自分の性格を言葉で表すなら?意外な素顔や原動力も語る
森川葵が“色を固定しない”ことで気付けた変化、出演途切れぬ15年目の役者観とは
2024.11.27 18:00
2024.11.27 18:00
芝居をしている時は楽しさより責任感が強い
──このお仕事を始めて約15年が経ちますが、今の原動力というと?
なんですかね……でも、現場に行って、いろんな人と出会って、いろんな作品に出て、それが大変だろうと楽しかろうと、っていう日々を過ごすのに幸せを感じてるんですかね。人と接するのは好きだし、こうやって一緒に何かを頑張って作ってみることも好きだから、続けているんだと思います。
──動きたくないと言いつつ、スイッチが入るのはどんな瞬間なんですか?
スケジュールに仕事が入ってたらスイッチが入ります(笑)。
──責任感なんですかね(笑)。
そうですね(笑)。自分のやるべきことはきちんと責任を持って、やり切らなきゃって。
──新しい役と出会った時はどんな感覚になるんですか?
「どうしたらいいんだろう?」って思うところから始まりますね。「笑っていいのか、笑っちゃダメなのか」「どんな顔をしたらいいのか?」っていう。まず「わからない!」っていうところから始まることが多いです。
──そこからどう役を掴んでいくんでしょう?
映画は撮影期間が短いことが多いので、なるべく自分の中で「この役はこういう性格でこういう人」っていうことを固めるようにしてます。ドラマは撮影が長いから、現場に入ってからもちょっとずつ修正がきいたりするので、わからないなりに自分はこう演じてるつもりだけど、周りからはどう見えているんだろうって、なるべく「これで大丈夫ですかね?」と聞きながらやっていますね。
──それが『アングリースクワッド』での丁寧なコミュニケーションにも繋がっているんですね。
そうですね。
──役者をやっていて一番楽しさを感じる瞬間というと?
やっぱり、いろんなスタッフさんや共演者の方々と他愛もない話をしている瞬間ですかね。芝居をしている時は楽しいっていうより、「きちんと自分の責務を果たさなきゃ」っていう気持ちのほうが強いかもしれないです。
──出演作が途切れないイメージがありますが、となると、次々と高い山が現れるみたいな感覚なんでしょうか?
そうですね。毎回毎回同じ役ではないので、「この現場ではどれだけ周りに求められていることをやり切れるのかな」って思いますね。
──『アングリースクワッド』では、それで達成感を感じた瞬間はありましたか?
いろんな扮装をする中で、自分のできる限りの役の捉え方を活かして、やり切ることはできたかなって思います。
──違う役とはいえ、さまざまな役を演じてきた経験が活きている実感はありますか?
活きてると思います。ただ、私は似通った役というより全然キャラが違う役をいただくことが多いので、求められているものがその場その場で全然違うんですよね。だから、どこかで作り上げたものを持っていくというより、その都度その都度話し合いながら、どうしていくかを決めていくことが多いです。
──確かに森川さんは役者として色が固定されていない印象があります。そこはご自身では強みだと捉えているのでしょうか?
強みだとは思うんですが、同じ系統の役を積み重ねて、「こういう部分もあるんだ、この人には」みたいな開拓していったほうがいいんだろうなって思う時もあります。けど私が求められているのはそっちではないと思っていて、だからその時その時で自分が出せる全力を出し切り、さらにはそこで見つけられるものがあればいいなと思ってやっていますね。
──このお仕事を始めて約15年というと、率直にいかがですか?
短かったですね。気づいたら15年近く経っていたなって感じです。
──役者をやる上で一番変化したのはどんなところだと思いますか?
「ちょっと違うかもしれない」って言われたら、自分が「こうだ」って思ってたことを全部止めることにしたのが大きな変化ですかね。なんとなく自分で「こういうお芝居がしたい」とか「こういうことがやりたい」というものを作っちゃう癖があったんですけど、結局演じる役は私ではないし、私が考えてることは所詮私でしかないから、だから周りが言う「ここはこうしたほうがいいかもね」っていうのをとりあえずやってみるようになりました。それは何か大きなきっかけがあったというよりも、やっていく中で「自分が思っているだけが、その役の全てではないな」ということに、じわじわと気付いていったという感じですね。