思春期の繊細な感情を描いた短編映画『はるうらら』でW主演
憧れの“大人像”につのる期待 星乃あんな&河村ここあ、現在の役者観は?
2025.05.26 17:30
2025.05.26 17:30
衣装の制服姿で現れた2人には、大人っぽさと初々しさが共存していた。中学校を卒業したばかりの星乃あんなと、高校3年生の河村ここあ。
2人が主演する映画『はるうらら』は、5月16日に公開された外山文治監督による短編作品集『東京予報』の一編。趣味も顔もそっくりな似たもの同士の春と麗。春には幼い頃に離れ離れになった父親がいて、ある日偶然SNSでその姿を見つける。そこで父が営むカフェまで会いに行くことを決意した春は、春が麗に、麗が春になり変わるといういたずらを仕掛けに行く。
7月公開の映画『この夏の星を見る』にも出演が決定している春役の星乃と、6月に映画『青春ゲシュタルト崩壊』の公開を控える麗役の河村。それぞれ雑誌「nicola」と「Seventeen」の人気モデルを務める2人は、今回が初共演となった。
短編映画でありながら、2人の俳優としての資質が強烈に発揮された本作。それぞれが春と麗として過ごした時間は、これからの俳優人生にどんな意味をもたらすのだろうか。

休憩時間も春と麗みたいな距離感でした
──『はるうらら』では「見た目がそっくり」と言われる2人でしたが、春と麗の内面をどのように捉えていましたか?
星乃 脚本を読んでいるときから春を「ほんとに自分と似てるな」と思っていました。さっき外山監督に聞いたのですが、私たちを見てから脚本を書いてくださったみたいで。
──あて書きだったんですね。
星乃 そうですね。さっき知ってとても驚きましたが、凄くやりやすかったです。もともと声を荒げて怒る演技が苦手だったので、感情を出すシーンや怒るシーンはすごく難しかったのですが、監督からもご指導いただいて上手くできました。
河村 私もあて書きだったことをさっき知ったんですけど(笑)、麗は春よりも落ち着いてる感じというか、お話するシーンも相槌多めで他の子よりは一歩引いていて。私も普段のテンションが落ち着いているほうなので、いつも通りの学校生活っぽくできました。途中で春のパパに会ってからは麗が春をリードするようになるので、そういう変化もつけたいなと思っていました。

──劇中では同級生ですが、実際のお2人は2歳違い(河村が2歳年上)ですよね。撮影現場でのお互いの印象はいかがでしたか?
河村 会う前はインスタを見て「大人っぽいな」と思ってたけど、実際に喋ると中学生っぽい可愛らしい一面も見れたり。でも演技の面ではやっぱりすごい先輩だなと思います。
星乃 いやいやそんな。
河村 「さすがだな」って思うシーンもあったり。あまり年齢の差は感じなかったですね。
星乃 私もですね。雑誌の撮影時にも河村さんの話は聞いていたので「へえ、こういう子なんだ」と思いながらインスタ見たりしてました。2個上だから、大人っぽく冷静に物事を考える人なのかなって思ってたんですけど、いざ会ってみたらめちゃくちゃ可愛らしくて(笑)。ほんとに話しやすい雰囲気を作ってくれて。私が大事なシーンの前ですごく緊張してたり不安になっていると「大丈夫、大丈夫」って言ってくれたり。
河村 ははは(笑)。
星乃 「大丈夫大丈夫、こうしよう! これなら大丈夫!」ってたくさん声をかけてくれたので、休憩時間でも春と麗みたいな距離感でした。

──感情をぶつけあう場面もありましたが、演じていて特に感情が動いたシーンはどこでしたか?
星乃 カフェでお父さんに怒りをぶつけるシーンで、すごく感情が動きました。「悔しい」という春の思いと、テストのときに自分の納得いく演技が上手くできなくて「悔しい」という私の思いが重なって、感情がリンクしました。感情を爆発させられて、納得する演技ができました。
河村 私は、橋の上で春とケンカするシーンです。麗はそれまで、あまり気持ちを言葉にすることがなくて、春が言ったことに何でも「うんうん」って話を聞いていたと思うんですけど、お父さんに春のフリをして会いに行ったところは、お父さんに対しての罪悪感もあるし、春と春のお父さんとの間で板挟み状態で。気持ちが焦って「わーどうしよう」となったので、一番心が動いたのはあのシーンでした。
次のページ