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INTERVIEW

『インサイド・ヘッド2』吹替版キャスト2人の自然体トーク

表現者として必要な感情を一つ選ぶなら?大竹しのぶ&多部未華子が実践する自己肯定術

2024.08.02 19:00

2024.08.02 19:00

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世代は違えど、どこかこの二人は似た空気感を持っている。突出した演技力と存在感を誇りながら、役というヴェールを脱ぐと、少女のように可憐であどけない。大竹しのぶと、多部未華子。まさに女優になるべくして生まれてきた稀有な表現者だ。

そんな二人が、ディズニー&ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』で吹き替えを務める。大竹は前作に続きカナシミ、多部は本作から新たに加わったシンパイというキャラクターに、持ち前の豊かな表現力で息吹を与えた。

これまでさまざまな作品を通じて無数の感情を演じてきた大竹と多部。その才能と感性を支えてきた感情とははたして何だろうか。

多部未華子、大竹しのぶ

大竹さんはお芝居を始めると化け物に変わるんです

──お二人はこれまで舞台などで共演されてきました。お互いに対してどんな印象をお持ちですか。

大竹 多部ちゃんとは『ふくすけ』(2012年)で初めてご一緒したんですけど、そのときはすごいおとなしかったよね。

多部 基本的にずっとおとなしいです(笑)。

大竹 そうだね。どっちかと言えば、ワーワーと話すタイプではないけど、話すとなんだかとっても面白くて、可愛いんです。

多部 私にとって大竹さんは小さい頃からずっとテレビで見てきた方なので、初めてお会いしたときは思わず「あ、本物だ!」と思いました(笑)。

大竹 そうなの?小さい頃からって(笑)。

大竹しのぶ

多部 バラエティにもよくお出になっていたので、話し方とか雰囲気とか、ざっくりとしたイメージはあって、本当にテレビのままだなと。でも、お芝居を始めるとガラッと雰囲気が変わる。化け物に変わるんです。

大竹 化け物(笑)。

多部 言葉が強くてすみません(笑)。本当に化け物しか言いようのない存在感で。でも、お芝居が終わると、またふんわりほんわかした大竹さんに戻る。すごい方だなとずっと尊敬しています。

大竹 私から見ると多部ちゃんはいつも冷静。困っている様子を見たことがない。だから、つい頼りにしちゃうみたいなところがあって。

多部 本当ですか。

大竹 『ふくすけ』のときも、ダンスができなくて。でも多部ちゃんは上手なので、いつも「どうすんだっけ?」「ここはどうだった?」と聞いていました。頼れる後輩みたいなところはあります。

多部未華子

──今回、お互いの吹き替えを聞いてみての感想もぜひ伺わせてください。

多部 前作を拝見していたので、「あ、カナシミだ」と思いました(笑)。今回、カナシミと話をする場面があったのですが、ずっと聞いていたカナシミの声とシンパイとしてしゃべれるのは楽しかったです。

大竹 私が演じるカナシミは話すテンポがゆっくりで、言葉数もそんなに多くはなくて。だから、アフレコのときもそんなに困ることなく口の動きと合わせることができたんですけど。多部ちゃんの演じるシンパイはとにかく台詞量が膨大で大変だったと思います。

多部 そうなんです。シンパイって心配ごとを回避するためにとにかく一生懸命喋るんです。

大竹 それをスピード感を持ってやらないといけない。これってとっても難しいんです。

『インサイド・ヘッド2』日本版本予告

多部 しかもオリジナル(米国版)の声がハスキーで。私はハスキーではないので、オリジナルのような声を出すのは難しい。ハスキーではないけど、私なりのシンパイってどういうものだろうって、いろいろ考えて行き着いた結果が今回のシンパイの声なんですけど。あの癖のある声で、しかも早口で感情を出し続けるのが難しくて。これは本当にできているんだろうかという不安と戦いながらのアフレコでした。

大竹 そんな不安を感じさせないくらい素晴らしかったです。大変なことを見事にやってらっしゃるなってびっくりしました。

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2人にも“シンパイ”な一面はある?

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作品情報

インサイド・ヘッド2

©︎2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

©︎2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

インサイド・ヘッド2

2024年8月1日(木)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

監督:ケルシー・マン
製作:マーク・ニールセン(『トイ・ストーリー4』)

日本語版声優:大竹しのぶ(カナシミ)、多部未華子(シンパイ)、横溝菜帆(ライリー)、村上(マヂカルラブリー/ハズカシ)、小清水亜美(ヨロコビ)、小松由佳(ムカムカ)、落合弘治(ビビリ)、浦山迅(イカリ) 、花澤香菜(イイナー)、坂本真綾(ダリィ)

日本版エンドソング:「プレゼント」Performed by SEKAI NO OWARI

大竹しのぶ

アーティスト情報

東京都出身。75年 映画「青春の門 -筑豊編-」のヒロイン役で本格的デビュー。その鮮烈さは天性の演技力と称賛され、同年、朝の連続ドラマ小説「水色の時」に出演し国民的ヒロインとなる。以降、気鋭の映画監督、舞台演出家の作品に多数出演、主要な映画・演劇賞を数々受賞。世代を超えて支持され続けている名実ともに日本を代表する女優。
近年の主な作品に、舞台「スウィーニー・トッド」 (24)、「ふるあめりかに袖はぬらさじ」「ヴィクトリア」「GYPSY」(23)、「女の一生」「ピアフ」(22)。映画「わたくしどもは。」(24)、「ヘルドックス」(22)。また「君たちはどう生きるか」(23)、「漁港の肉子ちゃん」(21)で声の出演がある。ドラマ「PICU 小児集中治療室」(22)、「海のはじまり」(24)など他多数。2011年に紫綬褒章を受章。2021年に東京2020オリンピック閉会式に出演。
著書に「ヒビノカテ まあいいか4」(幻冬舎)がある。NHK-R1「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」(毎週水曜21:05~)が好評放送中。11月には主演舞台「太鼓たたいて笛ふいて」を控える。

多部未華子

アーティスト情報

1989年1月25日、東京都生まれ。
2002年に女優デビュー。05年公開の映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』でブルーリボン賞新人賞を受賞して注目を集める。09年にNHK連続テレビ小説『つばさ』のヒロインを務め、10年には『農業少女』で読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞、エランドール賞新人賞などを受賞。映画、ドラマをはじめ、舞台、CM、声優と多方面で活躍。近年の主な出演作に、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(20年)、『マイファミリー』(22年)『いちばんすきな花』(23年)、映画『空に住む』(20年)、『流浪の月』(22年)、『遊撃/映画監督 中島貞夫』(23年)、舞台 NODA・MAP『兎、波を走る』(23年)などがある。

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