2023.09.09 16:30
今日も似たようなご飯を食べている。
似たような食事を似たような環境で今日も同じようなルーティンで安心するような感覚にもなっている。
毎日違ったメニューがいいな、というタイプと生活したことがあるのだがあれはとても大変で
まぁ勝手に決めてくれれば私はそれを食べるだけなんで特に気にしないんだが、何がいい?と聞かれてしまうと困ってしまう。
特に、ないのだ。
そうなると「一緒に食べる食事に対して何も考えてくれていない失礼なやつ」ということになってしまいなんだか申し訳なくなるが特に無い。
毎日色々なものを食べたい人は毎日色々考えることがあって大変そうにも思えてしまう。
さて、そんな私と同居している猫らは毎日同じものを食べている。
なんか茶色い、カリカリしたもの。
違うものをあげたりしてみたこともあったのだが似たような反応しかしないのでまあいいか同じもので喜ぶなら、と思いながら
同じ袋から出した同じ茶色いカリカリしたものを与え続けている。
もう何年も。
しかしながらこの子らは飽きていない。
なんなら日に日にこのカリカリしたものへの愛が止まらなくすらなっており
最近自動餌やり機から出てくる規則的な時間からの食事の時間では物足りないのか、自動餌やり機の中を掘り返すようになった。
自動販売機の奥から小銭をかき出しているひもじいどなたかの動きに似ている。
なぜだ、なぜだ猫らよ。私は袋に書いてある規定の量を規則的な時間帯にあげているというのになぜもっと食べたい。
しかももう最近は思い余って体当たりをするようになった。
自動餌やり機に体を思いっきりぶつけ、その衝撃でポロッと本体からあの茶色いカリカリしたものが出てくるのを期待している。
あのな、その機械は横に倒れたらもっと出てこなくなるんだよ。
そこまでは頭がいいわけでは無いので自動餌やり機が横になるまで体当たりをし続ける。頼む、怖いからどうにかその衝動をおさえてくれ。
ガムテープでガンガンに床に貼り付けるようになったその自動餌やり機は、もう瀕死状態である。
これはどうにかならんのか。
だからと言ってこのガンガンぶつけて自動餌やり機が倒れたタイミングで仕方なく餌をやるようになると「これをやればくれる」という認識を持たれてしまい尚その行為をやめてくれない。
人間だと毎日同じような食事をすると食事に対して執着は薄れていくものなのでは無いかと思う。
他の動物でも同じかと思っていたこの感覚は、同居している2匹の猫によりそれはあっさり覆されたのである。
先ほど私が目を覚ました際も、顔の周りにすでに集合していた2匹は「起きたということは餌をくれるのかもしれない」と、起きてきた私に対して、餌の場所へ誘導してくれた。とりあえず餌場を横切りトイレに行くとガッカリしている。
その毎日が今、続いているのだ。
美味しいかい、その、茶色いカリカリしたものは。
それならいいんだけども、その、2時間後に規則的に出てくる予定だから、あと2時間、どうにか待つことはできないのかね。
そんな飼い主を横目に、猫のアンは仕方なさそうに自動餌やり機の中を掘り返し、ポロッと1つカリカリを出していた。
嬉しそうだった。