『ラブ トランジット』主題歌で得た視点と描いた恋愛観とは
「新しい自分との物語が始まった気がする」第2章を歩むeillの“夢の叶え方”
2024.08.28 18:00
2024.08.28 18:00
気づいたら叶えてる夢がたくさんある
──「過去の恋と、次の恋の交差点。」が同番組のキャッチコピー。eillさんがアーティストとしてのご自身の現在地を示すならどこでしょうか。
長い第1章が終わって第2章に入った、みたいな感じがします。インディーズから数えると今は6年目で、メジャーで4年目。たくさん曲を書いてきましたし、いろんなアーティストさんに楽曲提供もさせていただいて、気付いたら叶えている夢がたくさんありました。そういう中で、どんどんいろんなものを受け入れられるようになってきたし、楽曲を作る上で大事にし過ぎていたものやこだわり過ぎていた部分も、今はすごく客観的に見えているんです。そういう「私はこうじゃなきゃ嫌なんだ」という昔の自分に対して、「それを受け入れて先に進む人生も面白いんじゃない? やってみれば?」と思える自分が最近現れてきて。今、その子との物語が始まった気がしています。
──第1章はいろんな夢を叶えることが一つのモチベーションになっていたのではないかなと思いますが、第2章は続けることが必要になってくるターン。そんな今のeillさんのモチベーションになっているものは何ですか?
次の目標とか果たさなきゃいけないことみたいなものが次々と出てくるんです。それを追いかけてこなしていたら、気がついたら、昔描いていた夢が叶っていたりする。目的地があって、そこに行くためにどうしたらいいかを悩むよりも、「とりあえず行くよ!」「走るよ!」みたいな気持ちでずっとやってきたので、そのやり方でずっと変わらずにいるという感じです。
──目的地が次々出てくる?
そうですね。歩いているとダンジョンみたいに現れて、それを一つずつクリアしていっている感じです。もともと目標や夢はあんまりなくて。でも一つずつ現れると、それをクリアしたいと思うということは、自分の中には夢や目標はきっとあるんだと思います。それが私の生き方でいいかなって思っています。
──バンド・CHIANZの始動やWeverseでのコミュニティ開設など、2024年のeillさんは新しいことに挑戦されていますが、これから始めたいことはありますか?
MVでちゃんと演技ができるようになりたいです。それこそ『ラブ トランジット』を見ていても、みんなカメラ回っているのにすごく自然じゃないですか。「なんで?」って思うんですよ。私は下手くそすぎて、カメラが回ると手と足が一緒に出ちゃったりして。「happy ever after」のMVでも演技をしているのですが、自分でやっていて悲しくなりましたもん。カメラが回るとどうしても作っちゃうので、カメラの前でも自然体でいられるようになりたいです。
──「happy ever after」には「1分1秒とそれ以外」というフレーズもありますが、年齢や経験を重ねていく中で、“1分1秒”というものに対する考え方や価値に変化はありますか?
私、いつも時間には追われていて。ギリギリで生き過ぎなんです。それはずっと変わらないですね。でも……時間って早いなと思って。私は20歳くらいで音楽業界に入ったのですが、気付けばもう26歳。計画性のない人間だからこそ、ちゃんと瞬間瞬間を意識して進んでいかないと、気が付いたら人生が終わってしまう気がして。だからもっと時間を大事にしようと思うようになりました。
──そして10月9日にはメジャー2ndアルバム『my dream box』のリリースが控えています。どんなアルバムになりそうか、言える範囲で教えて下さい。
私は自分の中にR&Bの血が流れているタイプなのですが、2年前くらいからオルタナティブロックとかそういうものがすごく好きになって。CHIANZもそれで始めたんですけど。そういう、今までの自分の中にはなかった音楽のスパイスが入ったアルバムになりそうです。それと。今まではラブソングというものに対してちょっと苦手意識があったのですが、『ラブ トランジット』の主題歌という機会をいただけたことで、自分の中でラブソングを消化することができるようになってきて。今回のアルバムは半分くらいがラブソングになっています。そこは自分の中で超成長したなと思うポイントですし、期待しておいてほしいところです。