MOMONAの地元凱旋も叶ったKアリーナ2日目をレポート
「これからもたくさん宝物の思い出を」ME:Iが初アリーナツアー神奈川公演で宣言した“一緒の未来”
2025.08.22 20:00
「2025 ME:I 1ST ARENA LIVE TOUR “THIS IS ME:I”」2025年8月17日(日)Kアリーナ公演より ©︎LAPONE GIRLS
2025.08.22 20:00
待望のアルバム曲披露に加えビッグゲストも
この日は、AYANEが中央ステージで往復しながらウェーブを牽引したりと、ME:Iとのライブでの絆深める振り付けの指南も多々見られた。「折り返し、行きますよー!」とステージをぐるりと回り「思いっきり盛りあがっていきましょう!」とスタートした「Hi-Five -Punk Arrange Ver.-」では、空気もガラリと一変。SHIZUKUが「お前ら叫べー!」とギアを上げると、髪を振り乱し激しいヘッドバンキングするメンバー。マイクスタンドを持ったままクールにフォーメーションを入れ替えたりと、見どころ万歳。MIUのロングトーンも大きく響き、MOMONAがくるりとステージ上で回転、RINONとハイタッチする姿といった弾むステージから、最後は一列に並んでポーズをきめた。
熱量もマックス、全身で悦楽するメンバーの姿が印象的だったナンバーから続いた「キラキラ」では、机と椅子を並べた教室のようなステージセットリストで、ME:Iのキュートな世界へ誘い出す。SUZUがライブの度に違ったパフォーマンスを考える黒板を使ったパートでは、YOU:MEとSUZUの相合傘を描いたり(実際には上手くSUZUと書けなかったとMCで報告)、RIONが可愛らしい赤いハートをほっぺたにつけた姿がカメラに抜かれるなど、ひときわ可愛らしい姿と歌声を見せた。この楽曲ではカメラを覗き込んだりステージを存分に楽しみながら、自身の魅力を最大限に引き出したME:Iだったが、その後モノトーンルックに着替え再登場すると、スマートな都会的な映像から新曲「Royal Energy -Extended Ver.-」でまた違った一面を見せた。日々の鍛錬の成果とも言える激しいダンスを後半戦まで乱すことなく披露するメンバーのポテンシャルの高さには脱帽するが、今回のツアーならではの新たなバージョンで届けられたステージは非常に魅力的だった。

ツアー本編は、待ちに待った最新アルバムのタイトル曲「THIS IS ME:I」で締めくくられた。楽曲披露の前のMCでは、下半身を時計の長針、上半身を短針に見立て、約90°に体を反らせる高難易度の高い“9時半ダンス”を披露する場面があったが、MOMONAが体操のブリッジのように身体を使うと“6時半”に到達する勢いで、後ろにいたSUZUは大爆笑していた。ライブとMCのギャップも楽しめたツアーとなったが、不安を脱ぎ捨て、〈”私”でありたいの〉と力強く表明する歌には、最後の最後まで釘付けになった。そしてアンコールではテレビ『ポケットモンスター』(東京系アニメ番組)のエンディング曲「Ready Go」にキャプテンピカチュウがサプライズ登場し、お祭り騒ぎに。息がばっちりの連なるフォーメーションを見せ、滅多に見ることができないコラボレーションでフィナーレを飾った。

最後のMCで、SHIZUKUは「ツアーを通して、私は凄くアイドルという職業ってなんて幸せなんだろうと感じてて」と話し始めると、「たくさんのアーティストがいる世の中で、こうして私たちを見つけてくれて応援してくれる方に感謝の気持ちでいっぱいです。これからME:Iと作っていく未来を後悔させないので、たくさんの思い出、宝物を一緒に作っていきたい。ツアーを最後まで駆け抜けてくれたら嬉しい」と、ツアーの後半戦に向けて気持ちを新たにした。また「今回の公演でふと幸せに思った瞬間があった」とエピソードを話しはじめたRINONは、「私が勝手にかけ声を発信してしまったことが公式になって。そのかけ声を今日、来る前に歩いていたら歌ってる子がいたんですよ。“可愛い”と思って、“私よりかけ声を楽しんでるやんけ!”って楽しかった」と笑顔を見せた。SUZUは「2日目、凄く早かったんですけど、ライブをしながらライブの醍醐味がたくさんあって」とその場で生まれるサプライズを振り返り、「皆さんの日常の中にもME:Iの楽曲がそばにいてくれたらなと思います。ME:Iを愛してください!」と気持ちを語った。
ライブを通して衝撃を受けた経験のあるメンバーも次々と自身の思いを口にする。MIUは「キッズにも良い影響を与えたい」と話し、COCONAは「Kアリの舞台は、私も凄い目標にしていたので、YOU:MEには感謝の気持ちでいっぱいです。またこの舞台に帰って来れるように頑張るので、応援よろしくお願いします!」とパワーアップして帰ってくることを約束。「尋常じゃなく、緊張したんですよ!」と興奮気味のAYANEは「実はKアリーナ個人的に憧れの人が立った地でもあり、当時は5レベルで見て、この距離で熱いパフォーマンスができるんだって胸を打たれて、改めて音楽に真剣になりたいなと思った瞬間だった。私たちもどこにいても鳥肌が立つようなパフォーマンスを届けられるように毎回頑張ることを今ここにいる皆さんに約束します」と宣言した。

神奈川が地元のMOMONAは、これまで支えてくれている家族や友人たちが観に来ていることを明かし「今日という日に至るまで、私の選択や挑戦を信じてくれて、ありがとうございます。その気持ちが私自身の力になって、大きな壁を感じる時も、これまでの道を恥じることはなかったです」と感謝し、「デビュー前のコンサートで、“ME:Iのライブはジェンダーだったり、年齢だったり、ライフステージは関係なく、ありのままの大好きな自分でいられる空間でありたい”と言葉にしたんですけど、その時から一年後の自分は想像できなかったけど、ツアーを迎えて改めてそれを強く思いました。この空間が、なりたい自分になれる。そんな空間になれば良いなと思います。地元神奈川で感慨深いステージだった。明日からも一緒に幸せになりましょう!」と締め括った。
ラストは「一(イー)」「二(アー)」「三(サン)」という中国語のカウントから披露されたラストナンバー「&ME(YOU:ME Ver.)」で“YOU&ME”のかけ声を“YOU:ME”にアレンジ。大きく響く大合唱で、大団円に包まれたKアリーナ。デビューからME:Iを支えたYOU:MEの由来であり、グループのアイデンティティでもある“YOU&ME”の概念から、さらに“私たちは共同体”という想いが込められた最新アルバムを通し、彼女たちはますます輝いていくことだろう。その姿が、YOU:MEの心を動かし、絆を深め、さらに関係性を進化させてゆく。このツアーで彼女たちはまたひとつ階段を登り、スター性をより大きくしていくだろう。
