2023.04.16 17:00
2023.04.16 17:00
ドラムの自由度が他と違う
──ドラムのルーツだと、イエスとかドリーム・シアターをお兄ちゃんにやらされてたそうで……?
Anabebe そうなんです。家族の影響でドラム始めて、兄ちゃんからドラマーになりたいんだったらドリーム・シアターのコピーしろって言われて(笑)。
──マイク・ポートノイを神と崇めるお兄ちゃんだったってことですね。
Anabebe そうですね(笑)。兄はギタリストなんでジョン・ペトルーシを崇めてて。「The Dance of Eternity」をコピーしろって。「俺聴いても分かれへん」って泣いてたんですよ。兄ちゃんがMTRで打ち込んでくれて、それをコピーしてセッションして。
──それはいくつの頃?
Anabebe 11歳くらいですかね。頑張ってました。
OCHAN 兄弟全員楽器やってて、ドラムポジションだけ空いてて(笑)。強制的にドラムやってたみたいで。
Anabebe そうそう。子供の頃マイケルのビデオ見ながら踊ってたらしくて「お前はリズム感ある。ドラムおらんからドラムを叩け」って言われて。YOSHIKIモデルのスティックもらって。
──あの黒いやつね(笑)。それが楽器の始まりなんですね。出だしがドリーム・シアターだったんですか?
Anabebe TRICERATOPSから入って、8ビートを学んでボン・ジョヴィにいって。重たい8ビート学んで、ドリーム・シアターに。
──NIKO NIKO TAN TANの音楽にジャンク的な要素もあると感じていて。ポートノイを崇拝しちゃうとジャンク的なノリになかなか行きづらくなる気が……!
Anabebe その通りですね。
──どうマインドを置き換えたんですか?
Anabebe 幼い時にドリーム・シアターをやったりして、高校で先輩にオルタナティブロックやエレクトロニカを教えてもらって。手数足数は多い方がいいと思っていたところに、シンプルで壊したビートがかっこいいっていうのを教えてもらって。そこからポートノイを封印して、今ジャンクなビートを主にやってます。
──面白いですね。この手の音楽をやってる方のルーツを聞くと、最近のジャズかヒップホップが一番に出てきて、そこからスリップビートを学んだりとか、コード感を学んだりがあるんですけど。そこが出てこないから、このジャンク感があるんだなっていうのを感じました。
Anabebe 通らないですね、そこは(笑)。
──今サブスク時代だから「NIKO NIKO TAN TAN」で検索すると似てるアーティストが出てくるじゃないですか。そういう方々を知ってるだろうし、対バンもいっぱいしてるだろうけど、自分たちはここが違うっていう感覚はありますか?
OCHAN 例えば、ブラックミュージックが好きだからその通りにやりたいっていう思考がまずなくて。あとは聴きやすくてポップなものも好きなんで、自分で音楽を作って歌うってなると、車でも聴けるものを作りたいっていう。それはメロディーの話で。バックで流れてるトラックとかでメロディーに合ったものを作りながらも、変わった要素を入れてみたいっていうところが違うかもしれないです。壊したいんですよね。まさにジャンクですね。
──Anabebeさんはどうですか?
Anabebe ドラムで言うと、このバンドはお前の好きなようにやってくれっていうバンドなんで、ドラムの自由度が他と違うところかな?って思います。
──ある意味ドラムもリード楽器みたいなことですかね?
OCHAN 一個の武器ですね。2人でやってるからドラムが目立つじゃないですか。フロントマン2人いるみたいなものなので、そこが違うと思いますね。ドラムがやってることもダイレクトに伝わるし。
──最初から他にベースやシンセを入れるっていう考えがなかった?
OCHAN 最初からないですね。
──それはOCHANさん的にAnabebeさんとやりたいからって気持ちで?
OCHAN はい、ドラムだけは自分でできないなと思って。ドラムを暴れさせるために、ベースがブラックミュージックのノリでぐるぐる動くようなのは必要ないかなと思ったんですね。白玉でブーンって伸ばして、その上で暴れた方が安定感がありながらドラムを動かせられるなとか。ベーシストがいて、好きにやってもらう人が一人増えるよりも必要最低限でやりたいと思ってました。
──Anabebeさんも他の楽器欲しいと思ったことはない?
Anabebe 生のベースシストの絡みがたまに欲しいなって思う時は正直ありますけど、今のスタイルが面白いです。ベース音が絶対に真ん中にいるから僕が何しようが崩れないし、崩せるし。すごい楽しいですよ。
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