2025.08.12 18:30
2025.08.12 18:30
新世代のクールビューティーとして存在感を高める茅島みずき。8月1日よりFODでスタートした主演ドラマ『エリカ』では、戦慄の“女子高生ストーカー”閉野恵里佳を演じた。担任の青嶋に執着するあまりモンスター化していく暴走ヒロインを、従来のイメージを覆すような怪演で魅せている。
一方、茅島自身は人に甘えたり弱いところを見せるのが苦手だと言う。クールというより、むしろ気遣い屋。素顔の彼女は、考えなくてもいいところまで考えて神経をすり減らしてしまうような、不器用で、人間らしい21歳だった。

人見知りだけど仲良くなると距離が近い
──めっちゃ髪を短くされたんですね。
はい、切りました。たぶん人生史上最高に短いと思います。
──とっても素敵です!
本当は切りたくなかったんです。小学生のときに一度短くしたことがあって。それが似合ってなくて、親戚からも「やめたほうがいいよ」と言われて。以来ずっとロングだったんですけど、役の関係で切ることになったら、とても評判がいいし、自分でも気に入っているので、今は満足です(笑)。
──では主演ドラマ『エリカ』のお話を聞いていきます。なかなか強烈な役でしたが、オファーを受けたとき尻込みする気持ちはなかったですか。
それは全然なかったですね。とにかく原作が面白かったので。ホラーを見るのは得意ではないんですけど、そんな私でも楽しめるゾッとする怖さがあった。読めば読むほど先の展開が気になって、ぜひチャレンジさせていただきたいと思いました。
──茅島さんがこんな顔をするんだと驚くような表情でいっぱいでした。
まずは原作をリスペクトしたいなと思って、たくさん読み込ませてもらったんですけど、生身の人間がやる以上、原作の絵をそのまま再現しようとしても限界があるというか、リアルさがなくなってしまう。なので原作を大事にしながら、どれくらいの感じが不自然に見えないだろうという表情を自分で研究したり、監督と話しながらつくっていきました。
──特に第1話のラストの表情は絶妙でした。
あそこは私の中でも最初はすごく迷いがあって。ぐちゃぐちゃになっているエリカの感情をどう表現したらいいのかは、本番が始まってからもずっと迷っていました。
──台本のト書きにはなんと書かれていたんですか。
怒るとか泣くとか、そういうことは明確に書かれていなくて。すごく抽象的な内容で、私自身にボールを投げられているような文章だった記憶があります。なので自分で探るしかなくて、あそこは何回もリテイクしましたね。青嶋先生に対する好きという気持ちはあるけど、約束を破られて許せないという怒りもあれば悲しみもあって呆れもある。感情が一つではないんです。
段取りのときは、もっと全然違う表情だったんですよ。確か全然笑ってなかったんじゃないかな。それに対して監督から「一生懸命笑おうとして笑えないとか、もっといろんな感情を混ぜてやってほしい」と言われて。なので、とにかく一つの感情にフォーカスしないように気をつけながら演じていました。

──第2話のラストでは、さらに強烈なシーンがあります。あのテンションをつくっていくのも相当大変だろうなと思いました。
本編ではあそこまでしか使われていないんですけど、撮影ではもっとずっと殴っていたんですよ。監督が永遠に止めてくれないから、どんどん疲れてきちゃって。監督はそれがリアルで良かったみたいで、オッケーが出るまでただひたすら殴り続けていました(笑)。
──はたから見ると、エリカは相当ヤバい人です。もし茅島さんが先生だとして、エリカみたいな生徒がいたらどうしますか。
え、嫌です(笑)。どうしよう……。自分が先生なんですよね。だとしたら私は声をかけないです。
──でも、あんないかにもワケありなオーラを出してくるんですよ。
なおさら声をかけないです。ほっときますね(笑)。どこに逃げてもついてきますからね、エリカは。授業中にあんな何件も連絡が来たら頭がおかしくなっちゃいそうなので、最初から関わらないようにします(笑)。

──ご自身はどうですか。人と距離を縮めるのが得意なタイプか、わりとパーソナルスペースは広いほうか。
私、結構人見知りなんです。というか、年々人見知りが増していて。なので縮めるスピードは遅いですけど、仲良くなるとすごく距離が近いタイプだと思います。
──10代の頃のインタビューでは、よく人見知りしないとおっしゃっていましたよね。
そうなんです。10代のときはがむしゃらというか、何も見えていなかったから、どの現場でもポンッと飛び込んでいけて。先輩に対しても、ちょっと話しかけてみようみたいなことを普通にやっていました。でも、いろいろ知っていくうちに、もしかしたら今は役づくりの最中で一人になりたいかもしれないとか考えるようになって、いつ声をかけていいかわからなくなっちゃったんですね。結果、じゃあもう静かにしておこうと思うようになりました。本当は治したい部分なんですけど。
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