2024.07.05 18:00
2024.07.05 18:00
この先大きな壁があるかもしれないけど、今は楽しい
──藤野と京本は「漫画」というものに夢中になることで繋がっているわけですが、お2人にとってあの2人ほどのめり込めるものはありますか? やはり俳優としてのお仕事でしょうか。
吉田 そう……だよね!?
河合 私もそうかも。他にある?
吉田 いや、本当にこれです……というか、正直「これしかない」というか。役にしてもキャラクターにしても、まだ経験していない役がもう無限にあると思うので、どんな役でもやってみたいなと思うし。今回も「声優」という新たな挑戦ができてすごくよかったなと思うんですよね。ちょっと贅沢な言い方をしちゃうと、私の最終目標って「吉田美月喜が良かったね、唯一無二だね」って言ってもらえるようになる、そんな俳優になりたいんですね。そのためには自分の引き出しをたくさん持っておかなくてはいけないし、いろんな経験をしておきたい。いろいろ吸収していきたいですね。
河合 私は……自分の中でも矛盾しているとは思うんですけど、“俳優として”の前に“人として”いろんなことに感動して、生活を大事にしたい、みたいな気持ちもあるんですよ。でも一方で、私も「これしかない」人なんだな、と思うことが多くて……。例えば、ライフワークみたいな趣味がある人っているじゃないですか? その趣味があれば、「仕事」として例えば俳優業も頑張れる、みたいな。自分は多分そういうタイプじゃなくて、日常で映画やドラマを観たりしても、自分の仕事につい繋げてみてしまう。でもそれは仕事のために勉強すると言うより、ただ「楽しい」から自分の仕事に繋げて見てしまう、そういう感じかなと思います。『ルックバック』の2人にとっての「漫画を書く」ことに近いんじゃないかなと。この作品の2人は、たまたまそれが若くして成功に結びついただけで。
──河合さんも根の部分には「楽しい」があるんですね。
河合 ありますあります! 本当に楽しいからお芝居やりたいと思うし、映画を見るのも好きだし、みたいな感じですね。
吉田 私もそうですね。仕事にしても、もちろん作品づくりや役づくりの上ですごく悩んだり、この役大変だなとか思うことはあるけど、撮影が終わって完成してそれを見たときには「楽しかったな」と思えますね、今のところは。この先大きな壁があるかもしれないですけど(笑)。
河合 いろいろなことをやりすぎて、楽しくて始めたはずなのに「楽しくない」って思っちゃうことも、もしかしたらこの先あるかもしれないよね。でも、今のところは楽しいし、面白いなって思えてます。
──お2人は共通して、映像から舞台まで幅広く出演されています。活動のフィールドについては、あえて映像だけに絞らないとか、意識されている部分はあるのでしょうか?
吉田 私の場合は、特に意識しているわけではないです。もう本当に映画でも舞台でもドラマでも、それぞれ違う面白さがあるし、全然違う役のアプローチの仕方になるので、いろいろやりたいなと……本当にただそれだけですね。チャンスがある作品は全部やりたい!って思ってます。
河合 私も意識してやってるわけじゃないんですけど、多分自分の性質として“雑食”なところがあるのが大きい気がするんですよね。もともとショーっぽいものが好きというか……歌やダンスがあったりとか、そういうものが好きだったり。でもお仕事を始めてからは映画にたくさん出させてもらって、俳優としては「映画に育ててもらった」みたいな気持ちもあるし、かといって元々は「舞台に立っている感覚」から演じることが始まっていたり……。いろんな種類のものが好きだから、自分が取り組む側になっても自然といろんなところに興味が行くんだと思います。
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