映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #3
「IMP.としての自信が僕自身の力になる」ピュアで実直な新参者、松井奏の人間関係術
2025.02.12 18:00
2025.02.12 18:00
映画『遺書、公開。』特集リレーインタビュー第3弾に登場するのは、序列2位・赤﨑理人役の松井奏(IMP.)だ。
序列1位の姫山椿にふさわしい、完璧彼氏の赤﨑。だがやがて明かされる裏の顔に多くの観客が戦慄を覚えるだろう。
しかし、素顔の松井は赤﨑とは正反対の天真爛漫な甘えん坊。多くの先輩から可愛がられる“国民的甥っ子”に、集団社会を生き抜く人間関係術を聞いてみた。
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学生時代の僕は2.5軍でした(笑)
──松井さんにとっては初めての映画出演となります。
お芝居のプロの方に混ざってお仕事をするというのは刺激的であり緊張感もあり、いろいろと感じるものの多い毎日でした。きっとみなさん(クランク)インまでの間にたくさん準備をされていると思うのですが、僕はその倍やってもまだ足りないというレベル。だから、とにかく台本を何度も何度も読んで。わからないことだらけでしたけど、わからないなりにしっかり準備することを、まず大切にしました。
──どうやって赤﨑理人というキャラクターを自分の中で立ち上げていきましたか。
台本と、あともちろん原作の漫画も読んで。それから、これは僕のワガママなんですけど、読み合わせの前に監督とお話しする機会も設けていただきました。そこでまず自分の思いを1対1で監督にお話しして。それに対して、監督もこうじゃないかと答えてくださって。あの時間は、役をつくる上で大事な準備の一つでした。
──そうしたやりとりを経て、赤﨑はどんな人だというふうに解釈して臨みましたか。
赤﨑は裏表のはっきりした人。最悪クラスの全員から嫌われても、他のクラスに友達がいて、なんなら別の学校にも友達がいるだろうし。だからある意味何が起きても怖くないんですよ。そういう人ってどういう立ち回りをするんだろうって考えて。
僕自身が赤﨑とは真逆の人間なので、自分とのギャップを埋めるのが難しかったですね。たとえばいきなりここでボンッて大きな音が鳴ったら、僕だったらすごいビビるんですよ。けど、赤﨑は肝が据わってるからそうならないんじゃないか、とか。仕草の一つ一つから赤﨑らしさを出していくのが大変でしたし、最初はわかりやすいイケメンに見えた赤﨑の裏の顔が見えていくにつれて、どんどん悪いやつになっていければいいなって、そこは結構頑張りました。
──IMP.のメンバーとしてステージに立ってるときは絶対に見せることのない顔を今回は見せることができたんじゃないかと思います。
そこは結構やってて楽しかったです。どこまでやっていいか、自分の中で殻みたいなのがあって、それを取っ払うのにはものすごく勇気とエネルギーが必要だったんですけど、僕一人がどうこうというより、監督はもちろん同じクラスメイトのみなさんのリアクションに乗せてもらったところはありますね。
言ってしまえば、僕はお芝居に関してはド素人。そんな僕の演技に、みんながちゃんとリアクションをしてくれる。みんなのレスポンスによって、赤﨑理人という役を引き立ててもらったと思っています。
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──ちなみに赤﨑が同じクラスにいたらどうします?
いや、僕は仲良くなれないかもなあ(笑)。きっと赤﨑って表面的には仲良くしていても、深い付き合いにはならないタイプですよね。だから、卒業したらもう誰とも会わないんじゃないかな。
──じゃあ、赤﨑の裏の顔を見抜くこともできなさそう?
わかんないんじゃないですかね(笑)。人を騙し抜く変な知恵はありそうですから、赤﨑って。
──もし松井さんが2年D組の一員として、あの教室に放り込まれたらどうなっていたと思いますか。
精神的にやられていたと思います。すごいのが、2年D組のみんなはケロッとしてるんですよね。あってはならないことが起きたのに、誰も遺書を公開しようという流れに抵抗しない。ここに出てくる人たちはちゃんとみんな狂ってるんです。でも、たぶん自分がいたとしても、あの流れに一石を投じることはできないだろうなあ。僕は流されちゃう側です。で、自分の遺書を公開しても中身がない。「お前が理由じゃねえわ」って言われてます(笑)。
──松井さんは“序列”って意識しますか。
そこまで気にしないかもしれないですね。会社とか学校とか、たくさん人がいるところで生活していると、そういうことを考えちゃうかもしれないですけど、僕は普段(IMP.の)7人でやってるので、序列を意識する機会に出くわすことがないというか。
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──学生の頃はどうですか。スクールカーストみたいなものを感じることってありましたか。
僕はそんなに感じていないですけど、1軍とか2軍とか、そういうのがあったのはなんとなく。
──松井さんは何軍でした?
2.5軍でした(笑)。程よく誰とでも仲良くしつつ、あとは本当に仲が良い相手と狭く深く、みたいな。中学の頃、すごく仲の良い地元の友達が2人いて。そのうちの1人は不登校だったんですけど、普通に仲良く遊んでいて、今でも付き合いがあります。
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