2022.08.13 13:00
レコーディングも1本のライブのつもり
──そしてここにきて新たな邂逅となるandropの内澤くんがプロデュースで入った「あいたがい」なんですけど、これは初めてのラブソングということで?
片桐 今までの楽曲でも「:||」や「薄藍」で恋愛を含んだ曲を歌ってはいたんですけど、どちらもシューゲイザー感のあるサウンドの中で感情があまり見えないようにしていて。ただ「あいたがい」は言葉がしっかり聴こえるので、誰かに聴いてもらう恋愛の楽曲は初めてです。恋愛観を曲で出すのはあまり好きではなかったんですけど、メンバーに聴いてもらってデモの中でもこの曲が一番反応が良くて、リリースに至りました。
──胸を張ってラブソングという解釈で大丈夫でしょうか?
片桐 Hakubiのラブソングとしては正解だと思ってます。「あいたがい」には“相互い”と“愛違い”の対象的な意味があって、心の底では愛があるけど違えてしまってる感じがHakubiらしいなと思いました。
──平仮名にすると「会い」に「害」があったり、「会いたがってる」ような解釈もできますよね。
片桐 わ、新しい解釈ができました!
──「Twilight」や「蜃気楼」を経て、外に向けてHakubiの流儀で胸を張れるバラードにたどり着いたのかなと思いました。
片桐 ありがとうございます。
──歌に関してなんですが、もうマイクや部屋がビリビリいってるようなある意味絶唱だと思うんですけど、レコーディングのときはすぐスイッチが入るタイプですか?
片桐 レコーディングの時も1本のライブのような感じで臨んでます。歌詞とメロディーをただそのまま歌うのは違うと思っていて、ライブ感みたいなのは欲しいと思ってます。ボーカルブースは真っ暗にしてます。(笑)。
──ユウキさんもライブ感をもって臨んでますか?
マツイ レコーディングは逆に繊細さを気にしてます。あとは早く終わらせて二人のレコーディングの時間を長くしたいなと(笑)。 めちゃくちゃ短時間集中してます。
──いちばん客観性をもってそうなアルさんはどのような風に臨んでますか?
アル あんまり感情の振れ幅がないのである種フラットな感じで臨んでますね。
──そういう人がベースを弾いてるというのは非常にいいバランス感だなと思いました。
アル ありがとうございます。
──今日インタビューさせていただいて、暗い感情の葛藤を描いていたバンドが「あいたがい」という曲を産むまでのストーリーの筋道がよくわかりました。
片桐 バンドとして自信がついてきたことがこの曲を出せたことにつながっていると思います。
──自分の中でも溜飲下がりまくりの最高なインタビューでした。
片桐 今日のインタビューでたくさん気づくことがありました。
──そういってもらえると嬉しいです。「あいたがい」のリリースがあって、8月11日の自主企画「京都藝劇 2022」以降もライブジャンキーなHakubiはライブガンガンやっていく感じですか?
片桐 そうですね。11月に東京と大阪でワンマンを行います。東京は、初のホール公演となる恵比寿ザ・ガーデンホールにて、大阪はBIGCATにて、それぞれHALL edition、LIVEHOUSE editionと銘打って、セトリも変えながら、その場所でしかできないライブをやりたいなと考えています。9月以降、イベントやフェスもまだまだ続くので、ライブ頑張ります!
──これからも闇を知り尽くしたからこそ使える光の表現、それの可能性をこれからも楽しみにしています。
Hakubi ありがとうございます。
──そういえば3人ともお衣装もすごく素敵ですね。
Hakubi ありがとうございます!
──コンセプチュアルな部分やシアトリカルな部分に旨みや活路を見出していったHakubiをこれからも観ていきたいなと思いました。ありがとうございました!
Hakubi これからもよろしくお願いします!