2025.05.22 17:30
2025.05.22 17:30
乃木坂46のグループ生誕記念ライブ、通称「バスラ」。その13回目となる「乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE」が5月17日、18日に開催された。今回の会場となったのは味の素スタジアム。2日間で11万人の動員を記録し、パフォーマンス楽曲総数は107曲となった。ここでは2日目の様子をお届けしていく。

毎年そのセットリストに様々な趣向が凝らされることでお馴染みとなっている「バスラ」だが、昨年のさいたまスーパーアリーナ4日間では初日に2011〜2014年までのリリース楽曲、2日目に2015年〜2017年までのリリース楽曲といった具合に自身のリリース楽曲を3年ずつ区切ってパフォーマンスすることで過去から現在への移り変わりを表現していたが、さて、今年はどんな驚きと感動を届けてくれるのか。

巨大なプレゼントボックスがそこかしこに積み上げられているステージを前にして開演を今か今かと待ち侘びるのは見切れ席まで超満員の大観衆。中西アルノによる影アナを経ての「OVERTURE」でバスラは開幕だ。のっけからオーディエンスは凄まじいコールでグループの13周年をお祝い。
メンバーの登場は意表をつくものだった。アリーナ最後方に設置されたバックステージの風船からは3期生でキャプテンの梅澤美波と同じく3期生の久保史緒里、続いて客席スタンド内からもメンバーが次々に登場し、グループ、そしてオーディエンスへの感謝とライブへの意気込みを口にする。
メインステージ中央から中西が登場したところで披露された1曲目は「太陽ノック」。野外の開放感にうってつけの爽やかな滑り出しからグループは「走れ!Bicycle」「君に叱られた」「チートデイ」「ジコチューで行こう!」までシングル表題曲を続け様にパフォーマンス。「走れ!Bicycle」のモニターでは1サビ直前の“南風”の歌詞でしっかり梅澤が映っていたり(“みなみ”繋がり)、「君に叱られた」では賀喜遥香と柴田柚菜がイントロでキュートな小競り合いを繰り広げていたりと、序盤からもう見どころだらけだ。最新シングル表題曲の「ネーブルオレンジ」では儚さと郷愁が入り混じる片想いの心情をダブルセンターである井上和と中西を中心にしっとりとパフォーマンス。“君が住んでいると聞かされた 街を一目見たかっただけだ 片想いネーブルオレンジ”という曲ラストの歌詞を場内に吹き抜ける風が切なく演出してくれていた。


そして、やはり今回もグループはバスラに向けての大ネタをしっかりと仕込んでくれていた。続いて披露されたのは今回の目玉企画「46分ノンストップメドレー」だ。しかもなんと初日とは全く異なる内容のメドレーとなっていた模様で、モニター上方に46分のタイマーがセットされると2日目はセカンドシングル表題曲「おいでシャンプー」からのスタート。曲ラストには「ねえねえ、いいにおいする?」の台詞が追加されており、味スタの大観衆を華麗に可憐にノックアウトさせる。シンコペーションのリズムと哀愁のメロディで駆け抜ける「バレッタ」では曲調に合わせてモニターにセピア色のフィルターがかけられたり、「孤独兄弟」では遠藤さくらと賀喜が革ジャン姿でペアダンスをきめたり、「夏のFree & Easy」では手持ちカメラを手にしたメンバーがスタンド席に登場し悪戯っぽくオーディエンスに向かって水鉄砲を噴射したりと各曲それぞれの演出が盛り沢山。


また、それぞれの楽曲でセンターを務めたメンバーたちのパフォーマンスにも目を見張る瞬間が多々あり、「命は美しい」のAメロ歌い出しの低音部を芯のある声で歌い上げた菅原咲月、「今、話したい誰かがいる」をダンスなしの伸びやかな歌唱のみで聴かせてくれた中西、久保、林瑠奈。「逃げ水」では先日卒コンを終えた与田祐希と特に親交の深い筒井あやめと川﨑桜による新たなダブルセンターが堂々のパフォーマンスを見せ、「Wilderness world」では金川沙耶がしなやかなダンスでオーディエンスを魅了する。


「僕は僕を好きになる」はリリース時のセンター山下美月を推しメンと公言していた一ノ瀬美空がその座を継承(初日の同曲は同じく山下美月を推しメンと公言していた賀喜がセンターを継承してのパフォーマンスであった)。アンダー楽曲ながらライブ屈指のキラーチューンである「錆びたコンパス」では先頃開催の「乃木坂46 38thSGアンダーライブ」で座長を務めた柴田がセンターに立ち、渾身の煽りでオーディエンスを沸かせた。そしてラストとして披露されたのは「歩道橋」。表題曲、カップリング曲が入り乱れる構成ながらその見事な緩急で46分メドレーはあっという間に終了。遠藤のカウントダウンで放たれたカラーテープが味スタの空を彩った。
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