ドキュメンタリー映画で顕在化された規格外バンドの凄さとは
「あと25年はフルスイングできる」TAKUYA∞が誇る、UVERworldの“一番の武器”
2025.12.15 18:00
2025.12.15 18:00
才能やスキルより強い武器を手に入れられた
──他にも、ライブシーンで印象的だったのが「Bye-Bye to you」の曲前MCです。「意識はもちろん、食事や生活習慣全てで、UVERworldを好きでいてくれる皆と自分自身を裏切らないように、そこから目を逸らさないと決めた」という宣言ともとれる発言がありました。TAKUYA∞さんがそこまでストイックでいられる原動力は何なのでしょう。
僕もまだまだ色んな可能性があると思うんです。職業を変えることもできるし、色んな国に住んだりしてそこの人たちと出会いながら働くこともきっとできる。でも僕がUVERworldに対して「もうこれしかない」って思えたのは、1人ひとりにお礼を言いたいって思うぐらいに「UVERworldが全てだ」って言って愛してくれている人たちがいるからで。やりがいを感じられるし、それがやっぱり原動力だと思います。
──ちなみにTAKUYA∞さん自身は、どんな映画がお好きなんですか?
映画も小説も好きなんですけど、映画だと『インターステラー』。『メッセージ』『ソウルフル・ワールド』……ディズニー系とかも結構好きですね、やっぱり。ピクサーとか。2時間なり、そこらで完全に刺してくるところがさすがだなぁと思いますね。
──ピクサーの『インサイド・ヘッド』なんかはまさに“EPIPHANY”の話だったよなぁなんて、今TAKUYA∞さんの話を聞いて思いました。
好きな映画は数え切れなくて、『エクス・マキナ』とか、ちょっとSFチックっていうか未来の話が好きかもしれないです。20年くらい前だと『アルマゲドン』とか、ああいうものから始まり、ちょっと愛情とかが入ってくると心に残りますね。『スワロウテイル』も心に残っていて、CHARAさんが歌うシーンがあるんですけど、あれを観てなんか声の素敵さっていうか、機材とか揃えてとにかく良いものでやろうとするのがちょっとバカバカしく思える、そこじゃないものを教えてくれました。

──まさに機材の話なんですけど、自分が映画全体でめちゃくちゃ刺さったのがドームに初期の機材を連れてきたっていうところで。
あれは、実家に帰った時に本当に何気なく持ってきたんです。自分がボーカルを始めた時に買ったマイクが転がっていて、「まだこれ使えるのかな」くらいのレベルで。真太郎はお父さんのドラムを借りて文化祭に出ていたりとかもしていたんで、メンバーに「もしあったら」って話をしたら皆それぞれで持ち寄ってきて。リハでやってる時はなんとも思わなかったんですけど、あのMCをしてる最中に皆のときめき感みたいなものが伝わってきて、「すごいドラマチックなことになったなぁ」と思いました。それこそ機材なんてもうビギナーが持つような物で、それを使って同じようにファンの皆に届いてるっていうのはロマンチックだなぁと思いましたね。
──昔の機材をドームで鳴らすとなると、機材周りは大変でしたか?
そうですね。安定したローが出ないとか、歌も最新の良い状態のマイクと比べると「やっぱりちょっと難しいな」とスタッフに言われたんですけど。まあそういうことではないと思ったので。良い・悪いっていうのなんてそもそも無いようなもんじゃないですか。同じ曲でもレコードの音が良いっていう人もいれば、最新機材の安定した音が良いっていう人もいるし。東京ドームでは“味”を狙って決行した感じです。

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──25年、地元の仲間と一度もメンバーが脱退することなくやれたバンドだからこその重みと凄みが伝わる瞬間でした。本作を機に新たに「UVERworldってこんなすげえバンドなんだ」と思う人や、「俺らも仲間とバンドやろうかな」みたいに思う人もいらっしゃると思うんです。そういったUVERworldの未来の子供たちに対してメッセージ、アドバイスをいただけますか。
“テクニックより人間性を選べ”に尽きますね。UVERworldは、僕以外のメンバーが本当に性格良くて、一番の武器だなと思っています。25年続けようと思ったら、それぞれ皆才能とかスキルが必要だと思うんですけど、それよりも強い武器、絆っていうものを手に入れられたので。ぜひこれからバンド始めようと思うんだったら、上手いやつより好きな奴、一緒にいたい奴を選べと伝えたいです。





