2025.12.25 18:00
2025.12.25 18:00
自己満で終わったら音楽に失礼になっちゃう
──生きていればどっちかって言ったら悲しいことや辛いことが多いじゃないですか。孤独を感じる瞬間も絶対にあるし、それを一切感じない人っていないと思うんです。だからそこにフォーカスするっていうのはポップソングとして正しいし、だからこそ世の中には悲しい歌とか切ない歌がたくさんあるわけですけど、Rol3ertの音楽はそこで終わらせないところにすごく強い意志と意味を感じるんですよね。
ただ、そこも今探ってる最中ではあると思います。本当に自分が何を言いたいのかっていう。今は自然と出てくるものをアウトプットしてるんで、自分の中ではしっくりくるんですけど、もしかしたら孤独を嘆いていたほうが、他の人ももしかしたら共感できるかもしれないし。そこをすごい研究してる最中ですね。

──他の人に届く、刺さるみたいなことって、Rol3ertが音楽を作る上でどれくらい重要ですか?
いや、いちばん重要かもしれない。自己満で終わってもそれはそれで正解だと思うけど、俺の場合は、孤独感を救ってくれたのが音楽だったので、それが自分の中で終わっちゃったら音楽に失礼っていうか、恩を仇で返しているような気分になっちゃうんで、自分が消化できているように他の人もできるようにしないと意味がないかなって思っちゃうんですよね。
──その部分での実感はある?
この前、大阪でワンマンを初めてやったんですけど、その時は自分が歌っていることが、歌詞の内容だけじゃない、感情的なところで伝わってくれたなと思いました。人によって思い浮かべることは違うと思うんですけど、それぞれで消化してくれている部分があったと思う。俺が伝えたい潜在的な部分が伝わってるっていうのがわかったのは、自信につながりました。
──Rol3ertの歌詞は英語で、もしかしたら日本のリスナーにとってはパッと意味を理解できるものではないのかもしれないけど、そのぶん自分を重ねる余白が大きいというか、まさに感情的なところで繋がれる可能性があるのかなというのは思いますよね。
確かに。それ、考えたこともなかったです。俺は洋楽がすごい好きでJ-POPはあまり聴いてこなかったので、自分が歌詞を書く時に英語の方が自分に素直になれるんですよ。逆に日本語で書くと嘘言ってるみたいになっちゃう。だから英語で歌う方が、その素直さが伝わって、それがいろいろな人にちゃんと繋がってくれると思うんです。
──英語の方が正直に書けるっていうのはおもしろいですね。
日本語だと本当に難しいです。時間がかかっちゃうというか、恥ずかしいわけではないんですよ。邦楽を歌うのも好きだし。ただ、言ってる内容が合わないっていうか、自分がどんなことをこのパートで歌ったら響くんだろうっていうのが掴みづらいんですよね。そこも勉強中という感じですね。
──ある意味ではダイレクトに届けるために英語っていう言語を選んでるっていうのもあるってことですね。
ありますね。
──わかりました。来年2月にはワンマンライブ「katachi」が渋谷WWWXで行われます。どんなライブにしたいですか?
バンドでのライブになるんですけど、今までバンドでは3回くらいしかやったことなくて、それがどういう形になるかはイメージがあまりつかないんですけど……初めてライブを観に来てくれるっていう人も多いなかで、「こういう音楽やってます」っていう「紹介」の回になると思います。この1年、いろいろなことを吸収して成長させてもらったので、それがどう繋がっているかっていうのを見せるライブにしたいですね。

──「katachi」というタイトルはどういう意味合いなんですか?
これは、今年の7月に「3mpty(エンプティ)」っていう弾き語りのワンマンライブをやったんですけど、その時はなぜ「エンプティ」にしたかというと、まだ始めて半年ちょっとしか経ってなかったので、その空っぽの状態が素のRol3ertですっていうことだったんです。その空っぽの箱に経験や知識を入れていって、最終的な「katachi」を見せるライブにしたいなと。空っぽから形になったっていう第一段階ということですね。
──その先で、Rol3ertとしてやりたいことは?
具体的なもので言うと、まずアジアのフェスに行きたいですね。アメリカのフェスももちろんなんですけど、海外の刺激って絶対日本と違うと思うので、それを生で感じたい。あと具体的な目標としてはアルバムを出せるようになりたいですね。もっと抽象的な目標で言うと……さっきも言ったように、自分のやりたいことをしっかり表現して、自分の書きたい言葉を自分で分かりながら歌うようになりたい。Rol3ertがどんな音楽をやっているのかっていうのを、しっかり確立したいと思っています。






