映画化された『おっパン』での好演も話題の18歳の素顔
「観てくれる人の支えになれる俳優に」城桧吏が抱く大志と変わらない少年心
2025.07.14 18:00
2025.07.14 18:00
『万引き家族』の脚光から7年。城桧吏は繊細さと憂いを備えながらも凛々しく爽やかに成長した。
この春、高校を卒業。また一歩大人の階段を登った城桧吏が、『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』に挑んだ。LGBTQ+、推し活、二次元カルチャー、男性のメイクなど、様々な切り口から旧来的な価値観を打ち破り、新時代の常識を提言した人気ドラマが映画版となってカムバック。城は、メイクや可愛いものが大好きな高校生・翔を再び演じている。
ちょっと内気なところはあるけれど、優しくて、人とまっすぐ向き合える翔がハマり役だった城。その素顔は、私たちがイメージするよりずっとよく喋り、よく笑う、面白いことが大好きな18歳だった。

翔のいいところが映画にはたくさん出ている
──連ドラが始まったばかりの頃は引きこもりだった翔も、すっかり頼もしく成長しましたね。
僕も台本を読んで、ここまで変わるんだって驚きました。きっとこの映画までの間に台本では描かれていないことがたくさんあって。そこで彼がどれくらい成長したのかを考えつつ、でも翔の持っている繊細さは残しながら演じたいなと思いました。
──翔がいちばん変わった部分はどこだと思いましたか。
ずっと支えられる側だったのが、今度は支える側になる。そこがいちばん大きいのかなと。僕の中で、映画の翔のイメージは大地さん(中島颯太)なんです。翔が出てきたら、観ている人がほっと安心するような、そういう存在になれたらいいなと監督と相談しながら方向性を決めていきました。
──退部した野球部のピンチを助けるために、翔が再入部する。そこに彼の強さと優しさを感じました。
誰とでも分け隔てなく接することができる芯の強さだったり、みんなのことをちゃんと気にかけている優しさだったり、翔のいいところが今回の映画にはたくさん出ていると思います。
──特に野球部の長谷川くんとの友情は、すごくほっこりします。
長谷川くんとの関わりは今回の映画の肝となるところなので、僕も大事にしたいなと思いました。今回、長谷川くんが翔の前で涙を流すシーンがあって、あそこは画がすごく綺麗で、二人の関係も素敵で、今回の映画の中でも特に好きなシーンの一つです。

──『おっパン』は心に響くメッセージがたくさんつまった作品です。城さん自身も『おっパン』に出会って価値観が変わった部分はありますか。
そこで言うと、僕はもともと相手の価値観とか考えにわりと合わせられるタイプで。だから、自分が変わったというよりも、この考えはわかるなって共感したり、こういう考えもやっぱりいいんだよなって再認識できた部分のほうが大きいです。
──じゃあ、お姉ちゃんの趣味に全力な感じとか、オタクの人たちのコミュニティももともと想像できていた感じですか。
そうですね。いとこがアニメが大好きで、「このキャラクター、カッコよくない?」みたいな話を昔から聞かされていましたし、その影響で僕もアニメにハマったりしていたので、すごく身近な感じでした。
──コミケにも興味があったり?
すごい楽しそうですよね。みんな好きなものに対しての熱があって、いい空間だなと思います。
──城さん自身はどうですか。そういう好きのエネルギーは強いタイプですか。
ゲームが好きで、やりはじめたら止まらないくらいやっちゃうんですけど、一点に集中しすぎると戻れなくなっちゃいそうだなという危機感が働いて、自主規制もするタイプです(笑)。

──ゲーム、何時間くらいぶっ通しでできますか。
結構できると思います。朝起きて夜までゲームとか、たぶんできます。コロナ期間のときに気づいたんです、あ、これずっと家だし、だったら夜中まで起きられるじゃんって。でも、生活が狂うレベルでずっとゲームをしそうになるので、ちゃんとこれは自分で引き返すことを覚えないといけないなと思いました。
──じゃあ今は大体どれくらいプレイしたら、そろそろやめなきゃってブレーキが働きますか。
3時間くらいですね。僕、ゲームを始めるのがいつも深夜なんですよ。夜の12時くらいからやりはじめて、気づいたら3時とかになってる。で、やばい、そろそろ寝なきゃと思って強制終了するようにしています。
──どんなゲームをするんですか。
FPS系(キャラクターの視点で操作するシューティングゲームのこと)や、ケータイゲームもします。
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