ナミビアの砂漠』がまさにそうですよね。クスッと笑えるユニークなところがあって、画面のあちこちから“なんかやってんな”という空気がはみ出ている。それこそまだ自分にないものをどんどん取り入れていく感覚になれる映画だと思うし、きっといろんな人が僕と同じ気持ちになってくれるんじゃないかなと思います。

河合優実 ヘアメイク:上川 タカエ(mod’shair)/Takae Kamikawa(mod’shair)スタイリング:杉本学子
金子大地 ヘアメイク:MEI (W) スタイリング:DEMI DEMU 衣装:HEōS, opposite of vulgarity/HEMT PR
寛一郎 ヘアメイク:Tsubasa スタイリング:坂上真一(白山事務所)

記事トップへ戻る

全ての画像・動画を見る(全26点)

作品情報

ナミビアの砂漠

©︎2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

©︎2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

ナミビアの砂漠

2024年9月6日(金)公開
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:河合優実
金子大地 寛一郎
新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空
堀部圭亮 渡辺真起子

監督・脚本:山中瑶子
プロデューサー:小西啓介 小川真司 山田真史 鈴木徳至
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
制作プロダクション:ブリッジヘッド コギトワークス

2000年生まれ、東京都出身。2021年出演『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭<最優秀新人賞>、第35回高崎映画祭<最優秀新人俳優賞>、第95回キネマ旬報ベスト・テン<新人女優賞>、第64回ブルーリボン賞<新人賞>などを受賞。2022年には『ちょっと思い出しただけ』、『愛なのに』、『女子高生に殺されたい』、『冬薔薇』、『百花』、『線は、僕を描く』、『ある男』など数多くの話題作に出演し、今まさに映像業界が最も注目する新進気鋭女優である。近年では『少女は卒業しない』(23)、『ひとりぼっちじゃない』』(23)、『四月になれば彼女は』(24)、ドラマ「不適切にもほどがある!」(24/TBS) 、「RoOT / ルート」(24/TX ほか)、『あんのこと』(24)、劇場アニメ『ルックバック』(24)、Amazon Originalドラマ「龍が如く ~Beyond the Game~」(24)、『八犬伝』(24)、来年公開の第37回東京国際映画祭東京グランプリ受賞作・吉田大八監督『敵』(2025/1/17 公開)、大九明子監督『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(2025/4 月公開)など話題作への出演が続いている。
カンヌ国際映画祭への出品も続いており、第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でカメラ・ドール特別表彰を受賞した早川千絵監督『PLAN 75』(22)、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞した山中瑶子監督『ナミビアの砂漠』(24)など、世界的に高い評価を受けている。

1996年生まれ、北海道出身。'15年に俳優デビュー。近年の出演作は初主演ドラマ・NHK「腐女子、うっかりゲイ告る。」(‘19)、テレビ朝日「おっさんずラブ」(‘18/‘24)、NHK「大河ドラマ 13人の鎌倉殿」(‘22)、NHK BSプレミアム「犬神家の一族」(‘23)や、初主演映画『猿楽町 で会いましょう』('21)、『手』('22)、『Winny』('23)、『52ヘルツのクジラ』('24)、『ナミビアの砂漠』(‘24)など出演。
受賞歴//コンフィデンスアワード・ドラマ賞 新人賞(‘19)、TAMA映画賞 最優秀新進男優賞(‘21)

1996年生まれ、東京都出身。2017年に俳優デビュー。同年公開の映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で、第27回日本映画批評家大賞 新人男優賞を受賞。翌年、「菊とギロチン」で第92回キネマ旬報ベストテン 新人男優賞などを受賞。近年の主な出演作に、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の11人』(22)、TBSスペシャルドラマ『グランメゾン東京』(24年冬OA予定)、映画『せかいのおきく』、『首』(ともに23)、『身代わり忠臣蔵』、『プロミスト・ランド』(ともに24)など。今後は、映画『ナミビアの砂漠』(9月6日)、『シサㇺ』(9月13日)、『グランメゾン・パリ』(2024年冬)の公開が控えるほか、米・スカイバウンド×フジテレビ共同制作ドラマ『HEART ATTACK』(2024年秋以降FODにて配信予定)で主演を務める。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram