ロックンロール“Brother”によるトーク・セッション
ジェットセイヤ×高岩遼、現代のDIYロックンローラー対談
2022.07.10 17:00
2022.07.10 17:00
がんばらないと適当にやっていることも笑えない(高岩)
──やりたいことを言わないと始まらないとおっしゃっていましたが、お2人がこれからやりたいことは何でしょうか?
セイヤ 映画を作りたい。B級ホラー映画。
──ホラー映画がお好きなんですね。
セイヤ 監督で言ったら、ジョン・カーペンター。自分の映画ブームがあって、第1次がジム・ジャームッシュ。あの人ってロックンロールじゃないですか。その次にカーペンターが来たんですけど、きっかけは『ダーク・スター』というデビュー作で、かなりチープな作品でした。最後に出てくる宇宙の怪物がビニール袋なんですよ。何これ、自分でも作れそうって思って、その後、『クリスティーン』とか、『ゼイリブ』とか見て、ビニール袋を使ってた監督がこんなお金かけるんだって。『クリスティーン』は好きすぎて、自分でTシャツを作りました。それはもう自分だけの為に。
高岩 『クリスティーン』はめっちゃいいですよね。(VHSの)ジャケもいいんだよな。
セイヤ 心を持った車の話なんですよ。
高岩 俺も映画作りたいんですよ。俺、ヤクザ映画が大好きで、国内で言うと、絶対、北野武なんです。そういうネオ昭和な感じのスベッてない新しいバイオレンスなやつ作ってみたくて、出てる人間、みんなミュージシャンみたいな。そういう配役ヤバいみたいなやつ作ってみたいですね。
セイヤ めちゃくちゃおもしろそう。俺は青春物も撮りたいな。女の子の映画も撮ってみたい。『ゴーストワールド』とか、『タイムズ・スクエア』とか。女の子が2人、不良と真面目な子が出会ってみたいなやつ。
高岩 いいですね!
セイヤ 男の子の映画も撮りたい。『ナポレオン・ダイナマイト』みたいなやつ。冴えない男子高校生が、ある日生徒会長に立候補して、めちゃくちゃダンスがうまい!っていう色々青春が詰まった話なんですけど、主人公が着てるリンガーTシャツに“VOTE FOR PEDRO”って書いてあって、自分が作るTシャツはそういう映画の中の子が着てるTシャツにも影響を受けてると思う。ラグランとか、トリムとか、絶対着てるじゃん。『ストレジャー・シングス未知の世界』もそうだったけど、あの世界観を自分の作品で作りたい。特に自分の作った赤いリンガーTシャツを女の子に着てほしい!バイクの映画も撮りたい。
高岩 いいですね、いいですね。西部劇もいいですね。俺は映画の入りは西部劇でしたね。あれがジャズだと思ってたんですよね。あのハードボイルド感が。そこから白黒映画に行きました。『ワンス・アポン・ア・タイム・アメリカ』から始まって、そこからVシネマのハジキ感に繋がるっていう(笑)。
セイヤ ほんと、やりたいことがめちゃくちゃある。でも、それが全部繋がってる。1つ1つが何かやるための準儀(セイヤ曰く、「準備をするための儀式」という意味のジェット語)でもあるんですよ。常にスタートして、ゴールして、またスタートして、ゴールして、その繰り返しですね。ゴールした!よっしゃ!次!みたいな感じです。
──最後に読者にメッセージをお願いします。
セイヤ 全部、自分が考えることは実現します。仲間と楽しくやりたいことをやろう!
高岩 何だろ? 適当ってことかな。
──適当ですか? でも、高岩さん、やりたいことをやる時はめちゃめちゃディテールにこだわっているじゃないですか。とても適当にやっているとは思えないんですけど。
高岩 でも、そこに時間を掛けて、がんばらないと適当にやっていることも笑えない。
セイヤ でも、適当って、適度な加減って意味なんです。適度さが大事で、人間って好きなことで体をぶっ壊すんですよね。だから適度にやりつつってことだと思います。
高岩 先輩から補足が入りました(笑)。