俳優としての幸せを噛み締めて憧れの松尾スズキ作品に臨む
「まだまだだと思うことすら楽しい」咲妃みゆを満たす感謝、過去の自分に贈りたい言葉とは
2026.01.16 18:30
2026.01.16 18:30
無理をしたことを反省はしてるけど、後悔はしていない
──ケアという言葉が出ましたが、この『クワイエットルームにようこそ』はまさにメンタルヘルスにまつわるお話です。咲妃さんもこれまでのキャリアの中で、つい気を張って自分を追いつめすぎた時期というのはありましたか。
ありましたとも(笑)。宝塚時代のお話をさせていただきますと、トップ娘役という大変ありがたい立場を担わせていただきまして。当時を今の自分が振り返ると、もっと周りを頼ったらよかったのにと思うところはありますね。

──なかなか渦中にいるときは、それができないんですよね。
そう思います。特に宝塚の生徒さんは責任感の強い方ばかり。自分の課題は自分で克服していくものだと先輩方の背中を見て下級生の頃から学んできました。ですから、私もそうありたいと肩に力が入ってしまったんですね。でも、人それぞれのキャパがあって、あの頃は私のキャパを遥かに超える仕事量だった。にもかかわらず、できるんだと無理に自分に言い聞かせ続けた結果、声が出なくなったことがありました。
後になって思えば、そうなる前から周りの人たちは温かい言葉をかけてくださっていたんです。でも私はなかなかそうした声を聞き入れることができませんでした。その点に関して反省はありますが、なんと言いますか、後悔はしていないです。
──だって、そのときの自分が精一杯頑張っていたんですもんね。
そうですね。私の全細胞ができる限りのことをしてくれていたと思います。ああ、思い出すと、ちょっと泣きそうなんですけど(笑)。
だから、そんな私が言えることは、世の中にはストレスを解消してくれるものがいっぱいあります。でも、最終的にそれを選んで実行するかは自分次第。自分で自分のことを労ってあげる心がないと、それらを実行することもできません。だから、心が疲れたときほど、まずは自分を大切にしてあげることがいちばんのお薬なんじゃないかと思います。って、気づくのが遅いですけど(笑)。

──そんなことはないです。経験を重ねて気づくことはいっぱいありますし、逆にそういう自分がいたからこそ、今の自分はもう無茶な戦い方はしないぞと思えたりするわけですから。
本当にそうですね。やっとあのときの自分に対して頑張ったなと思えるようになってきたので、そう考えると年齢を重ねてきたんだなと思います。
──今、咲妃さんはどうやって自分を労ってあげていますか。
気心の知れた仲間とおいしく楽しく食事するのがいちばんです。あとはドライブ。車を走らせて、豊かな自然の中で思い切り深呼吸することが、私のストレス解消になっています。
──最近、何か心がとろけるほどおいしいものは食べましたか。
ふぐ料理の専門店に行きました。ふぐをいただくのなんて、随分とお久しぶり。こんなにおいしいんだ!って感動しました。一つ一つのお料理を、私があまりにゆっくり味わっていただくものですから、なかなかコースが進まなくて、お困りだったと思います(笑)。

スタイリスト:國本幸江



