共演ドラマ『ペンション・恋は桃色』3シーズン目が配信開始
リリー・フランキー×斎藤工の間にある信頼 もの作りの“パートナー”として惹かれ合う魅力とは
2025.01.14 19:00
2025.01.14 19:00
迷ったら永野さんを一度観ることにしてます
──お2人のプライベートでの関係性は、season1の頃から変わっていったりしていますか?
リリー 変わるも何も、工君に仕事含めて何年も会わない……みたいなことがそもそもないよね。何かしら同じ仕事をしてたり。
斎藤 確かに。一昨年はリリーさんが福岡県の映画祭に来られてて、たまたま長崎でロケをしていたので会いに行ったり。
リリー 2013年の冬に、北九州市の映画祭のアンバサダーをつとめたんですよ。工君が長崎にいるっていうし、工君も映画好きだしで声をかけたら「じゃあレンタカー借りてちょっと行きますよ」と。「あの人、多分東京から横浜に行くぐらいの感覚で言ってるな」とは思ったんですけどね、案の定3時間くらいかかってて(笑)。それでおでん食って20分ぐらいで帰る、っていう。
斎藤 でも、リリーさんの故郷の映画祭だっていうから。行きたかったんですよ。
──斎藤さんは、ご自身のプロデュース作品や初監督作品でもリリーさんとご一緒してますよね。俳優としてのリリーさんの魅力をどう思われているんでしょう?
斎藤 もう、魅力しかないんですよ。ちょっとずるい位置に最初からいらっしゃるので。なんて言えばいいのかな……リリーさんがそこにいるだけで、作品自体の乾いたものが生になっていくような感覚があるのというか。共演しても思うんですけど、やっぱりリリーさんがいらっしゃる座組って、そこに何かリアリティみたいなものが生まれていって、現場がそれに影響されていくんですよ。虚構から本物になっていく、その間にいらっしゃる方のように思っていて。ご本人ももちろんですけど、周りに対する影響力がすごくあるなあと。
──だからご自身の作品にも出て欲しい存在だと。
斎藤 そうですし、リリーさんが出ている映画やドラマは観よう、ってなるんです。
──リリーさんは今の斎藤さんのコメントを聞かれていかがですか?
リリー いやでも、僕も工君に関しては似たような感覚で捉えてますね。最初から「100%俳優さん」というよりも「クリエイターの人」という感覚なんですよ。そもそも、最初の出会いが「監督」と出演者でしたし、プロデューサーとしても出会ってるし。だから工君とは一緒にお芝居をするというより、「一緒にものを作りたい人」……ある意味、一緒にものを作る「パートナー」かな。その感覚で一緒にお芝居をするし、ものも作るから、今回のドラマみたいなことが一緒にできるんだと思います。だから現場で一緒にいると、とても楽しいんですよ。
斎藤 嬉しい。
リリー この感覚は、100%の職業俳優の人だったら成立しないと思うんですよ。だってそういう人は多分現場にドローンを持ってこない(笑)。
──確かにそうですね。
リリー 何かお互い「こうしたらいいんじゃないか」というのを思っている。それは自分のお芝居じゃなくて「作品がどうやったら良くなるか」ということを、多分スタッフ含めてみんなが考えている現場なんですよ、『ペンション・恋は桃色』というドラマは。「これはできません」ということを言う人がいないというか、そういうことを言う段階にないというか……ある意味、いいアマチュアリズムなんでしょうね。
──最後に、今日の撮影中も「あれ観た?」なんて会話をずっとされてるくらい無類のカルチャー好きであるお2人が最近注目しているエンタメ作品があれば教えてもらってもいいですか?
リリー べったら漬かなあ。
斎藤 べったら漬かNewJeansですよね。
リリー いや、鈴木慶一さんが撮影現場に持ってきてくれたべったら漬がとにかく美味しかったんですよ。しかも、わざわざ「べったら漬祭」に行って買ってきてくれたというものでしたからね。これはエンタメでしょう!
──べったら漬はエンターテインメントだったと(笑)。
リリー (笑)でもなんだろうね……多分僕も工君も、毎日映像作品は観てるんですよね。映画にしてもドラマにしても、観ない日を探すのが珍しいくらいなんだけど。
斎藤 僕、ありました。(2024年の)11月なんですけど、芸人の永野さんが「永野50歳記念ライブ~ありがとう斎藤工」というライブを開催したんですね。最初僕は出る予定はなかったんですけど、御縁があるんで(笑)出演させていただいたんですよ。それで、出るんだったらトークゲストだけじゃなくて、なにか汗をかきたいと思いまして……ショートコントを書かせてもらって、一緒にやりました。
リリー 永野さんといえば僕、永野さんのYouTubeをよく観てるんですよ。年代的には僕のほうがひと回りくらい上のはずなんだけど、永野さんのYouTubeを観てると「そういえばR.E.M.ってちゃんと聴いたこと無かったな」とか、『バッファロー’66』ってそういう見方ができるのか、とか「自分が取りこぼしたカルチャー」を摂取することができるんですよね。なにか観ようと思うけど、プラットフォームも多いし何を観たいかわからなくなる時があるじゃないですか。そういうときは僕、永野さんのYouTubeを一度観ることにしてます。
斎藤 うわ、それ本人に伝えておきますよ! すごく喜ぶと思います。