脅威の新人・鈴木唯の繊細な演技に心奪われる予告解禁
石田ひかり、河合優実ら出演の早川千絵監督最新作『ルノワール』がカンヌ出品決定 6月20日公開へ
2025.04.11 07:00
©︎ 2025『RENOIR』製作委員会 / International Partners
2025.04.11 07:00
早川千絵監督の長編2作品目となる新作『ルノワール』の公開日が6月20日(金)に決定し、予告編とポスタービジュアルが解禁。さらに本作が第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが決定した。
本作の舞台は1980年代後半の夏。両親と3人で郊外の家に暮らす11歳の少女フキは、ときに大人たちを戸惑わせるほどの感受性を持ちながら自由気ままに過ごしていた。しかし闘病中の父と、仕事に追われる母の間に大きな溝が生まれたことで、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。
主人公・フキを瑞々しく演じるのは、多数の候補者の中からオーディションで抜擢された新人・鈴木唯。さらにフキの母・詩子役の石田ひかり、父・圭司役のリリー・フランキーといった名優に加え、フキが出会う大人たちとして中島歩、河合優実、坂東龍汰らブレイク中の若手実力派俳優陣が出演する。

子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女のひと夏を描いた本作で、マイペースで想像力豊かな主人公・フキは、事情を抱えた大人たちと触れあう中で、11歳の小さな体に宿る“うれしい・楽しい”という感情をむくむくと膨らませていく。時折子供特有の残酷な一面や鋭い視線を見せ、早川監督は少女が積み重ねていく感情のひだを細やかに描写すると共に、大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出した。
今回解禁された予告編は、11歳のフキが「みなしごになってみたい」というタイトルの作文を提出し、母親(石田ひかり)が担任教師に呼び出されるシーンから始まる。自由な発想で大人を驚かせるフキだが、闘病中の父親(リリー・フランキー)をいつも気にかけ、放課後は父親の病室へ通う。そんな日々の中で、フキが対峙するのは、それぞれに事情を抱えた大人たち。同じマンションに住み、哀しみに暮れた表情でベランダから下を見下ろしていた久理子(河合優実)は、誰にも話せずにいた秘密をフキに打ち明け始める。またある時は、母が知り合った男性・御前崎(中島歩)や、大学生・薫(坂東龍汰)と出会い、フキの日常が変化していく。「人が死ぬと泣く、どうして悲しいんですか?」と大人に問いかけるフキの声。子どもと大人の間で揺れる、ひと夏が繊細に描かれる。
併せて解禁されたポスタービジュアルには、楽しそうに踊るフキの様子が大きく据えられている。うれしい、楽しい、寂しい、怖いといった、はちきれんばかりの感情を抱えながら、“哀しみ”を知って確かに大人に近づいていくフキ。幾重にも変化する11歳の少女の表情は、大人たちが過去に置いてきた遠い日の宝石のような記憶を呼び覚ましてくれる。
監督の早川千絵は、長編初監督作品『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、同年のアカデミー賞日本代表として選出された他、世界各国の映画祭で監督賞にノミネートされるなど驚異的な評価を獲得。本作で2作品連続のカンヌ出品という快挙を成し遂げることとなり、コンペティション部門ではパルム・ドールと名付けられた最高賞を目指して争うこととなる。なお、もしも現在12歳の鈴木がカンヌで主演女優賞に輝いた場合、かつて主演男優賞を獲得した『誰も知らない』(是枝裕和監督作)の柳楽優弥(当時14歳)より若い最年少受賞となり、日本人初の主演女優賞を果たすこととなる。
コメント一覧(カンヌ出品決定に際して)
早川千絵(監督)
『ルノワール』を共に作り上げたキャスト、スタッフ、全ての関係者の皆さんにまずは感謝を伝えたいです。
そして、映画を作り始めたばかりの私に最初にチャンスを与えてくれたカンヌ映画祭が、この映画を温かく迎え入れてくれたことに気が引き締まる思いです。
鈴木唯(沖田フキ役)
『ルノワール』がカンヌ映画祭コンペティション部門に出品されると聞いたとき、びっくりしたしとても嬉しかったです!嬉しくて飛び跳ねてしまいました。これからどうなっていくかワクワクしています!!
早川監督、ルノワールを一緒に作った皆さんおめでとうございます!
石田ひかり(沖田詩子役)
早川監督、スタッフキャストの皆さんと創り上げた映画『ルノワール』が、カンヌ映画祭の審査を通過し、「コンペティション」部門に出品されるとの報せを受け、言葉に出来ないほどの幸せと感謝と感動と興奮を覚えております。この作品に参加できただけで充分に満足し、幸せでしたのに、一俳優としてカンヌの地を踏む日が来るなんて考えたこともなかったので、ただただ驚きと興奮の中にあります。『ルノワール』が、カンヌを始め、世界に羽ばたく瞬間を、全ての瞬間を、心に刻みつけてきます。
早川監督、スタッフの皆さん、おめでとうございます!!(まだまだ心の整理が付きませんが、少しでもフランス語でスピーチ出来るよう特訓を始めます!)