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INTERVIEW

このメンバーで旅をするなら?映画さながらの自然派トーク

綾瀬はるか×大沢一菜×森井勇佑の『ルート29』回想録 友達になった3人が語り合う“誠実さ”とは

2024.11.10 17:30

2024.11.10 17:30

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一緒に仕事をしていて、本音で話せないのは不誠実だと思う

──中盤で登場するのり子の姉・亜矢子の「(仕事を)うまくなんかやる必要はない。誠実にやればいい。でも、その誠実ができない」という言葉が沁みました。

綾瀬 私もあそこはやってて気持ち良かったです。

森井 へえ、そうなんだ。

綾瀬 なんだろう。声のトーンもあるのかな。

森井 あの鳥取弁のリズムは心地いいものがあるよね。

綾瀬 そうかも。リズムも心地いいし、言ってることは難しくて何を言いたいのか掴みかねるところはあるんだけど、でもお姉ちゃんがすごく悩んでいて一生懸命なんだなということは伝わってくる。言いたいことがまとまりきらなくて、どんどん話が飛んでいくのに対して「うん。わかる。そういうことってあるよな」と思ったというか。

森井 自分の気持ちを言葉でちゃんと伝えることってめちゃくちゃ難しいですよね。

綾瀬 難しいですね。

森井 頑張って話したところで、自分が思ってることをちゃんと言えたかどうかも、言った瞬間わからなくなるし。

綾瀬 本当そうです。わからなくなる。

──うまくやることと誠実にやることのギャップは、仕事に携わる人間として共感できるものだと感じましたが、みなさんはどう思いましたか。

大沢 誠実の意味って何?

森井 誠実っていうのはね、一生懸命やることです。

大沢 じゃあ一生懸命やることと、うまくやることの違いは?

森井 何だろう。一生懸命やるっていうのは、魂を込めてやるということじゃないかな。

大沢 それとうまくやることってどう違うの? 

──大変核心を突いた質問ですね。大沢さんの問いに大人であるお二人はどう答えますか。

大沢 教えてください!

森井 そもそも僕はうまくやれることが皆無なんですよ。うまくやろうとしてもそれができない。

綾瀬 うんうん。

森井 だからむしろうまくやることの方に憧れがありますけど。

綾瀬 うまくやることの大事さもありますよね。たとえば、ちょっと大人になって周囲と調和とるみたいなことは、うまくやることだと思いますし。

森井 そうなんです。僕はそういうことが全然できないから、亜矢子みたいに悩むことがなかった気がする。

綾瀬 理想としては、誠実にやりつつ、うまくやれたらいいですよね。

──綾瀬さんの誠実ってどういうことか聞いてもいいですか。

綾瀬 正直であることですね。もちろん中にはいい嘘もあって、人を元気づけるためにつく嘘はいい嘘と言えるのかもしれないですけど。うまくやろうとしている表面は見えるのに、真意が見えないのはやっぱり寂しい。一緒に仕事をしていて、本音を話せなかったり、話していても何を考えているのかわからない、本当の思いはどこにあるんだろうと感じてしまう人に対して不誠実というか、愛がないと感じるかもしれないです。

──ロードムービーである本作では、旅の途中でいろんな人と出会って別れていきます。そのたびに心が軽くなっていくような気がしたんですが、みなさんの自分の心を軽くしてくれた出会いを教えてもらえますか。

大沢 私は、友達。家族の次に大切ですね。

──友達といるときの大沢さんは、今ここにいる大沢さんとやっぱり違いますか。

大沢 まったく違うと思います。もっと友達の前ではうるさいと思います。

綾瀬 どんな感じか見たいな。

森井 リーダーっぽいの? 友達の中で。

大沢 ……友達に聞かないとわかんない。

綾瀬 私も一菜ちゃんと同じで友達ですね。何でも話せる友達の存在ってすごく大きくて。何か考えて悩んでたりしているときも、友達と話していると最終的にすごく笑っちゃって、「あれ? 何の話だっけ?」みたいな感じになることがよくある。仲のいい友達とはしょっちゅう遊ぶから、世間話のように「今日、こんなことがあって〜」とその日のちょっと落ち込んだことも聞いてもらっています。

──森井監督はどうですか。

森井 僕は映画だと思います。映画に出会って、僕の心は軽くなった。僕が人生で初めて観た映画は『ジュラシックパーク』だったんですよ。映画館に入った瞬間、暗闇の中、ティラノサウルスが吠えてるところで。なんだこれと思ったら、ちょうどそこがクライマックスでエンドロールになったっていう。当時はまだ映画館が入れ替え制じゃなかったら、そういうことが普通にあったんですよ。で、また最初から観ました。

大沢 『ジュラシックパーク』って恐竜の?

森井 そう、恐竜の。恐竜が好きだったんですよ。

大沢 一緒だね。

森井 そっか。一菜もティラノサウルスに会いたいって言ってたよね。

大沢 うん。噛まれてみたい!

──では最後に、この3人で旅をするならどこに行きたいですか。

大沢 どこ行きたい?

綾瀬 どこがいいかな。じゃあ、商店街で鬼ごっこは?

森井 いいですね。でも、あれめちゃくちゃしんどいんだよな(笑)。

綾瀬 商店街でおいしいものをつまみながら、鬼ごっこをしましょう。

森井 わかりました。じゃあ、3人で鬼ごっこということで(笑)。

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作品情報

ルート29

©︎2024「ルート29」製作委員会

©︎2024「ルート29」製作委員会

ルート29

2024年11月 TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:東京テアトル、リトルモア

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

監督・脚本:森井勇佑
出演:
綾瀬はるか
大沢一菜
伊佐山ひろ子 高良健吾 原田琥之佑 大西力 松浦伸也/河井青葉 渡辺美佐子/市川実日子

原作:中尾太一「ルート29、解放」(書肆子午線)
製作:東京テアトル、U -NEXT、ホリプロ、ハーベストフィルム、リトルモア

綾瀬はるか

アーティスト情報

1985年3月24日生まれ、広島県出身。2000年、デビュー。04年に『雨鱒の川』で長編映画初主演をはたす。同年、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」(TBS)でゴールデンアロー賞新人賞を受賞。以降、「白夜行」(06/TBS)や「ホタルノヒカリ」シリーズ(07、10/日本テレビ)など多くの主演ドラマが話題を集める。08年、『僕の彼女はサイボーグ』、『ザ・マジックアワー』、『ICHI』、『ハッピーフライト』と4本の映画に出演し、第32回山路ふみ子映画賞新人女優賞や第21回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。09年に映画『おっぱいバレー』でブルーリボン賞主演女優賞も受賞している。13年にはNHK大河ドラマ「八重の桜」で主演を務めた。15年『海街diary』で毎日映画コンクール、ヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞。その他の出演作に、ドラマ「JIN/仁」シリーズ(09、11/TBS)、「義母と娘のブルース」シリーズ(18~24/TBS)、『はい、泳げません』(22)、『レジェンド&バタフライ』(23)、『リボルバー・リリー』(23)などがある。

2011年6月16日生まれ、東京都出身。22年の映画『こちらあみ子』で応募総数330人の中からオーディションで選ばれ、主人公のあみ子役でスクリーンデビューを飾った。同作で第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞する。その後、ドラマ「姪のメイ」(23/テレビ東京)でもタイトルロールのメイ役で主演。宮藤官九郎が企画・監督・脚本を担当した配信ドラマ「季節のない街」(23/Disney+STAR)ではホームレスの少年役で出演した。また、俳優業にとどまらず、23年、NTT東日本「ミライはどこから来るの?」のCMに出演するなど、その個性あふれる存在感が幅広いジャンルで注目を集めている。さらに、24年にはRM(BTS)2ndソロアルバム『Right Place,Wrong Person』に収録されている“Domodachi (feat. Little Simz)”のMVにも出演。世界中から多くの注目を集めている。

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