2024.03.20 10:00
『ミッシング』ポスタービジュアル ©︎2024「missing」Film Partners
2024.03.20 10:00
2022年の出産後、1年9ヵ月ぶりの芝居に臨んだ石原さとみが主演を務める映画『ミッシング』が5月17日(金)に全国公開されることが決定。予告映像とポスタービジュアルが解禁された。
『空白』(21)、『愛しのアイリーン』(18)、 『ヒメアノ〜ル』(16)の𠮷田恵輔がメガホンをとり、オリジナル脚本を手掛けた本作。ある日突然いなくなった愛する娘の帰りを懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族を描く。
出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じるのは、出産を経て母となった石原さとみ。これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んだ。さらに中村倫也、青木崇高といった豪華実力派のほか、森優作、小野花梨、細川岳、有田麗未(ありたつぐみ)、小松和重、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純らキャスト陣が集結した。
解禁された予告映像は、「なんかまたひどいこと書かれてるんだけど」と沙織里(石原さとみ)が吐き捨てるように呟く低い声で始まる。険しい表情で見つめるパソコンの画面に並ぶのは、沙織里へのバッシング。石原さとみの今までのパブリックイメージを覆す衝撃的なシーンだ。
娘が行方不明になってから3ヵ月が経ち、地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)は誠意ある取材を続けるが、放送される番組は局の方針で煽情的な内容にせざるを得ない。世間の関心はいつの間にか沙織里の行動を非難する悪意ある書き込みとなって沙織里や夫の豊(青木崇高)を苦しめる。沙織里の弟・圭吾(森優作)も誘拐犯の疑いをかけられ、世間の好奇の目に晒される。家族であるはずの圭吾にも掴みかかっていくほど、心を失っていく沙織里たちの姿は見る者の心を揺さぶっていく。そして、様々な思いを胸に必死にもがき翻弄される場面から一転、暗い画面に響く着信音は、沙織里たちに何を知らせようとしているのか。
同情や善意だったはずの私たちの興味や関心は、いとも簡単に好奇心や悪意となって、誰かの心を突き刺していく。娘の失踪事件は、この物語の始まりに過ぎず、事件を取り巻く“世の中”が沙織里の心を壊していく。“人間描写の鬼”𠮷田監督が「自分のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語るほどリアリティがある演出が、現代を生きる私たちに深く問いかける映像となっている。
また、同時に解禁されたポスターには「わたしたちは、心を失くしてしまったのか?」というキャッチコピーのもと、茫然自失の沙織里が配されている。中段の涙がこぼれる瞬間の沙織里にはかすかな生気も感じられ、その表情を虹色の光が優しく照らし、出口の見えない日々の先にあるかすかな希望を感じさせるデザインとなっている。
わずか1分27秒の予告映像からは、ギリギリまで追いつめられる主人公・沙織里のとてつもない感情のうねりが伝わってくるが、6年前に自ら伝手を頼り「𠮷田さんの映画に出たいです」と直談判したという石原は、「こういう作品がやりたかったんだ、それが完成したんだ! 本当に嬉しい。夢が叶ったなと思いました。」と熱く語る。中村は、撮影で一番印象的だったことは「(石原さんが)心身をすり減らしながら芝居をする姿。それが一番ですね」と明かし、青木は「この役と向き合うこと自体が(第一子出産後の石原さんにとって)とても怖いことだと思うんです。“パン”と(現場とプライベートで)器用に切り替えてできたとしても、そういう向き合い方はしたくない、そんな役だと思います。母親というものの深さ、大きさ、偉大さ、というものを改めて感じました」と語り、石原の覚悟の演技を称賛した。
なお、予告映像と併せて本作のムビチケが3月22日(金)より劇場、オンラインにて販売されることも発表された。