2023.01.23 18:30
2023.01.23 18:30
強くなると同時に優しくならないといけない
──世界ツアーすればするほど、いろいろな曲ができそうなバンドだなと思っていて。次回作の展望を教えていただけませんか?
バック 常に新しいアイデアを僕らは持っていて、舵をとって船の方向を決めているんです。ただ、大体全然違う方向に行っちゃったり、思い通りには絶対いかないので、基本的に僕らは何がどうなるか分からないんだ。例えば、ハードロックアルバムを作りたいと言っても絶対そうならないし、なるようになるかなって。それと同時に本能で常にチャレンジしたい。同じパターンばっかりはしたくない。同じことをし続けちゃうってよくあることだと思うんです。パターン化しちゃったことに慣れちゃって、その方向にしちゃうことも多いから、レペティションみたいなことはできるだけもうやりたくない。どんどん未知の世界へ向かっていきたいと思っています。ただどうなるかは分からない(笑)。
ジェームズ エイドリアンが最近ソフトな曲でも叫んでいて(笑)。そういう方向にいっているかもしれないし。
バック ジェームズはソロですごくかっこいいエレクトロニクスをやっているので、みんな聴いた方がいい。新しいアルバムにも彼のエレクトリック要素がすごく入っているので、それが今後僕らの音楽にどういう影響を与えていくかすごく楽しみだね。
──ビッグ・シーフ的じゃないソロアルバムを今後も作っていくだろうけど、ソロミュージシャンとバンドマン感覚はどういうふうに使い分けているんですか?
ジェームズ どちらからも取り入れていることが多くて、クロスしていると思います。今回の自分のソロプロジェクトでいろいろなことを学んで、それをビッグ・シーフに持っていきたいと思っていて。例えば、バンドをやっている時にもっと自由にこういうことをやりたいなと思ってソロプロジェクトの方でやっていると、次はバンドでこれをやりたいと思って行ったり来たりすることもある。自分のソロプロジェクトをやっている時はバンドがすごく恋しくなっちゃうし、バンドやっている時はソロのことはやりたくなくなるので、それが健康的だなと思っているよ。
バック 彼のソロプロジェクトはバンドなので、その中だとリーダー的存在で責任も増えるから、どんどん強くなると同時に優しくもなって人を引っ張っていかないといけない。いいリーダーになるためにはそこのバランスをとらないといけないし、グループのリーダーになることによって自分がより良い人間になっているなと感じることもある。ビッグ・シーフに全員がリーダー的ポジションで経験を持って帰ってこれるものもすごくあると思う。そういう意味では、ソロプロジェクトでも自分がリーダー的存在になることが自分を強くしたり、優しくさせたりしているんだと思う。