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映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #2

気にしすぎていた10代から自信を持てる自分へ、堀未央奈が“大変な道”で変えたマインドセット

2025.02.11 17:00

2025.02.11 17:00

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10代の自分に贈りたい言葉は「考えすぎなくていいよ」

──自分に自信を持つのってすごく難しいから、それをちゃんとできた堀さんはすごいと思います。

それはもう経験だと思います。自分では失敗だったなと思うことも、数年後には笑い話になっている。むしろそういう失敗を経験できたから、今ここで頑張れているんだなと思えて支えになる。そう気づいてからは、たとえ今どんなに辛くても、きっとこれが自信につながると考えられるようになったし、そういうふうに考えられるようになると辛くもなくなるんです。すべては考え方次第なんだなって学ばせてもらいました。

──いわゆる成功体験のようなプラスの出来事が自信につながると思いがちだけど、失敗や挫折といったマイナスの出来事が自信に変わるんですね。

もちろん褒めてもらえたことも自信になるんですけど、大変な経験が多ければ多いほど自信につながった気がします。大変な思いをしたってことは、それだけ他の人ができないことをしたってことじゃないですか。その特別感が、自信に変わる。だから私は大変な道もすごく好きです。

──姫山椿はなぜ自殺したのか。その謎が隠されまま物語は進んでいきます。いい子だけど、何を考えているのかわからないところがある椿を演じる上で気をつけたことはありますか。

きっと椿ちゃんが何を抱えているのかわからないと思われていた理由って、彼女が誰に対しても平等に明るく振る舞っていたからだと思うんですね。なので、とにかく陽の部分をたくさん出して、太陽のような存在でいたいなと意識していました。そうやって明るくすればするほど後半にかけてギャップも効いてくるだろうなと思ったので。

──姫山椿の善性は、裏返すと人間味に欠ける部分でもあるんですよね。その表現がとても巧みでした。

ありがとうございます。本当に何を考えているかわからないと思っていた人もいると思うんですけど、中には椿ちゃんが完璧に見えていたからこそ、羨ましさの裏返しで、何を考えているかわからないって皮肉を言っていた人もいたと思うんです。そこが椿ちゃんの魅力でもあり、弱さでもあった。他人に弱さを見せられないところが、彼女の弱さだったんです。

映画『遺書、公開。』より

──何をしても周りから「序列1位なんだから」「序列1位のくせに」という言われ方をされます。ああいうNo.1ゆえの孤独に対して心寄せられるところはありましたか。

そうですね。もう10年以上前になっちゃいますけど、初めて選抜に入ってセンターになったときは本当に周りが見えていなくて。センターは孤独な位置だとよく言いますけど、本当に真っ暗でした。

──それはやはり、センターとはこうあるべきみたいな役割意識を背負っていたからですか。

そういうところはありましたね。まず私自身、乃木坂46が大好きだったので、乃木坂46はこうだっていうファンとしての見方もあったし、メンバーとしての責任もあった。先輩から見た私、同期から見た私、そしてファンの方から見た私。いろんな私が自分の中に混在して、すごく困惑したんですけど、それも一つずつ向き合いながら乗り越えて、今があるなという感じです。

──その頃の自分にかけてあげたい言葉はありますか。

考えすぎちゃう性格なのはしょうがないけど、「考えすぎなくていいよ」とは言ってあげたいですね。「人はそこまで他人のことを見てない」っていう言葉って寂しくもあり、でもすごくあったかい言葉でもあるなって。人からの見られ方を気にしすぎていた10代の私に贈りたい言葉です。

──椿は相手の顔色を窺って言葉を変えたり飲み込んだりします。彼女みたいに角が立たないように必死に心を砕いている人ってすごく多いんじゃないかと思います。

私はわりとはっきり言っちゃうタイプです。椿ちゃんの人を傷つけないように気遣いができるところは、私にはないもの。その柔らかさは取り入れたいなと思いました。

──むしろそうやってはっきり言える強さが素敵だとも思います。

うれしいです。でもそれを怖いと思っちゃう人がいるのも確かなんですよね。特に年齢を重ねれば重ねるほど、どんどん人に威圧感を与えてしまうので。柔らかさというのは大事な気がします。

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愛ある叱りで見直した友達との関わり方

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作品情報

遺書、公開。

©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX

©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX

遺書、公開。

2025年1月31日(金)全国公開
配給:松竹

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:吉野北人 宮世琉弥 志田彩良
松井奏(IMP.) 髙石あかり 堀未央奈 忍成修吾
上村海成 川島鈴遥 荒井啓志 松本大輝 星乃夢奈 榊原有那 藤堂日向 菊地姫奈 大峰ユリホ
阿佐辰美 兼光ほのか 日髙麻鈴 大東立樹 金野美穂 鈴川紗由 浅野竣哉 青島心 楽駆
原作:陽 東太郎「遺書、公開。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
企画製作:HI-AX
製作プロダクション:ダブ

1996年10月15日生まれ、岐阜県出身。
2013年に2期生として乃木坂46に加入。7th シングル「バレッタ」にて初選抜にして初センターを務める。映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』(監督:山戸結希)にて初主演を務め、数多くのドラマにも出演。
2021年3月をもって約8年間活動した乃木坂46を卒業。卒業後もドラマ『サレタガワのブルー 』(21)など俳優として様々な作品に出演。 田中征爾監督の映画『死に損なった男」の公開が控えている。

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