映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #2
気にしすぎていた10代から自信を持てる自分へ、堀未央奈が“大変な道”で変えたマインドセット
2025.02.11 17:00
2025.02.11 17:00
映画『遺書、公開。』リレーインタビュー第2弾には、堀未央奈が登場。本作では物語の発端となる生徒で、突然自ら命を絶った序列1位の姫山椿を演じる。
誰からも愛され、ソツなく周囲と付き合っていたように見えた椿。だが、その裏側には「序列1位」という圧と、下位からの嫉妬と羨望があった。
8年間、乃木坂46の一員として活動し、選抜争いというアイドルグループの洗礼をくぐり抜けてきた堀が、“序列”に対して思うこととは?
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乃木坂46時代の目標は自信を持つことでした
──もし堀さんが映画みたいに自殺したクラスメイトから遺書を遺されたらどうしていると思いますか。
まず遺書というものを見たことがないので、遺書を見た時点で戸惑うと思います。そしてきっと手書きじゃないことに違和感を持つんじゃないかな。これはいつどのタイミングでどうやってつくられたものなんだろう。もしかしたら誰かが仕掛けたものなんじゃないかって、わりと状況を冷静に見ちゃうかもしれないです。
──じゃあ、堀さんだったらみんなで遺書を公開する流れには乗っていかない?
きっとあの中にいたらそうせざるを得ない状況になっていると思います。学生であれば教室であったり、社会に出たら会社であったり、自分の属するコミュニティというのはそれぞれあって、どうしたってその場の空気からは逃れられないと思うんですよね。集団で行動している限り、ああいうことは絶対に起こってしまうんだろうなって映画を観て感じました。
──閉鎖されたコミュニティの恐怖というのはありますよね。
あると思います。自分の意思を表示することがすごく難しくなっちゃうんですよね。
──特に学生だとスクールカーストなんて言葉もすっかり当たり前のものになりました。
私が学生だった頃は、まだスクールカーストという言葉がそこまで定着していなかったんですよね。だから私も“序列”みたいなものは何にも考えていませんでした。1軍とか2軍みたいな言い方もあんまりしていなかった気がするんですよね。今はそういう言葉があるせいで気にしてしまう子たちも多いと思うんですけど。
──この映画をご覧になる方の中には、そんなスクールカーストの真っ只中にいる学生も多いと思います。
集団で行動していると、この中で自分はどういう立ち位置なのか、どんなふうに見られているのか気にするとは思うんですけど、そういう順位づけって社会に出てからもずっと続くんですよね。世の中は変わらない。だったら、自分が変わった方が早くて。そんなの気にしててもキリないなって気づくことで、ひとつ悩みが減ると思います。
もちろん教室にいる頃はなかなかそのあきらめまで行けなくて、人間関係に疲れてしまうことはたくさんあると思いますが、そんな悩みもあまりマイナスに考えすぎず、大人になるための準備期間というふうにポジティブに捉えて、10代のうちからしっかり自分自身と向き合って、自分がどういう人間なのか見つめる時間にしてほしいですね。
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──乃木坂46にいらっしゃった頃はセンターだったり選抜メンバーだったり、“序列”というものがわかりやすい環境だったと思います。当時は順位づけみたいなことについてどう感じていましたか。
乃木坂46には選抜メンバーというのがあって、そこに選ばれる選ばれないというのがあるとわかった上で、それでもなりたくて応募したっていう感じでした。
──とはいえ、10代の頃は特に周りと比べてしまいそうです。
自分では比べたくないと思っていても、周りが比べたりしますしね。自分にできないことを違う子ができていたりすると、羨ましくもなるし、マイナスな感情になることもたくさんありました。だから当時の目標は自信を持つことでした。
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──自信というと?
比べてしまうこと自体はしょうがないけど、比べたところで自分がマイナスな感情になることはもうわかっている。なので、自分は自分、他人は他人って割り切っていこうって、少しずつ考え方を切り替えられられるようになって。必要以上に周りを見ても仕方ないから、その時間があるならもっと自分自身を向き合う時間にしようって考えることにしたんですね。さっき10代のうちに自分を見つめる時間を持ってほしいと言ったのは、そういうことで。
自分を見つめる時間をつくると、少しずつ自分の良さがわかるようになってくる。自分の良さがわかると、今度は自信を持てるようになる。そしたら、自分にできないことをできる人が周りにいても、自然と自分で自分を励ませるようになったというか。じゃあ私はもっとここの部分を伸ばしていこうって自分を高める方向に気持ちを持っていける。そういう思考を身につけられたのは、乃木坂46というグループにいたおかげです。あの環境で活動できて良かったなって今は純粋にそう思いますね。
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