ターニングポイントと語る舞台『ある都市の死』で目指すもの
s**t kingzの2人が挑む新たな表現の形 “人”として今、芝居と向き合う意味とは
2023.12.01 17:00
2023.12.01 17:00
ダンサーがワンマンを当たり前にやる時代を
──s**t kingzの皆さんはこれまでも単独公演を何度も開催されていますが、エンターテインメントの中でも、「ダンス」というジャンルはこれまではとても狭いマーケットだったと思うんですね。それを乗り越えて「ダンスグループで武道館」を実現させたというのが、本当に凄いなと思います。
持田 ありがとうございます。これまでも「ダンスライブやるんです」って言うと、ラジオでもテレビでもどんな媒体でも、まず「ダンスライブというのは何ですか?」から始まってたんですよね。そんな状況の中で、武道館公演ができたということがすごく幸せだし、自分たちでも誇りだなと思うんです。そして僕たちがやっていることが少しでも世の中に広がっていけば、次の世代のダンサーたちの活動がいい方向に変わっていく。そういう目的もあり、来年の夏はフェスをやろうと考えています。いずれはダンサーたちがワンマンを当たり前にやる時代を作っていきたいなと思うので、今回の武道館は新しい一歩にできたんじゃないかなと。
──皆さんYouTubeでも積極的に解説動画をアップをされていたり、ダンスを知らない人たちに「ダンスの魅力」を伝える活動を続けていますよね。ファンの変化というのを感じたりはしますか?
持田 最近は「誰でも真似できるダンス」ではなく、みんな「ガチのダンス」を待っている気がするんですよ。BE:FIRSTの「Mainstream」みたいな、誰も踊れないような振り付けをみんな真似して頑張って踊ってSNSでアップしてたり、三浦大知の「能動」とかもそう。本物志向なものがすごく好まれるようになってきてるような風潮も感じるし、また少し時代が動いていってるのを感じます。
──ちょっと話は逸れてしまうんですが……武道館公演では今お名前が挙がった三浦大知さんがゲスト出演されていましたが、大人になるにつれて、“変わらぬ友情”を維持するのって難しくなっていくと思うんです。それを可能にしているものって何だと思いますか。
小栗 リスペクトとライバル心、ですかね。
持田 多分そうだと思うな。ライバル心は大きいですよ、やっぱり三浦大知が何かするときは見たいし、見たくない(笑)。すごいし悔しいと思うのわかってるから。見て、毎回悔しいと思って、「スゴイじゃん」って言って、今度なんかスゴイこと一緒にしよう、みたいな。そんな感じ。そしてうちらの方が何かすると、大知君からもメールが来て「飯行こうか」みたいな(笑)。これは他のダンサーたちもスタッフさんもそうなんですけど、「スゴイじゃん」があるとお互いにやり取りが始まりますね。だからお互いチャレンジしてたり、リスペクトしてるところが見つけられるか、そこが重要かな。そういう人たちとは、これからも一緒にいたいと思うし。
小栗 やっぱり、すごい人と友達だと嬉しいじゃないすか(笑)。自分の友達も自慢したければ、自分も友達に「自慢したい」と思われる存在でい続けたい。その思いが、自分自身を磨こうと思ったり、切磋琢磨して頑張ろうと思う糧になると思うんですよ。
持田 そうそう、僕はお酒飲まないんで基本はランチなんですけど、若いダンサーとかで面白い子を見つけたりすると、SNSでDM送ってご飯に誘ったりしますよ。
──え、それは持田さんからですか!?
持田 僕からも全然あるし、向こうからコンタクト取ってきたら「じゃあいつご飯行ける?」みたいな 。今もそうやって日程調整してる子達が何人かいます(笑)。そういう子たちといろいろ話をしている中で、また自分が燃えるものを見つけられるのがいいんですよ。若い子ってギラギラしてるじゃないすか、「なんかもう全部ぶち壊していきたいけどどうすればいいですか」みたいな子とかがガンガンDMくれたりするんですよ。それでご飯に行って、求められたらアドバイスもするし、そうじゃなかったらその子たちから僕がエネルギーをすするという、妖怪みたいな存在なんで(笑)。
──すごいフットワークの軽さですね……。
持田 今活躍しているパワーパフボーイズのメンバーなんかもそんな感じでしたね、知ってすぐにDM送って、ランチ行ってから7時間ぐらい喋り倒したという。「今までのダンサーとは違うことがしたいんだけど」とか、「ワンマンやりたいんだけどどうすりゃいいですか」とか、そういう人が大好きなんで。そういう人たちに、こちらも日々刺激を受けてます(笑)。