2023.03.02 18:00
2023.03.02 18:00
残りの時間を充実させたい
──2023年4月1日開催の卒業コンサートまで、残された時間もわずか。自身の節目が、徐々に近づいている実感は?
少しずつ湧いてきました。ファンのみなさんに発表したとき(2022年10月「HKT48 11th anniversary LIVE 2022 ~未来へのメッセージ~」)は「自分の口から本当に卒業発表した」という感覚はありつつ、卒業まで半年もあるから「長い」と思っていたんです。でも、いつのまにか2ヵ月を切り(※インタビュー時)、卒業コンサートの具体的な話も進んでいるので、近づいてきたと感じています。
──デビューから10年近く。青春時代を捧げたグループからの卒業を決めた理由は?
はっきり「これ」と言える理由はないんです。色々な選択肢を考えた上での答えで、いつからか、卒業を考え始めて「どのタイミングがいいのか」と思っていました。自分なりに「これがしたいから卒業しよう」と考えたわけではないので、すぐには決断できなかったんですよね。自分の中で納得して、他のメンバー、ファンのみなさんにも納得してもらい、送り出していただけるタイミングはいつかと考えた結論が、今でした。発表してすぐに卒業では、ファンみなさんによっては「最後に会えなかった」と後悔が残る方もいるでしょうし、私自身もグループのファンだったからその気持ちも分かるので、発表から卒業まで、時間の余裕ができるように流れもちゃんと考えました。
──ぼんやりと卒業に対する思いは持っていたと。
韓国でIZ*ONEの活動を始める前に悩んでいた時期もあったし、ずっとありましたね。根っからの性格で、今を楽しむのではなく、先を見据えたくなるタイプなんですよ。何事も「今が楽しいから」と考えるだけではないし、人生は何が起きるか分からないという気持ちは常にあります。
──卒業について、発表までは他のメンバーに伝えていなかったそうですね。
言ってなかったんですけど、何人かのメンバーは気づいていました(笑)。誰にも言わなかったのは「誰かに言って、誰かに言わないのは違うかな」と思ったからです。でも、事前に指原さんには伝えていましたね。「卒業しようと決めました」と言ったら、背中を押してくれました。
──ステージで卒業発表する前後の心境はいかがでしたか?
当日は頭が真っ白になるほどの緊張感があって、昼夜2部制の昼公演ではちゃんと歌えたのに、夜公演では発表が近づくにつれて声が震えて、上手く歌えなくなっていました(苦笑)。誰にも言ってなかったから、緊張をほぐしてくれる人もいなかったんですよ。発表後、同期の子に「言ってくれればよかったのに」と言われて、本番後の舞台裏では「ごめん」という気持ちで泣いていました。
──ようやく思いを明かしてから現在まで、日々の活動にどんな思いで打ち込んでいますか?
何をするにも「最後なんだ……」と思うと寂しい反面、残りの時間を充実させたい気持ちもあります。シングル「君はもっとできる」のレコーディングもMV撮影も最後でしたし、たえず目がウルウルしていました。MVのクランクアップ時も、スタッフさんからお花をいただいたとたんに涙が込み上げてきて……。最近、なぜか涙もろくなってきました(笑)。
──涙もろくなった理由が気になります。
何でだろう……。ファンのみなさんからは「卒業発表してから涙もろくなってない?」と言われますね。あと、演技の幅を広げるため、自主的に通い始めた演技レッスンも理由かなと思います。先生から「普段、感情をおさえがち」と指摘されて「たしかに」と思ってから、感情を素直に出してみようと考え方を変えたんです。以前は、感情を表に出さないようコントロールできていたんですけど、最近は少しずつ変わってきました。
──日常生活にも影響がありそうですよね。
ありますね。卒業コンサートのセットリストを打ち合わせた日も、自宅で当日の様子を想像したら涙が出てきちゃったんですよ。だから、「卒コンどうなるんだろう……」と今から心配です(笑)。過去の卒業コンサートでは、覚悟を決めた本人ではなく見送るメンバーが泣いていた印象もあるんですけど、私はたぶん、泣いちゃいます。
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