庄村聡泰(ex-[Alexandros])が前夜祭から徹底レポート
オーディエンスとして、前夜祭から4日間楽しみ尽くした「はじめてのフジロック」
2022.08.15 17:05
HALSEY
2022.08.15 17:05
DAY2──7月30日
実は今年の名目上、筆者は”フジロックに行った”訳ではなく、“BLOODYWOODに行った”のである。個人的には彼等の来日がフジロック参加の決め手となった、インドはニューデリーからのメタル楽団だ。インドでメタルで太鼓で笛でラップでシャウトでだなんて、好きしかねえではないか。古くはSEPULTURAからのSOULFLY、もしくはSLIPKNOTからのSYSTEM OF A DOWN、はたまたマキシマム ザ ホルモン等、これらのバンドを愛する身ならば是非とも一度聴いてみて欲しい。前日のTHE HUも然りだが、出自なのだろうか。やたらと大自然で聴くのがハマる。金属(メタル)なのにね。クサメロな“Aaj”、ブチ上がった“Dana-Dan”、アリアリ(聴けば分かる)な“Ari Ari”、何故か2回演った“Gaddaar”、サイコーだったので早くまた日本来てくれ。もしくはニューデリー(行った事ある)まで会いに行きてえ。
インドの次は台湾だ。Fire EX.だ。実直で真っ当な熱い演奏に再び気持ちをアゲられつつ、BRAHMANのTOSHI-LOW (Vo)を迎えた“おやすみ台湾”はグッと来た。その後前夜祭がとっても良かったHelsinki Lambda Clubをお代わりしてSNAIL MAILを観る。oasisのTシャツが欲しくなる。
続いてはFIELD OF HEAVENにてKYOTO JAZZ SEXTET。日本ジャズドラマー界の巨人森山威男を迎えた特別編成、ドラムを生業としていた身として、これは観に行かねばなのである。最後に演奏された“Watarase”、これが大名曲であり、なんで今まで知らなんだ!であり先の”おやすみ台湾”同様、こうした名曲の数々と「初めまして」出来るのもフェスならではの喜びだ。あと脇で売ってたラム酒のアイスココア割りが実に凶悪な飲み物であった。(激しく美味かった)
GLIM SPANKYがロックンをロールしまっくているWHITE STAGEを泣く泣く後にして、FOALS。2005年の結成以降着実にキャリアの更新を重ね、今やUKインディーロックの筆頭株ともなった彼等、堂々たるフジロック帰還である。伸びやかなヤニス(Vo.Gt)の歌声に身を委ね、徐々に陽が落ちて行くに従い熱を帯びる演奏とオーディエンスのダンス。“Spanish Sahara”での観客を屈ませるパフォーマンスには一種の神々しさすら感じてしまった。
そんな空気を良い意味でぶち壊してくれたのは2日目のヘッドライナーであるJACK WHITE。基本歪みっ放しなので弾いていようといまいと常にアンプからはガー・ピー・ジリジリと漏れ出ているのであるが、そのノイズいち音に至るまで、カッコ悪い音が一切鳴っていなかった事は驚嘆に値する。ファズって、ディストーションって、何て素晴らしいんだろうと、改めてエレキギターという楽器を礼賛せざるを得ない。登場SEのMC5“Kick Out the Jams”から雪崩れ込む様なジャムセッション、自身のキャリアを総括する様なセットリスト(“Fell in Love With a Girl”演ってくれた! )を経て、やっぱり聴きたい“Seven Nation Army”で締め。御本人も去る事ながらとんでもない角度の超変則セットをバシ叩くドラマーのDARU JONESからも目が離せなかった。
そのままの流れでどんぐりずからのNight Tempoと深夜のRED MARQUEEをアゲにアゲるアクトとお酒にすっかり腰を砕かれた。
次のページ