Spotify
2023.09.27 18:30
オアシスの再結成を望むファンがAI技術でリアム・ギャラガーの声を再現した架空のアルバム『Aisis』を公開したり、AIによって生成されたザ・ウィークエンドとドレイクの偽の楽曲が販売停止になるなど、連日話題になるAIの音楽使用。スティング、コリィ・テイラー、アイス・キューブ、ブライアン・メイなど、多くのアーティストがAI技術の音楽的使用を批判しているなか、世界最大の音楽プラットフォームであるSpotifyのCEOがAIについて語った。
BBCが先日公開したインタビューで、Spotifyの創業者/CEOのダニエル・エクは、AIによって作られた曲を規制するつもりはないと明かした。ザ・ウィークエンドとドレイクの偽楽曲のように、AIがアーティストを許可なく再現することを明確に批判しつつも、AIの音楽使用には「3つのバケツ」があると考えているようだ。
その“バケツ”の1つ目は、「オートチューン、ミキシング、マスタリングなど、制作中の楽曲のクオリティを高めるツールとしてAIを使用する場合」であり、その使用方法は認めるようだ。2つ目は「許可なく既存のアーティストの真似し、再現する場合」であり、ザ・ウィークエンドとドレイクの例のようにそれは認めないとコメント。さらに3つ目の「AIが明らかに他のアーティストから影響を受け学習しているが、完全な盗作や真似とは言えない場合」は、「判断が難しい」と語った。
今のところSpotifyではAIによって制作された楽曲を禁止していないが、今年の4月にはザ・ウィークエンドとドレイクの偽楽曲を取り下げており、彼は「例えば、本当はマドンナの曲じゃないのに、マドンナの曲だと偽って誰かがアップロードすることも考えられる。Spotifyの歴史上、ありとあらゆる不正を試みる人たちを見てきた。そのような問題を対処する大きなチームがSpotifyにはある」と、対策チームがあることを明かしている。また、SpotifyはプラットフォームにアップロードされているカタログをAIに学習させることも禁止している。
多くのアーティストが批判をする一方で、AI技術でリアム・ギャラガーの声を再現した架空のアルバム『Aisis』は、リアム本人に「俺の声が素晴らしく聞こえる」と称賛されていた。