共演は生瀬勝久と那須佐代子、三人で繰り広げる濃密な会話劇
赤楚衛二が8年ぶり舞台へ、小川絵梨子演出で“事実”と“真実”の境界線を問う『ファクト』上演決定
2026.09.24 17:00
2026.09.24 17:00
赤楚衛二、生瀬勝久、那須佐代子が出演する舞台『ファクト』が2027年2月から東京・愛知・大阪・福岡にて上演されることが決定した。
翻訳を小田島創志、演出を小川絵梨子が手がける本作の原作は、2012年に出版され話題となったノンフィクション『The Lifespan of a Fact』。2018年にはブロードウェイで舞台化され、映画「ハリー・ポッター」シリーズで知られるダニエル・ラドクリフ、ボビー・カンナヴェイル、チェリー・ジョーンズの三人による会話劇で「fact=事実」と「truth=真実」をめぐる議論が繰り広げられた。
物語の発端は、全米で有名な雑誌に人気作家ジョンから送られてきた一本の記事。16歳の青年の自殺を通してラスベガスのカジノ観光文化を批判したその原稿を、若きインターンのジムがファクトチェックすることになる。しかし検証を始めると、記事には事実と異なる記述が次々と発覚。印刷期限が迫る中、編集長エミリーはジョンとジムの間に立ち、記事を世に出すか否かの最終判断を迫られる。単なる出版業界のファクトチェックをめぐる攻防にとどまらず、文学とジャーナリズム、正確性と表現、事実と真実の境界線はどこにあるのかという問いを、三人の登場人物による知的でユーモアに満ちた議論を通して観客に投げかける作品となっている。
日本版でジムを演じるのは、映像作品で目覚ましい活躍を続ける赤楚衛二。ストレートプレイへの出演は2018年11月の『民衆の敵』以来約8年ぶり、本作では細かな数字や表現の一つひとつまで検証し、事実と異なる記述を決して見過ごそうとしない若きファクトチェッカー役に挑む。そのジムと真っ向から対立するジョン役には、舞台・映像の第一線で長年活躍し、唯一無二の存在感を放つ生瀬勝久。個々の事実の正確さよりも、そこから生まれる感情や物語の「真実」を重視し、文学的な表現を守ろうとする人気作家でエッセイストのジョンを演じる。さらに、この二人の間に立ち、記事を掲載するか否かという最終判断を迫られる雑誌編集長エミリー役には、小川絵梨子の演出作品にも数多く出演してきた那須佐代子。正確性と表現、倫理と作品としての価値の間で揺れながら、ある意味で“読者の視点”を担う人物を演じる。

演出を手がける小川絵梨子は、2018年9月から2026年8月まで新国立劇場演劇部門芸術監督を務め、読売演劇大賞や千田是也賞など数々の賞を受賞してきた実力派。近年は『セールスマンの死』『ピローマン』『検察側の証人』などを手がけ、2026年11月には『ロックンロール』の開幕も控えており、本作では赤楚、生瀬、那須という個性豊かな三人とともに日本版ならではの『ファクト』を創り上げる。
PARCO PRODUCE 2027『ファクト』は、2027年2月7日(日)からPARCO劇場にて東京公演が開幕。28日(日)まで上演後、3月3日(水)から7日(日)まで愛知・御園座、3月10日(水)から15日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月20日(土)から22日(月・祝)まで福岡・J:COM北九州芸術劇場 大ホールで上演される。
コメント一覧
赤楚衛二(ジム・フィンガル役)
この度、舞台「ファクト」に出演させていただくことになりました赤楚衛二と申します。 僕自身、舞台への出演は8年ぶりとなります。 そんな中で今回のお話をいただき、小川絵梨子さん、生瀬勝久さん、那須佐代子さんという偉大な先輩方と会話劇を創り上げていけることを嬉しく思うと同時に、身が引き締まる思いです。 「ファクト」の本を読んだ時、会話や議論を重ねる中で生まれる、それぞれの価値観や正しさのぶつかり合いにとても惹かれました。 その面白さを皆様にしっかりと届けられるよう、稽古を重ねながら作品を磨き上げていきたいと思います。

生瀬勝久(ジョン・ダガタ役)
アメリカを舞台にした作品ということで、日本人である私がどのようにこの役を演じるのか、少し緊張しています。ただ、これまでにも海外作品に携わってきましたので、日本のお客様にも自然に楽しんでいただける作品にできればと思っています。赤楚さんとは今回が初共演。とても真面目な方だと伺っているので、どんな関係を築いていけるのか楽しみにしています。そして那須さんとは、久しぶりの共演になります。小川絵梨子さんの演出のもと、どんな作品が生まれるのか、今から楽しみです。ご覧になる方に楽しんでいただけるよう、精一杯頑張って皆で創ります。期待していてください。
那須佐代子(エミリー・ペンローズ役)
最初に台本を読んだ時、テンポの良さや洒落た会話に惹きつけられ、あっという間に読み終わりました。きっと観てくださるお客様にもそう感じてもらえる芝居なのではないかと思います。また、出演するにあたり大変嬉しく有難く感じているのと同時に、三人芝居ですので、一人一人に高い密度が必要になるぞ、と少し恐ろしいような気持ちもしています。昨今「ファクトチェック」という言葉をよく聞くようになりました。伝えることにおいて「事実」の正確さは勿論大切ですが、果たしてどこまで追求されるべきなのか、という問題を、このお芝居の中でお客様と一緒に考えていけたらいいなと思っています。
小川絵梨子(演出)
舞台は、ある雑誌社。ルポを書いたライターと、そのファクトチェックに携わる雑誌社のインターン、そして編集長が織りなす物語です。「ファクトとは何か」を問いかけながら、ブラックコメディとしての面白さも併せ持つ作品です。素敵なキャスト、スタッフの皆様とご一緒できることを、大変嬉しく思います。ぜひ劇場に足をお運びいただけましたら幸いです。
