2023.10.15 18:00
2023.10.15 18:00
この作品で自分の10代を認めてあげられた
──今年夏に公開された『炎上する君』のインタビューでは「この役は私にしかできない」、その前にも「自分が絶対に演じたい役でした」という発言をされていらっしゃいましたが、役に対して運命的な感情を抱くのはどういった瞬間ですか? 今回もそういう思いがあったと思うのですが。
『炎上する君』に関しては、もともと監督のことがすごく好きで、原作の西さんのこともすごく好きだったので、私一人で勝手に「この役は!」って思っていたというより思わせてもらった気がします。今回も当て書きっていう形でもらって、ちゃんと「自分じゃないと」っていうものをもらうと、自分が返す思いもすごく強くなります。
──そういう意識で向き合っていると、演じた役柄がご自身の人生に影響を及ぼすことがありますか?
そうですね。大切にしますね。
──演じた役が自分の中に数パーセントは存在している状態みたいな?
そうだと思います。
──今回の果歩はこれからの人生にどんな影響を与えていきそうですか。
自分の経験した、あまりうまくいかないって思っていた10代の頃を忘れないこと。しんどい辛い思い出も「自分のためだったんだな」と思えること。この作品を通して、自分の10代を消化して認めてあげられた気がしてます。
──10代にそういう経験があるほうが、それからの人生で感覚が鋭くなる気がします。
そう信じたいですね。
──ほかにも今年の出演作では『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』も話題になったのではと思いますが、あれを見て今作を見るとびっくりされる方も多いんじゃないかなと。演じるにあたっては役を降ろすタイプか、自分なりに噛み砕いて表現するタイプどちらだと思いますか。
噛み砕いていくタイプです。全部自分ですね。『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』も自分に近いと思うし、今回も自分に近いと思います。一緒にいる人によって、みんないろんな面があるじゃないですか? 作品によってそれがあるのかなと思っています。
──もっといろんな役を見たいですね。
やりたいです。『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』は初めて“陽”な役をやって。それまでは今作のような何かを背負った役が多かったので、明るい役もいっぱいやれるようになりたいです。
──そして今作で単独初主演です。それについての思いはいかがでしょう。
初めて映画を見てお芝居をしたいと思った時からずっと夢でした。最初に抱いた夢でもあったので、叶う瞬間は嬉しかったですし、台本でも試写でも、最初に名前が来るっていうのも文字っていう形ですけど嬉しくて感慨深かったです。初主演作を当て書きという形でもらえて、こんなにありがたいことはないなって今でもずっと思っています。
──1つの目標だった単独初主演を叶えて、今後伸びていくご自身の“サーチライト”的なものはありますか?
具体的に先を見過ぎると不安になるタイプなので、こうっていうのはないですけど、ずっといろんな仕事をしたいですし、映画・ドラマ、やったことないことを全部やりたいです。これはできないかもと思わずに。やってみてできなかったらしょうがないし、とりあえず挑戦できるうちにたくさんやりたいと思います。
──ちなみに果歩は料理上手っていう設定もありましたが、得意料理は?
だし巻きです!