『アズワン/AS ONE』声優2人による初対面直後の初対談
白岩瑠姫&白石晴香が語る信頼と運命の相関性 巡るチャンスを掴むためにあるべき心がけとは
2025.08.28 19:00
2025.08.28 19:00
白岩瑠姫(JO1)が声優に初挑戦し、主題歌も書き下ろしたSFアニメ映画『アズワン/AS ONE』が公開された。「歌」がキーアイテムとなる本作で白岩に白羽の矢が立ったのは、彼が過去に発表したソロ曲「ひまわり」を制作陣が目にしたことがきっかけだったという。
白岩演じる主人公・ヨウは、白石晴香演じる異星に住むヒロイン・ラコと意識下で出会い、お互いを助け合いながらそれぞれの運命を切り開いていく。そしてヨウとラコを演じた二人も、現場で会うことなくお互いの声だけを頼りにアフレコに臨んでいたとのことで──。
メンバーには僕のスケジュールでバレました
──なんと、このBezzyの取材がお二人の初対面だそうですね。
白石 そうなんですよ。
──ではまず、初対面の印象を教えてください。
白岩 まだお会いして、5分しか経ってないのに(笑)。

──今まで声だけはたくさん聞いてきた仲じゃないですか。
白岩 そうですね。アフレコの時はずっとラコちゃんの声を聞いて圧倒されていましたが、こうして実際に白石さんにお会いして普段の喋り声を聞いても、やっぱり声がいい!
白石 それは、声優冥利につきますね(笑)。白岩さんの印象は……、オーラがすごい。完全に圧倒されました。ヨウくんは自分の感情を内に込めがちな子だから、ヨウを演じている声の印象もおとなしくて何かを抱えている感じだったのに、白岩さんご自身はキラキラしていて、「なんだ、この造形は!」とご本人を見て驚きました。
──今回、白岩さんは声優初挑戦となりましたが、声優キャリア14年の白石さんから見た白岩さんの声優ぶりはいかがでしたか。
白岩 えっ、それ語らせちゃダメですよ!
白石 いやいやいや(笑)。ヨウくんは、すごく難しい役どころだと思うんです。夢を抱えて悩みながら、ラコと出会ったことによって自分の内側と向き合って、徐々に変わっていく……。その心持ちが、声ですごくよく表現されていました。それに、何と言っても歌声ですよ!この作品は、ヨウくんの歌声によって救われるところがあるから、白岩さんの歌があってこそ印象に残るシーンが作れたし、作品がより一層素敵なものになったと感じます。
白岩 いや~、褒められすぎて恥ずかしいですね。白石さんこそ、上手すぎて(笑)。僕は最後の方にアフレコをしたので、ほとんどのキャラクターの声が入っている状態だったんです。ラコちゃんの声もすでに入っていたのですが、家でテレビを観ている気分で観入っちゃって、自分のセリフを何度も飛ばしてしまいました(笑)。ヨウはラコちゃんと一緒のシーンが多かったのですが、その場にいなくても白石さんの声にリードしていただいた感覚です。本当に助かりました。
──JO1には河野純喜さん、木全翔也さん、大平祥生さんら声優経験者がいますが、アドバイスなどもらいましたか。
白岩 いや、実は『アズワン/AS ONE』が決まったことをメンバーに言ってなかったんです(笑)。びっくりさせたいというサプライズ的な要素もあったけれど、ワールドツアーがあったりスケジュールが立て込んでいて、みんなバタバタしていて大変な時期だったのでグループに負担をかけたくなくて。でも、僕のスケジュールにアフレコとかレコーディングとか書かれていたので、バレてました。
──「何かやってるな」って?
白岩 そうそう。それで、「何してるの?」と聞かれて、『アズワン/AS ONE』が決まったことを話しました。アニメ好きなメンバーが多いから「うわ、すげっ!」と喜んでくれました。
──白岩さん演じる地球の高校生・ヨウと、白石さん演じる宇宙に浮かぶ「巡星(めぐりぼし)」のロボット整備士・ラコが時空を超えて意識下で出会ったことで物語が進んでいきます。ご自身が演じられたキャラクターをどのように捉えているのか教えてください。
白岩 ヨウは、高校生。バンドをやっていて、ミュージシャンへの夢と大学進学で板挟みになっています。僕も高校生の時にバンドをやっていて、そのころに作った「ひまわり」という楽曲を制作スタッフの方が見てくださったことがきっかけで『アズワン/AS ONE』出演のオファーをいただき、作中の楽曲も作らせていただくことになったので、ヨウと重なる部分が多いんですよ。だからヨウを見ると、昔の自分を見ているようで……。でも、僕はヨウのように弱気で自信がないタイプではなかったので、そこは演じる上で難しかったですね。
──白岩少年は、強気だった?
白岩 はい。根拠のない自信だけは常に持っていました。
──白石さんが演じられた、ラコはどうでしょう。
白石 ラコはすごく思いがまっすぐな子。「みんなを救いたい」という熱い気持ちと、彼女自身の強さが前面に出たシーンから物語が始まっていきます。私も声のお仕事をさせていただくにあたり、「お芝居を通して誰かを救うことができたら、笑顔にできたら」という思いを常に抱いているので、通じるところがありました。それにラコは、初めて会ったヨウくんと心の距離がすぐに縮まるくらいコミュニケーション能力が高い子だし、人のことを信じられる強さもある。私も人と話すことが好きなので、すぐに人と仲良くなれるところは近い気がします。

──監督から役柄について言われて印象に残っていることはありますか。
白岩 僕は事前に役柄についてディスカッションをするというより、本番でアドバイスをいただきながら一緒にヨウを作っていった感じでした。皆さんの声が入っていた状態だったので、それに必死に付いていって、その場で監督に言われたことをめちゃくちゃメモして。そんなアフレコでした。
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