2023.12.18 17:30
2023.12.18 17:30
塚本直毅と溜口佑太朗からなるラブレターズを迎えた今回の『芸人結成物語』。
前編ではふたりが今回の撮影の舞台である日本大学芸術学部に入学するまでを追い、溜口の本名が“澤口佑樹”であることをやついが知ることに。後編はネタ作りを担当する塚本の話題からはじまるのだが、なぜか最終的に彼らの所属事務所であるASH&Dの大先輩に話が飛び火することになった。(前編はこちら)
テニスサークルに革命を起こした塚本
やつい この1年後に塚本くんが入ってくるんだ。
塚本 僕は全然違う学科で。文芸学科っていう小説家を目指すとこに。
溜口 文章を書く人たち専門のコースで、林真理子先生とか、吉本ばななさんとかが出られた。
やつい そこに放送作家コースもあるの?
塚本 放送作家コースはなくって。大学のことをあんまりわかってなかったんですよね。入学してから放送学科に行けばよかったと思って。
やつい 脚本家コースがあったことにも気づかなかったのか。
塚本 だから外で放送作家を学べる塾を探して行ってました。古舘プロジェクトに行ってみたりとか、安達元一さんのとこに行ってみたりとか。当時は「トリビア」がめちゃくちゃブームで、どの番組でも雑学を集めてたので、そこで勉強だからってリサーチャーみたいなのやらされて。
やつい 日芸っぽいことはしてないんだね。澤口くんみたいにバリバリ演劇やってたみたいな。
溜口 ちょ、澤口はやめてください!(笑)
塚本 この大学にもテニス部があって。
やつい え、テニス部続けちゃってるんだ?
塚本 僕が日芸で一番通った場所はテニスコートなんですよ。最終的に主将も務めましたし、芸術系の大学が集まる「全芸杯」ってのがあって、そこで3連覇して。
やつい めちゃくちゃ強いじゃん!
溜口 実は僕も高校3年間テニス部入ってて、大学1年のとき少しだけテニス部に入ってたんですけど、いわゆる飲みサーだったんですよね。
やつい 大学生だったらそれが健全じゃん?
溜口 思ってた感じと違って、すごいつまんないし、どうしようもない感じだったんです。
やつい すげえ人の悪口言うじゃん(笑)。そいつらにだって人生があるわけで、なんですぐつまんないとか言うの?
塚本 そうだぞ! その1年後に僕が入りましたけど、みんないい人でしたからね。ただ少し飲みサー感はあったかな。
やつい え、同じテニスサークルなんだ? 話を聞いてるとまったく違うサークルかと思ったよ。塚本くんがそこから改革していったわけだ。
塚本 実力を示したらみんな話を聞いてくれるようになって。とりあえず最初の全芸杯でシングルス、ダブルスの両方で優勝したんです。そしたらみんな一目置いてくれるようになって。まずはコートを整備するところから改革を始めて。僕が入って1年くらいで飲みサーではなくなって。
やつい 本当に強いテニスサークルになったんだ。
塚本 強豪校になりました。僕が足をつりやすかったので、アイシングの方法をみんなが覚えてくれたりして、サポートしてくれたおかげでまた優勝できて……。
やつい これなんの話?(笑)ふたりとも全然芸人にならないじゃん。ふたりしてテニスの話してさ、あと人の悪口と(笑)。でも塚本くんはすごいよね。澤口くんは自分の思いどおりにならないから怒ってるだけで。塚本くんは違う、革命家だよ。
溜口 若かったんです! こいつはこいつで変なんですよ。せっかく日芸入ったのに、授業もちゃんと出ずにテニスばかり頑張ってて。
やつい でも、ふたりは全然会わないんだね。存在も知らないわけでしょ? なんか同じくらいの目線のやつがいるな、みたいな程度で。
溜口 (笑)3年生ぐらいから、ちょこちょこ会いはじめるんですよ。
塚本 僕は高校の同級生と一緒に浪人して入学したんですけど、そいつが映画の演技コースだったから溜口さんの直の後輩で。文芸学科で居場所がなかったぶん、そいつにくっついて映画学科の同級生と仲良くなってて。それで“澤口さん”の存在もなんとなく。噂で「おもしろい人」と聞いてました。
やつい 「特技:コント」だもんね。
溜口 (笑)それでみんなで溜まってたとこにちょくちょく塚本さんが遊びに来るようになって、そこから塚本さんは映画学科の作品に演者で出演したりするんですよ。
やつい 顔がいいもんね。
塚本 仲良くしてた子が監督コースで。
溜口 え、やついさんの「顔がいいよね」をちゃんとスルーしたな。受け止めたな。
やつい 「いい」っていろいろあるからね。かっこいいとは言ってないよ、「いい顔」してるねって。
塚本 そうそう。かっこよさもあったんだけど。
やつい いい顔してるからさ、置いておきたくなるよね。
溜口 お互いの「いい顔」のイメージが全然違ったな。
塚本 ははは(笑)。その作品では主演で出させてもらいました。恋愛映画ですよ。
やつい それこそ溜口くんがやりたかったやつじゃん。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』みたいな映画? あんまりイケてない主人公が頑張っていくみたいな。
塚本 どっちかと言ったらそうです! 坊主ってだけで呼ばれるんですよ(笑)。
溜口 結構引っ張りだこで、演劇の公演とかにも文芸学科なのに出てたりしてて。
やつい そうなってくると、人前に出るのも悪くないなって思いはじめるよね。
塚本 そうなんですよ。最初に話した佐々木くんが芸人として舞台に出てるのを観てるんで。「佐々木くんが舞台立てるなら」って気持ちが出てきて、自分もそんなに隠れてなくていいのかも、そんなに嫌じゃないかもって。やりたいのは放送作家だったんですけど。
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