日米共同制作ドラマ『HEART ATTACK』で得た手応えとは
寛一郎と三浦透子が認め合う“変わらなさ” 2人がSF作品を通じて現代に差し伸べたもの
2025.05.01 19:00
2025.05.01 19:00
フジテレビと、『インビジブル』や『ウォーキング・デッド』を手がける米・スカイバウンド社が共同制作したFODオリジナルドラマ『HEART ATTACK』が現在配信中。地上波フジテレビでも毎週木曜深夜に放送されている。
とある特殊能力を持ったことで厳しい監視下に置かれ、一般社会から隔離された集落に生きる“ヴァリアント”と呼ばれる者たち。寛一郎演じるウミンと三浦透子演じるエマが出会うことで物語が動き出し、やがて2人が手をつなぐことで発生する力が、大きなうねりとなっていく。
ユニバーサルなスケール感を誇る製作体制のもとにエンターテインメント性の高いディストピアSFの様相で描かれる本作には、いくつものテーマがマーブル模様に絡み合っている。パンデミック以降の世界に現在進行で生きている我々にとっての切迫した問題として、目の前にある分断、マイノリティ差別、監視社会、そして本質的な連帯とは何かを全8話で観る者に問いかける。
主演の寛一郎と三浦透子はどのようなアティチュードで本作と向き合い、表現者として、あるいは現代社会に生きる者として撮影を終えてどのような感触を掴んだのか。2人が真摯に答えてくれた。

昔から友だちだったような感覚があった
──おふたりは同学年であり、同じ事務所にも所属されていますが、作品性やストーリーの内容も含めて今作の濃密な共演を経て、今どのような思いがありますか。
三浦透子 実はこの作品が寛一郎くんとは、初めましてだったんです。もちろん、彼が出演している作品は観ていたんですけど、そこで覚える印象よりもずっと気さくな人でした(笑)。
寛一郎 ありがとうございます(笑)。
三浦 撮影現場で仲よくなっていった過程をあまり思い出せないくらい、自然に打ち解けられた記憶があります。同じ事務所なのでスタッフから話を聞く機会も多かったですし、「あ、初めて会った気がしないな」という感覚がありましたね。逆に、変化がないのが今思えば印象的だったというか。
寛一郎 確かに。それは僕も同じ気持ちですね。
三浦 それくらいどんなシチュエーションでも、誰と対峙していても、彼は変わらないんですよね。
──常にニュートラルというか。
三浦 ニュートラルですね、とても。それが最初から話しやすかった理由のひとつかもしれません。もちろん、今作の撮影を経て関係性は深まっていると思いますが、だからといって何かが大きく変わるわけではないというのが最初から話しやすかった理由だと思います。その“変わらなさ”が私はすごく好きなところでもあって。

──俳優同士の、しかも作品上でバディを組む関係性としては理想的かもしれないですね。
三浦 そう、理想的だと思います。
寛一郎 どうなんですか、逆に言えばあまり深く知れていないってことかもしれないですけど……冗談です(笑)。僕はもともと10代のころから観ていた俳優さんでしたし、素晴らしい役者さんだってことはわかっていました。僕は今の事務所に後から入ったので、まさか共演できる機会がおとずれるとは思っていなかったんです。だから共演が決まったときは本当にうれしかったですね。現場で会ってすぐに「タメじゃん!」ってなって(笑)。タメってなにか特別な感覚があるよね?
三浦 うん、あると思う。

寛一郎 この作品は、世界観をイチから作っていかなきゃいけない内容だったので。透子ちゃんとも「こんにちは」って挨拶をしたあと、開口一番で「ここってこうだよね」って台本の話をしたんです。そこから変に気を遣わず、ナチュラルに作品とそれぞれの人間の部分の話ができたと思います。なんて言うんですかね……うまく説明できないんですが、昔から友だちだったような感覚もありました。
三浦 たしかに。他の共演者も歳が近い子たちが集まっていたのも大きかったと思います。今回が初めてのお芝居だった子もいたのでプライベートの話をする時間も多かった印象があって。そういうのも距離がすぐに縮まった理由としてあるかもしれないですね。
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