2022.07.11 07:00
6月21日にデビュー28年目を迎えたUA。5月には2016年発表の「JaPo」以来6年ぶりとなる新作「Are U Romantic?」が届けられたばかりだが、6人のアーティストと共作したこの多彩なEPを聴いて、「おかえりなさい」と言いたい気持ちになった人も少なくないだろう。そこにはポップで思わず口ずさみたくなるような親しみやすい曲ばかりが収録されていたからだ。
2002年の4thアルバム「泥棒」から前作「JaPo」まで作品毎にオルタナティヴな性格を強めていったUAだったが、デビューから1999年の3rdアルバム「turbo」あたりまではまだ、クラブミュージック的なサウンドでメロディアスな曲を歌うというポップなアプローチがなされていた。「Are U Romantic?」を聴くと、オルタナティヴ方向による祈りの旅を「JaPo」で一区切りつけ、再びポップな気分、ポップなモードを楽しむようになった彼女を存分に感じられる。そこがいい。
では、どのような旅を経て彼女はポップなモードに立ち返ることになったのか。歌い始めてからここまでの長い旅はどのようなものだったのか。それを探るインタビューの〈前編〉では、彼女が歌を始める以前にまで時間を巻き戻し、4thアルバム「泥棒」に至るまでの話を聞いた。
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