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木﨑ゆりあの“昨日の自分を愛せるか?” #4

「HSPと普通」

2022.10.15 12:00

2022.10.15 12:00

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“HSP”

この言葉を知っている人が
世の中にどのくらいいるのだろうか。

Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)その頭文字を取ってHSPと呼ぶ。生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質をもった人。

私は25歳で初めてこの言葉に出会った。

きっかけは仲の良い友達の友達に初めて会った時「ゆりあってもしかしてHSP?」そう聞かれた、横文字がちんぷんかんぷんな私の頭にはクエッションだけが浮かび、言われるがままネットにあった診断テストをやってみた。

結果はほぼフルスコア、共感しまくった私は確実にHSPというやつだった。

もはや当てはまらない人なんて居ないんじゃないのか?そう思うほどに、私にとっては当たり前のことばかりだったので、試しに友達にもやってもらったが見事にチェックの数が違って衝撃的だったのを覚えている。なるほど…私はHSPというものなのか。

なんか、、カッコいい響きだし良いじゃない! 

最初はそんな程度の認識で、特に落ち込むこともなく、気づかせてくれた友達の友達(今ではもう友達)にも感謝している。今まで自分の中で当たり前だと思っていたことに名前がついただけ。シンプルにそう思った。

歩行者の天国は誰かの地獄

「気持ちが楽になった」
「同じように悩んでる人がいて良かった」

HSPだと気がついた人達が口を揃えてこう言う。

でも、私は不思議なことにHSPと出会った後の方が、苦しいと思うことが増えていった。私にとって当たり前だった日常がHSPという色に塗りつぶされていく様な、そんな感覚が生まれた。

突然鳴る音にびっくりするたびに
人との関係に落ち込むたびに
生きづらいと思うたびに

世の中の普通から、また少し遠のいた気がして絶望している自分がどこかにいる。

そして、全ての言い訳として 「私はHSPだからしょうがない」そう思うようになった。

それはまるでジョーカーみたいに、私は、私を守るためにそいつを時々使ってしまう。そんな自分がまた、少し嫌いになる。

HSPの中で1番大きな存在だと思うのもの

“音”

もちろん個人差はあるだろうが、例えばモスキートーンが死ぬほど嫌いだ。

それから勢い良く通る車や電車、錆びた自転車、居酒屋で隣になった客の大きな声、調子に乗って走るバイク、パトカー、渋谷駅のアナウンス、例を上げ出したらキリがない。

ただうるさいと感じるのではなく、音に “気持ち” を持っていかれる。家から外に出た瞬間にこれらの音に出会った日には信じられないくらい大きな絶望を1日引きずり、普段なら聞こえてない些細な音ですら拾ってしまう。

なので私はHSPだと分かってからコンディションの悪い日は基本的にヘッドフォンをするようになった。親しい友達と一緒にいる際は嫌いな音に出会う前に堂々と両手で耳を塞ぐ、必ずやるのでもはやビックリもされない。

貫禄のある猫さま

もう1つ、人の気持ちに敏感すぎるのもHSPの特徴。

「気にしい、考えすぎ」他人に必ず言われる言葉。もちろん当の本人はそんなつもりは全くなく、相手が自分の言葉をどう受け取ったか、本当は違う意味で伝わってしまっているんじゃないか、人数が多ければ多いほど全員の顔色を伺い、みんながちゃんと楽しんでいるか、無駄に空気を読んでしまう。

私は基本、表向きは社交的なタイプなので、内気なHSPさんとは少し違うかもしれないが、無駄や効率が悪いことにストレスを感じて心が終わってしまうので、自ら率先してよく動くようにしている。

だからなのかなんなのか、初見の人に褒められることがやたら多い。だが、決して褒められたくてやっている訳ではなくて、やらないよりやる方が自分にとって”楽”だからやっているのだ。なので褒めないでほしい、出来れば気にも留めないでほしい。褒められると「ああ、私なにしてるんだろう」と逆にへこんでしまうから。(これはただのわがままです、ええ。)

そして極めつけは”匂い”これは本当に苦手だ。

香水は自分がつけたら気持ち悪くなってしまうのでつけられない、パッケージは大好きなので飾ってあるものは多い。人の匂いにも敏感、体臭をすぐ感じてしまうので、なるべく鼻で息をしないようにしている。もちろん同様に自分の匂いにも敏感、相手にどう思われているのか、つい気になってしまう。稀にいる無臭な人を見つけると本当に感動する。自分もそうであってほしいものだ。

今の時代、新しい言葉が増えてきて、自分の個性で悩む人が沢山いると思う。理解して欲しくてぶつかり、こじれていく人と人が沢山いて、私も普通の人からしたら、いわゆる普通ではない人間の1人なのかもしれない。

でも、私からしたら、私以外の全人類が普通じゃなくて面白い!!そう思う。もちろんいい意味で。

言葉は難しくて、“普通じゃない”って決してダメな言葉ではないと信じたい。だって、家族や友達、いつか生まれてくる子供に、私は普通になんてなって欲しくないから。

個性は誰にでもあって、普通の人間なんてきっといないのだから。

私は私を、普通じゃないと思うし、同時に至って普通だとも思う、そんな理不尽なもんなんじゃないのか人間なんて。

この世に仲良くなれない人と人がいるように、国と国があるように、ただそれだけのことなんだと思うのです。

私の宝物

PS. 親友の家にいて、彼女がペットボトルを潰す時「今から潰すよー!ねえ!潰すからねえ!!音大丈夫そ!?」と大きな声で聞いてくる。そのたび私は爆笑して潰している音になんて気づきもしない。そんな友達が1人いるだけで私には十分すぎるのです。

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