-
岩代太郎の音楽×首藤康之演出によるこの作品だけの個性とは 三宅健と馬場ふみかが“現在進行”の世界に祈りを捧ぐ 奏劇vol.4『ミュージック・ダイアリー』開幕
2025.06.22 15:00
奏劇 vol.4『ミュージック・ダイアリー』が、6月21日(土)に東京・よみうり大手町ホールで開幕した。 「奏劇」は、作曲家の岩代太郎が音楽と演劇の融合を目指し、2018年に始めた舞台シリーズだ。第4弾となる今作『ミュージック・ダイアリー』は、音楽を言葉として伝え、戦争で離れ離れになった男女が愛と平和を求めて音楽日記を交換する……つまり“ミュージックダイアリー”を交わすという作品だ。出演は、「奏劇」には2回目の参加となる三宅健と、今回初参加となる馬場ふみか、西村まさ彦の3人。そして、2人のピアニスト……なんとも、シンプルな構成だ。 講談師、久遠泰平(西村まさ彦)から語られるのは、涙の恋物語。始<a href="https://bezzy.jp/2025/06/69195/">…
-
テント公演でしか味わえない醍醐味、体感すべき魅力を解説 安田章大の“特権的肉体”が縦横無尽に跳ね回る!新宿梁山泊『アリババ』『愛の乞食』開幕
2025.06.17 18:30
花園神社のテントに、安田章大が立っている。何度も目を疑いそうになるが、これは今、新宿で起こっている紛れもない“事件”だ。それも、とびきりワクワクするタイプの……! SUPER EIGHTの安田章大が東京・新宿の花園神社境内 特設紫テントにて6月14日より上演中の新宿梁山泊『愛の乞食』『アリババ』に出演。それに先がけ13日、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。 安田章大と新宿梁山泊の主宰・金守珍、そして唐十郎作品の組み合わせは2023年の『少女都市の呼び声』に続いて2回目となるが、前作がTHEATER MILANO-Zaという立派で大きな“新劇場”だったのに対し、今回はなんと新宿梁山泊のホームグラ<a href="https://bezzy.jp/2025/06/68865/">…
-
死期を悟った人間が遺した作品を白井晃はどう解釈したのか? 松岡充主演ミュージカル『LAZARUS』開幕、デヴィッド・ボウイ最後の“ギフト”が日本でも
2025.06.03 17:00
松岡充主演のミュージカル『LAZARUS』が5月31日(土)、KAAT神奈川芸術劇場<ホール>で開幕。それに先駆けて5月30日に公開ゲネプロと記者会見が行われた。 伝説的なロック・スターで、1970年代以後のファッションやアート、カルチャーに多大な影響を及ぼし、2016年1月10日に亡くなったデヴィッド・ボウイ。『LAZARUS』は彼の最後のアルバム『★(ブラックスター)』と同時期に制作され、遺作ともなったミュージカルで、2015年にオフブロードウェイで初演されたもの。今回が日本初演となる。 ボウイが主人公を演じた映画『地球に落ちて来た男』(1976年)にインスパイアされた本作は、地球に取り残<a href="https://bezzy.jp/2025/06/67923/">…
-
丹生明里、映梨那、中村里帆らが織りなす物語の魅力とは 時代を超え、“道を切り開く”少女たちに胸が熱くなる 舞台『フラガール』がくれるエネルギー
2025.05.27 20:15
舞台『フラガール-dance for smile-』が2025年5月22日、新国立劇場 中劇場にて開幕。それに先駆け同日、公開ゲネプロと会見が行われた。 『フラガール』といえば、2006年に公開され、日本アカデミー賞最優秀作品賞やキネマ旬報ベストテン第1位など、数々の映画賞を受賞している名作映画。これまでに何度も舞台されているが、この『フラガール -dance for smile- 』自体は2019年、2021年、2022年に続いて4演目となる。 物語の舞台は、昭和40年の福島県いわき市。エネルギー革命によって炭鉱の町が衰退していく中、未来を切り開くためフラダンサーを目指す少女たちの奮闘を、笑<a href="https://bezzy.jp/2025/05/67527/">…
-
再再演を迎えた名作を今の時代だからこそ観るべき理由とは MLBのロッカールームが象徴する、現在進行形の複雑な“世界” 舞台『Take Me Out』開幕
2025.05.20 17:30
「その時代に上演される意味」を持つ作品というのがあるとしたら、まさに今作と言えるだろう。舞台『Take Me Out』が、2025年5月17日より開幕。それに先立ち、5月16日に記者会見と「レジェンドチーム」の公開ゲネプロが行われた。 メジャーリーグを舞台に、その華やかな選手たちの関係を捉えながら、そこに渦巻く閉鎖性によって浮彫りになる様々な実情にスポットを当てた『Take Me Out』。2016年、2018年と上演され、今回は7年の時を経ての再再演だ。しかも再演のオリジナルメンバーに新メンバーを加えた「レジェンドチーム」と、完全オーディションで選び抜かれた「ルーキーチーム」の2チーム体制で<a href="https://bezzy.jp/2025/05/67057/">…
-
上田誠が追求した面白さを構成するさまざまな要素とは 魅惑の無重力舞台にSFエンタメ全部盛り!?伊藤万理華主演『リプリー、あいにくの宇宙ね』開幕
2025.05.07 18:00
ニッポン放送と「ヨーロッパ企画」上田誠のタッグで贈るエンタメ舞台シリーズ第5弾『リプリー、あいにくの宇宙ね』が、 2025年5月4日より東京・本多劇場にて開幕。初日に先駆けて公開ゲネプロと記者会見が行われた。 物語の舞台は、宇宙開発ラッシュの時代。Z社は、火星と木星の間にあるアステロイドベルトへ核融合エンジンを搭載した宇宙船100機を派遣、資源探査を行う「プロジェクト・ジャックポット」を発動する。その100機のうちの1機として地球から旅立った宇宙船ブリコロモラ。キャプテン(岩崎う大)が指揮を執るこの宇宙船は、航海士ユーリ(伊藤万理華)と航海士キリト(井之脇海)のペアに加え、オペレーター(石田剛<a href="https://bezzy.jp/2025/05/66433/">…
-
80年代が舞台のこの怪作は、なぜ心を揺さぶるのか? Hey! Say! JUMP髙木雄也が虚飾に潜む“闇”を魅せる、ミュージカル『アメリカン・サイコ』開幕
2025.04.01 20:30
髙木雄也が、あのHey! Say! JUMPの髙木雄也が、白ブリーフ1枚で舞台上を駆け回る。 そんな舞台『アメリカン・サイコ』が3月30日、新国立劇場中劇場で幕を開けた。 冒頭からなかなか衝撃的な表現だが、この舞台を実際に観た人はけしてこれが誇張表現ではないことがわかっていただけると思う。というか、多分おおよその人が想像した以上に彼はほぼずっと裸で舞台上に存在するが、それ以外はブランド物のスーツに身を包んでセックスとドラッグとビジネスに精を出し、そして殺人を犯す。なんともセンセーショナルな姿が、そこにある。 舞台は、80年代末のバブル期。NYウォール街の投資会社に勤めるエリートビジネスマンのパ<a href="https://bezzy.jp/2025/04/64224/">…
-
根底にある喜劇の本質、観客に委ねられる“本当の裁き”とは シェイクスピアの傑作が現代に問いかける、正義とは何か?草彅剛主演『ヴェニスの商人』開幕
2024.12.06 20:00
12月6日、日本青年館ホールにて舞台『ヴェニスの商人』が開幕。世界で最も高名な劇作家ウィリアム・シェイクスピアが残した喜劇の一つであり、これまで何度も上演され続けてきた傑作に、新たな息吹が吹き込まれた。 稀代の悪役・シャイロックを演じるのは草彅剛。タイトルにもなっているヴェニスの貿易商・アントーニオに忍成修吾。騒動の発端となる親友・バサーニオに野村周平。そして、八面六臂の活躍を見せる富豪の娘・ポーシャとその侍女・ネリッサを、それぞれ佐久間由衣と長井短が演じる。 演出は、現代演劇界の先頭に立つ森新太郎。今考え得る最高の布陣で臨む『ヴェニスの商人』は、混迷の令和の世にどんな裁きを下すだろうか。 物<a href="https://bezzy.jp/2024/12/54844/">…
-
“稀有な才能たち”が融合した存在感溢れる舞台の見どころは 香取慎吾が”寺山修司の世界”で演じ、歌う!舞台『テラヤマキャバレー』開幕
2024.02.10 15:00
なんと猥雑で、美しくて、ユーモアにあふれて楽しい”キャバレー”なのだろう! 香取慎吾主演『テラヤマキャバレー』が2月9日、日生劇場で幕を開けた。それに先立ち2月8日、公開舞台稽古と記者会見が行われた。 そのタイトルの通り、今作のモチーフでありテーマは「寺山修司」。没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司がもし今生きていたら、何を思い、何を表現したのか? 今作はそんな発想から立ち上がったという。 1983年5月3日火曜日、寺山修司(香取慎吾)はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と<a href="https://bezzy.jp/2024/02/40401/">…
#デヴィッド・ルヴォー#テラヤマキャバレー#伊礼彼方#凪七瑠海#平間壮一#成河#村川絵梨#池田亮#福田えり#舞台レポート#香取慎吾
-
女優として開花した初単独舞台に込められたメッセージを辿る 高城れに主演舞台『最高の家出』開幕、三浦直之が描く“逃げる”の先にあるものは
2024.02.06 17:30
ももいろクローバーZの高城れにが主演をつとめる舞台、パルコ・プロデュース 2024『最高の家出』が、2024年2月4日(日)~24日(土)に東京・紀伊國屋ホールにて上演される。2月4日(日)には、初日に先立ち公開ゲネプロと記者会見が行われた。 結婚生活に疑問を感じ、家出をした立花箒(たちばなほうき/高城れに)。道中で無一文になり途方に暮れていたところ、出会った藤沢港(東島京)に「住み込みの働き手を探している劇場がある」と聞き、劇場を訪れる。そこではたった1人の観客のために、7ヵ月間をかけてひとつの物語を上演しており、箒は家出した港の代役を務めるハメになる。港に恋をしていた舞台の主演、<a href="https://bezzy.jp/2024/02/40179/">…
連載&特集
ランキング