社会性のない4兄妹の向かう先とは
森田想が「実家を売ろう」と言い放つ 映画『わたしの見ている世界が全て』予告編公開
2023.02.03 12:00
©2022 Tokyo New Cinema
2023.02.03 12:00
3月31日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて全国公開される映画『わたしの見ている世界が全て』から予告編が公開された。
本作は、自分一人の力で生きてきたつもりの主人公・遥風(はるか)が、母の死をきっかけに再会した兄弟との交流を通じて大切なものに気づいていく物語。「個人の力で生きていくこと」がもてはやされる時代の中で、“失われつつある大事な心”を描いた社会風刺エンタテインメントとなっている。
遥風は家族と価値観が合わず、大学進学を機に実家を飛び出し、ベンチャー企業で活躍していた。しかし、目標達成のためには手段を選ばない性格が災いし、パワハラを理由に退職に追い込まれる。復讐心に燃える遥風は、自ら事業を立ち上げて見返そうとするが、資金の工面に苦戦。母の訃報をきかっけに実家に戻った遥風は、3兄妹に実家を売って現金化することを提案する。興味のない姉と、断固反対する兄と弟。野望に燃える遥風は、家族を実家から追い出すため、「家族自立化計画」を始める。
主演を務めるのは、映画『アイスと雨音』(2018年)、『タイトル拒絶』(2020年)、『朝が来る』(2020年)や NHK 連続テレビ小説『エール』など数々の話題作に出演し、演技が高く評価されている森田想。森田の兄弟役に中村映里子、中崎敏、熊野善啓などの実力派俳優が揃い、複雑に揺れ動く感情を巧みに表現している。
監督は、TAMA NEW WAVE映画祭特別賞・主演男優賞などを受賞した池松壮亮主演の短編映画『家族の風景』や、小林直己(EXILE)主演短編ドラマ『アイの先にあるもの』を手掛けた新進気鋭の佐近圭太郎。『東京バタフライ』に続く長編2作目となる本作で、2022年に開催されたスペイン・マドリード国際映画祭外国語映画部門にて主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、ヘアメイク賞の4つの賞にノミネートされ、主演の森田想が主演女優賞を受賞する快挙を成し遂げた。アメリカ南部最大級のアジア映画祭であるダラス・アジアン映画祭へも正式出品している。
今回公開された予告編では、末っ子の遥風が母の死をきっかけに、出戻りの姉、家業を継いだ長兄、ニートの次兄という社会性のない家族と再会するシーンが映し出されている。そして、家族の意思とは裏腹に「実家を売ろう」と言い放つ。疎遠だった家族との邂逅を通し、「何のために生きるのか?」に揺らぐ遥風の表情が印象的な映像となっている。